2026年5月28日·衆議院·委員会·総務委員会
【全文】衆議院 総務委員会 質疑/組織活動本部長・武藤かず子(2026年5月28日)の要約
会話形式(原文ベース)
- 武藤かず子チームみらいの武藤かず子です。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。今調べていただいて、私、11回目の質問をさせていただきます。ありがとうございます。本日もよろしくお願いします。 本日、私どもチームみらいが実施をしておりますでいただきましたさまざまな視点のご意見をいただき、本日は5つのテーマをお伺いしてまいりたいと思います。 まず、今回の法案の一つですけれども、料金の上限規制の仕組みを見直して、実質的に日本郵便が柔軟に料金を設定できる余地を広げるものであります。その目的として、政府はの維持を挙げていらっしゃいます。しかし、ここには根本的な矛盾があるのではないかと私自身感じております。一つに、不安と懸念の声をいただいておりますので、ご紹介させてください。 はがきが今後100円、封書が200円を超えるとなると、どうしても出す相手を絞らざるを得ない、また、年賀状をやめざるを得ないという行動変容の複数の声をいただいております。大切な文化が失われてしまうリスクが非常に高いと感じました。 また、中小事業者からは、「10円上がったとしても非常に厳しい」、「請求書が欲しいと言われたら、110円払ってくださいと相手に、取引先に案内しなければならなくなるかもしれない」といった切実な声もいただいております。 また、「デジタル移行へのハードルが高い傾向にあるお年寄りや障害者の方々、福祉利用者の方々は、郵便の利用の頻度が高いであろう方々にとって、どうしても、さらなる値上げがされますと、そのしわ寄せを背負わせてしまうことになるのではないか」といった懸念の声もございました。 郵便物数がすでに2001年の比較で52%減少しているという状況、また、今後、人口減少やデジタル化といった情勢からも、減少が進むことは避けられない状況でございます。値上げを可能にする仕組みを整備するだけではどうしても出口が見えません。 そこで、林大臣にお伺いをいたします。 今回の料金改定の仕組みによって、利用者の負担が増加する可能性を高めてしまうことについてどのように認識されておられますでしょうか。また、特に郵便利用頻度が高い傾向にある高齢者、福祉利用者への影響についてどのような手当てをお考えでしょうか。
- 林芳正 総務大臣武藤委員はもう11回目ということで、大変ご苦労さまでございます。 今回のでは、郵便事業におけるの規定(収入がその実施に要する適正な費用を超えてはならないというの規定)を見直しまして、の料金水準を上回らない範囲内で郵便事業以外の事業の収支の状況も勘案した料金設定を許容し、利用者が利用しやすい料金設定を可能とすることとしておるところでございます。 先ほどもお答えしましたように、一定の方向性を持っているわけではないということは先ほど申し上げたとおりでございます。 また、後段のお尋ねですが、心身障害者団体の発行する定期刊行物や盲人用の点字郵便物などにつきましては、その料金の額が総務大臣の認可の対象となるとして低廉な料金による提供が求められるものでございまして、その料金制度、これは今回の改正後も維持をされるということでございます。
- 武藤かず子福祉利用者への考慮がなされているとお聞きできましたこと、大変ありがたく存じます。 続きまして、多く上がった声といたしまして、日本郵便の裁量拡大による癒着、不透明な支出への不安感、また、この対策案として、原価公開、収支の定期報告や第三者監査の義務化といった声もいただいております。 今回、この日本郵便の料金設定の裁量が拡大することに対して、透明性と説明責任をどう担保するお考えか、お聞かせください。
- 牛山智弘 総務省 情報流通行政局郵政行政部長今回の改正案をお認めいただきましたら、改正法の施行までの間に、を経た上で、の料金の上限額に係る算定基準等を公表してまいりたいと考えており、現在、総務省のにおきまして作成に向けた検討を行っているところでございます。 料金の上限額の認可に当たりましては、今後公表する算定基準等に基づきまして、上限額算定の根拠となる原価および利潤の適正性を厳格に審査することや、へのやを行うことなどにより、手続きの透明性を確保しつつ、説明責任を果たしながら認可を行ってまいりたいと考えております。
- 武藤かず子裁量を広げるのであれば、透明性と影響を受ける方々への説明、手当てということがセットでなければならないと考えておりました。その手当てをすでになされているということをお聞きできまして、とても安心をしております。 続きまして、長期的ビジョンについてお伺いをさせてください。 値上げの悪循環が容易に想像できるという状況下でございますが、ここからの脱却を念頭に置いた長期ビジョン、また、をお聞かせいただきたいと考えています。その一つのアイデアとして、デジタル化という構造転換をご提案したいと思います。 デンマークの事例でございますが、デンマークは、2014年に、政府、自治体等の公的機関からの国民へのすべての通知をで送ることを義務化いたしました。認証は(デンマークの個人識別番号)とひもづいたという共通システムで、国民は1種類のワンタイムパスワードカードで行政も銀行も使える設定になっています。デジタルに不慣れな方々には、紙への免除ではなく、市役所・図書館に専門スタッフを配置して、対面でサポートしながらにアクセスをしてもらうという方針を貫き通しました。 コスト面でも、窓口対応1件当たり14ユーロに対して、電子サービスは4.2ユーロ、3分の1までコストを抑え込んでおります。その結果としまして、郵便物数は、2000年に14億通だった取り扱い数が、2024年にはわずか1億1,000万通まで減少しまして、2025年12月には、政府出資で運営されていた(デンマークの国営郵便サービス)が400年以上続いた手紙配送事業から撤退をしまして、民間業者に引継ぎをするということをしております。 私がここで申し上げたいのは、デンマークが、値上げを繰り返すという選択肢をせずに、構造転換という道を選んだというところです。 翻って、日本は、の保有率がすでに全国で80%に達しております。また、ポータルという基盤もございます。あと必要なのは、こういった構造転換への移行の意思と設計であると考えています。 そこで、お伺いをいたします。公的文書のデジタル送達を段階的に推進し、郵便局をデジタルへの移行に取り残される方々への対面サポートの拠点として活用する、そのような長期的な構造転換のビジョンを総務省として描くお考えはございますでしょうか。林大臣の見解をお聞かせください。
- 林芳正 総務大臣委員が前段でおっしゃられましたように、多様な通信手段が普及している近年の状況に鑑みますと、の料金水準を厳格に満たすような硬直的な値上げを行った場合には、かえって郵便事業の収支を悪化させることが懸念をされるわけでございます。 こうした点を踏まえまして、今回のでは、郵便事業におけるの規定を見直して、の料金水準を上回らない範囲内で、郵便事業以外の事業の収支の状況も勘案した料金設定を許容し、利用者が利用しやすい料金設定を可能とすることとしております。 これに加えて、郵便料金の継続的な値上げを抑制するためには、日本郵便における経営の効率化や収益拡大を通じた経営健全化を図ることも重要であると認識をしておりまして、同社の令和8事業年度事業計画の認可の際に、要請などを通じて収支の改善に向けた監督を行っているところでございます。 また、今年の5月15日に公表されました日本郵政グループの中期経営計画には、法令で求められている郵便のサービス水準について見直しを要望する旨が記載されている、そういうふうに承知をしております。 今ご紹介いただきましたデンマークにおけるデジタル化の取り組み、これについては承知をしておるところでございますが、今後、日本郵政グループをはじめとする関係者の意見ですとか、デジタル化の一層の進展を含む郵便事業を取り巻く環境の変化なども踏まえながら必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
- 武藤かず子ごありがとうございます。郵便局という物理的インフラをどう転換していくかというのは、やはり総務省の責任領域であると考えます。今後、構造転換というところを推進していくためにも、やはりを描く主体は総務省でなければなし得ないと思っておりますし、デジタル化・化はやはり所管をしている方の強いがなければ成功がなかなかできないということも、自治体のを所管されている総務省さんであれば、すでにご認識のとおりと思っております。 ぜひ、大臣のリーダーシップによって、郵便局という物理インフラの転換も含めた公的文書のデジタル送達に主体的に取り組んでいただくことを期待しております。 続きまして、今申し上げた郵便局を対面サポート拠点として活用するという方向性に関連して、1点、具体的にお伺いをさせてください。 一部の自治体では、郵便局での申請、更新サポートが実施されておりますが、対応内容は自治体によってばらばらで、の更新まで対応しているところもあれば、申請サポートのみ行うところもあります。全国一律の制度的な担保は今のところないと認識をしております。 政府が推進しておりますの普及のために、郵便局という全国の対面のインフラを活用しない手はないのではないでしょうか。郵便局を申請、更新サポートの常設拠点として制度的に位置づける構想について検討の余地があるのか、また、その検討の状況をお聞かせください。
- 牛山智弘 総務省 情報流通行政局郵政行政部長お答え申し上げます。関連事務につきましては、の改正によりまして、令和3年にカードのの更新等を、また令和5年にカードの交付申請の受付等を郵便局に委託できる措置を講じているところでございまして、令和8年3月時点で約90団体が関連事務を郵便局に委託をしているところでございます。 総務省におきましては、今後、の等の更新も増加することから、日本郵便とも連携しつつ、市町村への意向調査等を通じた市町村と郵便局とのマッチング支援、委託に関心のある市町村への丁寧な個別相談や委託経費に対する財政支援などに取り組んでいるところでございます。 今後とも、引き続き、全国の自治体から関連事務の郵便局への委託が拡大してまいるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
- 武藤かず子取り組んでいただけるというところ、大変ありがたく思います。一方で、全国一律の制度として位置づけるところも有効かと思いますので、ぜひ検討いただけますと幸いでございます。 続きまして、次の質問に移ります。郵便料金が値上げされることになりますと、地方自治体は、どうしても納税通知書や各種行政通知の送付コストが増加いたします。ある自治体の職員からも、このコストが膨れ上がっていることで、財政は非常に厳しい状況、逼迫しているという状況、そういった声が私の耳にも届いております。 これを解決するために、「」、特定の受取人に対して差出人の意思を表示する、また事実を通知する文書、いわゆるから、「」、これは、誰もが客観的に判断できるように重量やサイズなどの範囲を規定すること、これは過去にヤマト運輸からあった提案でございますが、これに切り替えることで、民間企業、民間業者も郵便事業に参入しやすくなることができて、地方自治体が郵便サービスを提供する業者を選ぶことができるようになるのではないかという意見をでいただきました。 このへの見直しがされているかどうかを総務省、日本郵便に確認しましたところ、「郵政事業の確保と郵便・市場の活用化方策の在り方第1218号において、の秘密が侵されることは危険性があるため、大きさ、重さといったはそぐわないという検討結果に至った」と回答をいただきました。 この回答を踏まえ、なぜ地方自治体が納税通知書や各種行政通知書を紙で送る必要があるのかをひもときましたところ、その背景に二重の構造的問題があることが分かりました。 1点目は、第20条の送達規定が紙・郵便を前提とした書きぶりになっており、デジタルに移行しにくいという制度的制約があることです。 2点目は、はがきや手紙などは一般として区分され、このへの参入要件として、日本郵便と同等に配達範囲やサービスレベルを有しているという非常に高いハードルの要件が定められております。実態として、平成15年4月に施行された制度でありつつ、これまで参入した民間業者はゼロであります。つまり、はがきや手紙は、日本郵便以外の代替競争が事実上生まれにくい、生まれていないという状況です。 この二重の制約があることで、自治体は値上げという財政負担を受け入れざるを得ない状況ですし、最終的にその負担は住民の肩に重くのしかかっております。 そこで、お伺いいたします。この構造的な問題について、総務省はどのように認識されておられますでしょうか。また、の送達規定の見直し、あるいはへの参入要件の緩和を今後課題として位置づけ、検討いただけますでしょうか。
- 牛山智弘 総務省 情報流通行政局郵政行政部長お答え申し上げます。地方団体が送付する納税通知書等につきましては、令和9年度以降、(原本や正本と同じ内容を記載した文書)が電子的に送付されることとなりますが、電子納税通知書の将来的な正本化に向けては、での運用実績を積み重ねて検証しつつ、検討が行われるものと承知をしております。 また、便事業に参入する事業者が増加すれば、競争を通じて、地方自治体を含めた利用者にとって低廉で多様なサービスの提供を受ける機会が増加すると考えております。これまで、郵便と同様に全国でサービスを提供するへの参入はございませんが、大型、高付加価値等の特定のサービスを提供するにつきましては、600者を超える参入がございます。創意工夫を凝らしたさまざまなサービスが提供されているところでございます。 総務省といたしましては、引き続き、便事業に係る制度周知などを通じまして新規参入の促進を図り、利用者の選択の機会の拡大に努めてまいりたいと考えております。
- 武藤かず子特定に関しては600者ほど参入しているということは私も把握をしておりますが、私が論点としたいのは、でございます。一刻も早く住民の負担を取り除いていただきたいです。 この構造的問題の解決に向けた検討を具体的なスケジュールとともに進めていただきたく、強くお願いを申し上げます。 最後に、過疎地の郵便インフラに対する対応についてお伺いをいたします。 郵便局の設置基準等は、の第4条第2項第3号において、過疎地においては、の施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすることと規定されており、この法律の施行後も過疎地の郵便局が一時閉鎖、再開未定という事態が生じております。 たとえば、熊本県上天草市の樋合、長野県上田市の石井、これらは令和8年に一時閉鎖し、再開のめどが立っておりません。 施行規則でネットワーク基準の維持を定めながら、実態として廃止、長期閉鎖が相次いでおり、住民の利便性に影響し得る状態でございます。 そこで、お伺いをいたします。過疎地での郵便機能を維持するため、コンビニ等の民間企業、また農協、行政施設等との統合・連携によって維持をしていく方向性について検討の余地があるのかどうか、お聞かせください。 あわせて、現在、コンビニ等ではの重量計測ができないため、利用者が郵便局まで出向かなければいけないという問題について、郵便局以外での重量計測等を含む郵便業務開放の検討余地があるかどうか、また、ほかにどのような施策をお考えか、あるいは現在取り組まれている施策があればお示しいただきたいです。お願いします。
- 林芳正 総務大臣日本郵便が業務を委託して運営しておりますの中には、民間企業、農協、自治体が受託者となっている事例がある一方で、直営郵便局が自治体からの委託を受けて自治体窓口業務を行うなどの取り組みも進んでおりますので、地域住民の生活を支えるため、こうしたさまざまな連携が進んでいくということは重要であるというふうに考えております。 重量計測等の郵便窓口業務を含め、郵便の業務の一部を外部に委託すること、これは制度上可能でございます。今後、具体的な委託の在り方について、利用者のニーズ等も踏まえながら、日本郵便などの関係者と連携しつつ、不断の検討を行ってまいりたいと考えております。
- 武藤かず子ごありがとうございます。以上で、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。