【全文】衆議院 内閣委員会 質疑/幹事長・高山聡史(2026年5月29日)の要約
高山聡史議員が衆議院内閣委員会で特殊詐欺・マネーロンダリング対策の犯収法改正について質疑をしました。
特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の被害が過去最悪の水準に達する中、チームみらいの高山聡史議員が衆議院内閣委員会で「犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正案」に関する質疑を行いました。被害総額は令和7年中に3,200億円を超え、認知件数も43,000件と深刻な状況です。
「犯収法」とは、詐欺などで騙し取ったお金を「洗浄(マネーロンダリング)」させないためのルールを定めた法律です。今回の改正では、預金口座の不正利用への罰則強化と、架空名義口座を使った新しい捜査手法の導入が盛り込まれています。
高山議員はまず「罰則を厳しくすれば本当に抑止効果があるのか、どうやって確かめるのか」と質問しました。
- 2011年にも同様の罰則強化が行われたが、その後もマネロン犯罪の検挙件数は急増している
- 効果を測るには検挙件数・口座停止件数・被害額の推移・SNS上の口座売買投稿数など複数の指標(KPI)で検証すべきでは?
- 毎年、国民に分かりやすく公表する仕組みを設けてほしい
警察庁は「さまざまな統計数値や個別事案を総合的に検証する」と答え、特殊詐欺の認知・検挙状況は随時公表していると説明しました。
「送金バイト」(詐欺グループに頼まれてお金を送金する行為)は、見た目では普通の取引に紛れ込むため、検知が難しいという問題があります。高山議員はAI活用について金融庁・警察庁に質問しました。
- 金融庁:大手金融機関ではAIを使った不審取引の検知が始まっている。複数の金融機関が共同で委託できる「為替取引分析業者」という仕組みも活用されている
- 高山議員は「大手だけでなく、地域の中小金融機関でも技術が使われることが大事」と要望
- 警察庁:2022年から疑わしい取引情報をAIに学習させ、担当者が注目すべき情報に優先順位をつける仕組みを構築。不正口座情報を金融機関と迅速に共有する連携も進めている
今回の法改正では、警察官が架空名義口座を使って犯罪グループに近づくという新しい捜査手法が認められます。身分を隠せる強力な権限であるため、高山議員は次の2点を指摘しました。
- 透明性の確保:手のうちを明かさない範囲で、運用状況を国民に公表する仕組みが必要
- 協力する金融機関への支援:法案には義務づけはないが、実務負担や訴訟リスクへのサポートが必要
国家公安委員会委員長は「適切な公表の在り方を検討するよう警察を指導する」「法律上、金融機関の協力は警察の求めに応じるものと明確にし、犯収法上の罰則適用も除外する」と回答しました。
最後に高山議員は、マネーロンダリング対策の国際的な監視機関FATF(ファトフ/金融活動作業部会)の審査対応について財務省に質問しました。
- 2028年に予定されているFATF第5次対日審査では、「法律を整備したかどうか」だけでなく「実際にちゃんと機能しているか」が重視される
- 財務省は「今回の犯収法改正を通じた実績の向上など、有効性を確保する取り組みを政府全体で進める」と回答
高山議員は質疑を通じて、単なる罰則強化にとどまらず、AI技術の活用・官民連携・国際的な審査への対応まで含めた「総合的な詐欺・マネロン対策」の推進を求めました。