【全文】衆議院 憲法審査会 発言/政調会長・古川あおい(2026年5月14日)の要約
古川あおい議員が衆議院憲法審査会で緊急事態条項のイメージ(案)について意見を述べました。
衆議院憲法審査会で、チームみらいの古川あおい政調会長が「緊急事態条項のイメージ(案)」について党の立場と3つの意見を述べました。憲法改正を議論する際の前提から、具体的な課題まで丁寧に整理した発言です。
古川議員はまず、この議論の出発点を確認しました。「国民の生命や生活を守る」という目標があってこそであり、憲法改正はその手段のひとつに過ぎないと強調します。
「改正すべきか否か」という問いの立て方ではなく、改正した場合・しなかった場合のメリットとデメリットを具体的に比較して議論することが大切だという考え方を示しました。特に、緊急事態条項については「明示的な規定を設ければ非常時の対応の遅延を避けられる」というメリットと、「緊急時のために設けた規定が恣意的に運用されるリスク」というデメリットの両面を正直に示しています。
衆議院が不在の非常事態が起きた場合、「参議院の緊急集会(臨時に参議院が国会の役割を代行する仕組み)で対応すればよい」という考え方があります。しかし古川議員は、この考え方に立っても6年を超える事態には対応できないと指摘します。
- 参議院議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選される
- 選挙困難な事態が6年を超えると、参議院議員自体がいなくなる可能性がある
- ロシアによるウクライナ侵攻はすでに4年以上が経過しており、「あり得ない話」とは言えない
こうした極端な事態についても、現行制度で対応できるか議論が必要だと主張しました。
今回の案には性格の異なる複数の項目が含まれており、切り分けて議論すべきだと述べました。
とくに「緊急政令・緊急財政処分(国会の関与なしに法律や予算に代わる措置を政府が単独で行う権限)」については、強く慎重な姿勢を示しました。日本国憲法は戦前の「緊急勅令」の反省から、緊急時でも議会の統制を維持することを設計の根幹に据えています。その例外を設けるには、「どんな事態に対応するために必要なのか」への丁寧な答えが先に必要だと主張しました。
一方、国会のオンライン出席については、非常時だけでなく平時の議会機能向上にも有益として、具体的な検討を進めるべきと提案しました。
「選挙困難事態の認定が正しかったかどうかは、事後の国政選挙で判断できるから裁判所の関与は不要」という考え方がイメージ案に示されていますが、古川議員はこれに異議を唱えました。
- 選挙の一票は「多義的」で、特定の政策への賛否を明確には問えない
- 事態を認定した政権が、都合のよいタイミングで選挙を実施する可能性もある
行政府が単独で判断し、事後の選挙のみでチェックする仕組みは権力統制として十分ではないと主張しました。
最後に古川議員は、そもそも選挙困難事態が起きないよう制度を強化する視点を求めました。
- 現在も離島・在外・障害のある方など、投票アクセスが困難な方がいる
- 緊急事態の議論が「選挙権の保障」を根拠とするなら、こうした平時の問題にも同様に真剣に向き合うべき
- インターネット投票の導入など、選挙制度を強靱(きょうじん)にすることで、そもそも選挙困難事態の発生リスク自体を下げられる可能性がある