【全文】参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会 質疑/党首・安野貴博(2026年6月17日)の要約
安野貴博議員が参議院デジタル特別委員会で個人情報保護法改正とデータ活用支援について質疑をしました。
チームみらいの安野貴博議員が、個人情報保護法とデジタル行政推進法の改正案について、参議院の特別委員会で質疑を行いました。AI時代のデータ活用と個人情報保護のバランスをどう取るか、特にスタートアップなど中小事業者への影響を中心に、3つのテーマで議論しました。
安野議員はかつてAIスタートアップを経営していた経験から、データ利活用の現場の苦労を知っています。医療用AIの開発で「仮名化済み」とされたデータの中にレントゲン写真に氏名が写り込んでいたケースや、プライバシー保護技術(PETs)を使うと精度が大幅に落ちるジレンマなど、現場ならではの課題を紹介しつつ質疑を進めました。
今回の質疑では272件・約73時間分のAIインタビューで集めた市民・事業者の声も活用され、現場の実態に即した議論が展開されました。
今回の法改正では、課徴金の要件や統計作成の特例など重要なルールの詳細を、今後ガイドライン(指針文書)で定める予定です。
安野議員は「ガイドラインを読んでも自社が何をすればいいか分からない」というスタートアップの声を紹介し、次の2点を求めました。
- 具体的な事例やチェックリストを盛り込んだ、実務で使えるガイドラインにすること
- 困ったときにすぐ相談できるサポート窓口を充実させること
個人情報保護委員会の事務局長は「多様なステークホルダーから幅広く意見を聞きながら、実際の利用者に身近な事例に配慮した内容にしたい」と前向きに回答。松本デジタル大臣も「チェックリストは有効なので採用したい」と答えました。
また安野議員は、プライバシーマークのような認定団体によるツール認証の仕組みを活用し、事業者が安心して使えるデータ保護ツールを選べる環境づくりも提案しました。
新たに設けられる課徴金制度(ルール違反に対して売上などに応じた金額を国に納める制度)について、安野議員は事業者が「自分の行為が対象になるのか」を事前に判断できるかどうか(予見可能性)が重要だと指摘しました。
具体的に2つのケースについて確認しました。
ケース①:技術的な限界で個人情報を完全に消せなかった場合
- 希少な属性の組み合わせや画像データなど、どうしても個人が特定されうる情報が残ってしまうケース
- 回答: 必要な加工措置を適切に行っていれば、直ちに課徴金の対象にはならない
ケース②:後から新技術で再識別が可能になった場合
- 現時点では問題なくても、将来の攻撃技術の進歩によって個人が特定できてしまうケース(「メンバーシップ攻撃」など)
- 回答: 当時の合理的な技術的措置を講じていれば、そのことだけで義務違反にはならない
この整理により、まじめに対策を取っている事業者が不当に萎縮しなくて済む方向性が確認されました。
デジタル行政推進法の改正で、民間事業者が行政のデータを使って研究開発をしやすくなる「行政データ活用事業認定制度」が新設されます。ただし、データ取得には整備コストなどを反映した手数料が発生します。
安野議員は「大学の研究者は無料でデータを使えるのに、それを事業化しようとしたとたん多額のコストがかかる」という声を紹介。EUでは中小事業者への無償・減額提供が行われている例を挙げ、規模に応じた手数料減免や段階的な負担の仕組みの導入を求めました。
デジタル庁の統括官は「幅広い事業者の活用が必要であることを踏まえ、政令の検討において留意する」と答え、スタートアップへの配慮を検討する姿勢を示しました。