2026年3月12日·衆議院·委員会·総務委員会
【全文】衆議院 総務委員会 質疑/組織活動本部長 武藤かず子(2026年3月12日)の要約
会話形式(原文ベース)
- 武藤かず子チームみらいの武藤かず子です。本日も、審議のため質問の機会をいただき、ありがとうございます。 NHKといえば、私自身、学生時代にはまったく興味のなかった歴史の扉を開いてくれたのが大河ドラマでございました。そして、私、現在5歳と3歳になるこどもを育てており、彼らも保育園から帰った後、Eテレを見ることをとても楽しみにしております。保育園からなかなか帰ろうとしないときには、「からだ☆ダンダン」始まるよと言って、急いで家に連れて帰るということ、そういう日常もございます。このように、NHKは、多くの家庭の日常に自然に入り込み、教育や文化に大きな役割を果たしてきた存在であると感じております。これは、、いわば公益のための放送を担っていただいているNHKだからこそ果たせる役割であると認識しております。 一方で、現在、テレビ業界を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。これまでの議論にもございましたとおり、インターネットの発展により、私たちが情報や映像コンテンツに触れる手段は急速に多様化いたしました。たとえば、Netflixのような動画配信や、YouTubeのような個人が情報発信できるメディアの広がりにより、一昔前とはメディアの種類も構造も大きく変わってきております。 こうした中で、として、NHKがどのような役割を担い、どのような形で国民に価値を提供していくのか、あらためて問われているかと思います。ぜひ会長より、この時代に求められる役割をお話しいただきたく存じます。
- 井上日本放送協会会長ありがとうございます。お答えいたします。時代が激しく変化し、情報の信頼性が揺らぐ中で、正確で公正な報道を届けることはもちろん、自然災害・国際情勢・生活情報など、人々の安全と安心に直結する情報を提供し、国民の知る権利に応えるという・公共メディアとしての役割・使命はかつてなく重要になっていると認識しております。 さらに、オリンピックなどの国民的なスポーツイベント、エンターテインメントや教養など、多様なジャンルで人々の暮らしに寄り添うコンテンツを届けることも・公共メディアの大切な役割だと考えております。 私は、就任以来、NHKの放送や配信を通じて、人々の役に立ち、励まし、勇気づけ、時に命を救う、そうした人々の生きる力となる存在でありたいというふうに話しております。引き続き、放送でも、インターネットでも、正確な情報や豊かな番組、コンテンツをお届けするという変わらぬ使命を今後も果たし続けてまいります。
- 武藤かず子知る権利、それをしっかりと提供していくというお話もございました。すでに議論にもございましたけれども、たとえば最近の事例として、NetflixがWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の独占配信権を獲得したと報じられております。 これは、誰もが重要なコンテンツや情報にアクセスできるべきというユニバーサル・アクセスの観点から見ても、非常に象徴的な事例になると考えております。さまざまな事情によって有料サービスに加入できない方々、たとえば高齢者、低所得者、あるいはデジタル機器に不慣れな方々にとっては、こうした配信形態は大きな壁となります。 こうした問題に対して、すでに田嶋(要)理事からもご紹介がございましたけれども、ヨーロッパでは法的な対応が取られている状況でございます。たとえばEUでは、AVMSD、視聴覚メディアサービス指令第14条によって、社会的重要イベントの独占放送権が定められております。この制度では、加盟国が社会的に重要なイベントのリストを作成し、そうしたイベントについては、独占放送権の施行によって国民の多数が視聴できなくなることを防ぐ措置を講じております。また、イギリスでも、1996年放送法に基づき、国民的なイベントは有料放送、スカイなどに独占されず、地上波テレビで多くのアクセスが可能であることが法律で保護されております。 規制当局は、この制度の目的を、主要なスポーツイベントの放送ができるだけ多くの視聴者に無料で届くようにするための制度と説明しています。また、も、この制度の意義を、これらのイベントは国民を結びつける共通体験であり、国民が広く無料で視聴できることがの重要な役割であると説明しています。その対象は、クラウンジュエルと呼ばれるリストに対象のイベントが定義されており、オリンピック・パラリンピック競技大会、また、FIFAワールドカップ決勝戦、グランドナショナル、ラグビーワールドカップ決勝戦などが含まれております。 このように、EUやイギリスでは、国民的イベントを単なる市場取引の対象ではなく、社会が共有すべき公共的資産として位置づけ、制度としてアクセスを確保しております。一方で、日本には、このように社会的に重要なイベントへのアクセスを制度として担保するという枠組みは存在しておりません。 こうした中で、インターネット時代においても国民が重要なスポーツや文化的コンテンツにアクセスできなくなる可能性、つまり情報格差の拡大のリスクについて、NHKの受け止めをぜひお聞かせください。
- 山名日本放送協会副会長お答えいたします。ご指摘のように、大型スポーツイベントの放送権料は、世界的に高騰する傾向にございます。一般的な話になりますけれども、いたずらに放送権料が高騰して、国民的関心の高いスポーツイベントを視聴する機会が限られてくるということであれば、好ましいことではないというふうに考えております。 受信料で運営されておりますNHKとしましては、放送権料を無制限に支払うということはできませんけれども、関心の高いスポーツイベントを合理的なコストでお伝えできるように努め、にふさわしい、多様で良質なスポーツコンテンツを広くあまねく視聴者にお届けしていくことが役割と考えております。
- 武藤かず子合理的なコストで、できる限りそういった放送権を獲得していきたいというお言葉、大変心強く思います。しかしながら、こういった、できる限りというベストエフォートよりも、やはり制度をもって手当てしていくことが、私自身、近道で確実であるとも考えております。 そこで、総務省にお尋ねいたします。政府として、イギリスやEUのように、制度的な枠組みについて、ぜひその必要性について検討いただきたく存じます。今後、こうした社会的に重要なイベントへのアクセスをどのように確保していくか、現時点の状況や今後の対応について、ぜひお伺いさせてください。
- 豊嶋情報流通行政局長一般に、スポーツ放映権につきましては、権利保有者と放送事業者のビジネス上の契約交渉によって取得されるものでございまして、個別のスポーツ番組の放送については放送事業者が判断するというのが基本であると考えております。その一方で、委員ご指摘のとおり、EUの一部加盟国あるいはイギリス等におきましては、たとえば、オリンピックあるいはサッカーのワールドカップなど特定のスポーツイベントについて、有料放送事業者による生放送の独占を制限するといった制限が設けられているということは承知をしております。 一方で、ただし、そうした制度が導入されている各国におきましても、スポーツ放映権そのもの自体の価格の高騰が生じているということも承知しておりまして、この制度が今後、スポーツ放映権の高騰に対して効果を持続できるのかどうかという点につきましてもよく見極めていく必要があるかと考えております。また、我が国においてこうした制度を導入するに当たっては、放送番組の編集の自由を基本としております放送法の枠組みとの整合性、あるいはスポーツ団体のビジネスへの制約など、検討すべき課題が存在するものと考えております。 こうしたことから、総務省としましては、まずは、諸外国における制度、そしてその効果並びに関係者への影響等についてしっかり把握してまいりたいと思っておりますし、必要に応じまして関係省庁とも連携しまして取り組みを進めてまいりたいと考えております。
- 武藤かず子ありがとうございます。各国の事例の調査が開始されていることを認識いたしました。また、調査の結果により今後の対応方針が策定されると期待いたします。 そんな中で、一つ私から要望を申し上げさせていただきますと、やはりこういったスポーツの国際大会は、単なる娯楽にとどまらず、日本を応援する体験を通じて、世代や地域を超えて人々を結びつける、社会の一体感やアイデンティティーの形成にも関わる非常に重要な機会でもございます。誰もがこうした国民的なイベントにアクセスできる環境が整えられることを強く願っております。 続きまして、次の質問に移らせていただきます。アーカイブ映像の公開と活用についてでございます。 NHKは、長年にわたり、膨大な歴史的映像や文化的資料を蓄積してこられました。これらは、日本社会の歩みや文化を記録した、極めて貴重な公共的資産でございます。そして同時に、受信料を財源として日本国民のために作成された、また蓄積されたものでもございます。こうした現状の中で、映像の多くが、一般の国民にとって十分にアクセス可能な形で活用されているとは言い難いのではないでしょうか。 デジタル技術が発展する今だからこそ、歴史的な映像や資料をより広く公開し、教育や研究、さらには国民一人ひとりが自らの歴史や社会を理解するための資源として活用していくことが重要であると考えております。であるNHKが保有するは、単なる放送素材ではなく、社会全体で共有されるべき知的・文化的資産であり、誰もがアクセスできる形で積極的に活用していくことこそ、としての使命にもかなうものと考えます。 そこで、NHKが保有する映像資料について、今後どのように公開・活用を進め、国民がより広くアクセスできる環境を整えていくのか、また現時点で認識している課題、その対応方針、今後の方針についてぜひお聞かせください。
- 山名啓雄 日本放送協会副会長お答えいたします。NHKは、埼玉県川口市のスというところで、番組ですとか番組関連素材、こちらを保存・管理しておりまして、現在、およそ1万本の過去の番組などをこちらで無償でご覧いただくことができるようになっております。そのほかに、インターネットサイトでは、およそ31,000本の映像資料あるいは音源、こちらを公開してございます。 このほかにも、学校向けに番組のDVDを貸し出す事業、ティーチャーズ・ライブラリーというものや、大学などの研究者を対象にしまして番組を学術研究に利用していただく学術利用、あるいは、高齢者の方々が昔の映像を見て思い出を語り合うことで認知症の予防に活用していただくという回想法ライブラリーといった形、そのようなさまざまな形でこのアーカイブス放送資産を活用しているところでございます。今後もNHKの持つ放送資産の価値を適切に視聴者に還元してまいりたいと考えております。
- 武藤かず子ごありがとうございます。そうしたアーカイブ資料を、今の時代に即した形、デジタル・インターネットを活用して公開されることをぜひ検討いただけるとありがたいと思います。 続きまして、次の質問でございます。選挙報道における公平性の在り方についてお伺いいたしたく存じます。 これまで、日本のテレビ報道においては、選挙期間中、政党や候補者に関する報道について、公平性の確保という観点から、取り扱いに慎重な対応が取られてきた面があるのではないかと認識をしております。この背景には、放送法第4条において、放送事業者に対して政治的公平であることが求められているからであると理解しております。 結果として、候補者の政策や人物像、あるいは選挙戦の動きについて十分に踏み込んだ報道が行われにくいという状況もあったのではないでしょうか。また、こうした政治的公平が、実務上は、放送時間の均等という形で運用されていることが多く、結果として、候補者や政策の違いを比較するような報道が行われにくくなっているのではないかという指摘もあります。 一方で、日本新聞協会は2025年6月、インターネットと選挙報道をめぐる声明を公表し、選挙の公平を過度に意識して報道を控えるのではなく、有権者の判断材料となるような情報を積極的に提供することが重要であるという趣旨を示しております。これは近年、SNSなどで偽・誤情報が拡散し、有権者の判断がゆがめられる懸念が指摘される中で、事実に基づく情報を積極的に提供していくことの重要性をあらためて示したものとして、大変意義のある提起であると受け止めております。 たとえば、海外のの事例を挙げますと、イギリスのだけではなく、ドイツのARD、ZDF、カナダのCBC、オーストラリアのABCなどのでは、選挙期間中に候補者や政策比較の番組を積極的に放送し、有権者が政策や主張を比較できる情報を提供しておられます。 こうした違いは、の数字にも一定程度表れているのではないかと考えます。先の衆議院議員選挙では、は55.7%ほどでした。一方、海外事例として挙げた国のは日本よりも高く、たとえば、2025年に実施されたドイツ連邦議会選挙では82.5%にもなります。 もちろん、こうした差はさまざまな要因があると考えますが、有権者が候補者や政策について十分な情報を得られる環境が整っているかどうか、有権者が比較し判断できる情報環境を整えるという点において、メディアの果たす役割も大きいのではないかと考えております。こうした点を踏まえると、単なる時間配分の均等だけではなく、有権者が比較し判断できる情報環境を整えること、これがに期待される役割の一つではないかと考えております。 そこで、NHKにお尋ねいたします。現在の選挙期間中の運用は、NHKの使命である「健全な民主主義の発達に資する」に即しておられるか、ぜひ会長のお考えをお聞かせください。
- 井上日本放送協会会長お答え申し上げます。選挙は民主主義を支える国民最大の政治参加の機会でありまして、NHKは選挙報道を、災害報道と並ぶ・公共メディアの重要な使命と位置づけております。 メディアを取り巻く環境が大きく変化する中で、選挙報道におきましても、国民の知る権利に応え、情報空間の参照点となる情報を提供しますことは、これまで以上に重要になっていると考えております。放送法や公職選挙法の規定に基づいて、正確かつ公平公正な情報の提供に努めているところであります。 ただ、SNSなどで発信された情報が選挙結果にも大きく影響すると指摘されている中、デジタル空間での偽情報・誤情報への対策もまた重要な使命だと考えております。NHKとしても、こうした選挙報道の改革に取り組んでいるところでございます。 今後も、正確かつ公平公正で多角的な情報を発信することで、有権者が投票先を決める際の判断材料を提供し、健全な民主主義の発展に貢献してまいりたいと考えております。
- 武藤かず子ありがとうございます。私が期待することは、候補者や政党に対して等しく質の高い発信の機会が提供されることでございます。であるNHKが新たな報道の在り方を先駆けて示し、民放各局にも広げていく形を取って、有権者が政策や主張を比較して判断できる環境を整えていくことが重要であると考えます。NHKとして、こうした役割をどのように果たしていこうとされているか、ぜひ見解をお示しください。
- 山名日本放送協会副会長お答えいたします。選挙報道に当たりましては、有権者の方が投票先を決める際の判断材料として、候補者・政党の情報を正確かつ公平公正に伝えるということが極めて重要だと考えております。 2月の衆議院選挙では、衆議院解散から投票日まで日程が短く、準備期間が限られる中ではありましたけれども、できるだけ多くの選挙区の特徴ですとか候補者の訴えを紹介することに取り組みまして、候補者の第一声をはじめとする演説を多数、また、放送で紹介するとともに、演説の要約ですとか全文をウェブサイト上に掲載いたしました。今後とも、有権者の方が投票する際の判断材料となる事前報道の充実に努めてまいりたいと考えております。
- 武藤かず子ごありがとうございます。より多くの国民が政治に参加し、意思を持って投票していただくことこそが今後の日本の民主主義の発展を支える力になると考えております。としてのリーダーシップが発揮され、民主主義を支える情報環境の充実につながる取り組みが進められることをぜひ期待したいところでございます。 続きまして、次の質問です。AI技術の活用についてお尋ねいたします。 NHK放送技術研究所では、約40年分、約2千万文に及ぶ放送データを学習させた独自のを開発し、2026年、今年の実用化を目指していると承知をしております。 こうした研究開発は受信料を財源として行われているものであり、として、その成果が国民にどのような形で還元されるのかという観点では非常に重要であると考えております。また、技術研究所が長年にわたり蓄積してきた技術また知見、そういったものは国民の共有財産とも言えると考えております。 そこでお伺いをいたします。このについて、NHKとしてどのような業務で活用されることを想定されているか、具体的にお示しください。たとえば、ニュースの原稿の作成、また、過去の放送の検索、翻訳や要約などさまざまな用途が想定されるところですが、実際の番組制作や報道のプロセスの中でどのように位置づけていくことを考えておられるか、お聞かせいただきたく思います。 それと同時に、このようなAI技術の導入によって、現場の働いている方々、記者ですとか職員の方々の働き方にはどのような変化をもたらすことを想定されているのかについても併せてお聞かせください。
- 山名日本放送協会副会長お答えいたします。急速に進歩しているAIにつきましては、NHKでも適切に活用して、既存のワークフローを改革するといったことで、業務の高度化ですとか生産性の向上、こういったものにつなげまして成果を上げていくことが大切だと考えております。 先ほどご指摘いただいたをどういうふうに生かしていくかという話に関しては、今まだ進めているところなので、詳細は控えさせていただきたいと思います。 これまでも、限られた要員の中で放送サービスの充実を進めるため、国内ニュースの一部でAIアナウンスを利用するなど、AIを活用してまいりました。今後は、この活用を段階的に拡大して、これは先ほどおっしゃった、技研の開発しているAIも含めて、業務の高度化ですとか効率化を進めていく方針でございまして、去年10月に協会内でAIの利活用を促進するための体制、こちらも新たに立ち上げました。 とはいえ、などは、その利用の仕方によって権利侵害あるいは情報漏えい、誤った情報の発信、こういったものにつながる課題があるということも認識しておりますので、制作・取材でのの利用については、利用範囲ですとか遵守事項、こういったものをしっかり定めて実施していきたいと思います。いずれにしても、の利用方法につきましては、技術変化のスピード、そして信頼性の検証、あるいは社会の受け止め、利用実態、こういったものを総合的に判断して不断に見直していきたいと考えております。
- 武藤かず子ごありがとうございます。ぜひ、NHK技術研究所も含めまして、開発されましたこうした技術については、NHKの内部の活用にとどめるのではなく、民放も含めた放送業界全体での活用というところを目指していただきたく思います。そして、それ自体が日本のジャーナリズムの全体の質にも、向上されると思いますし、それが行く行くは国民に還元されていくというふうに思いますので、ぜひ、ごにもありましたとおり、広く社会に還元されていくことをとして期待するところであります。 続きまして、労働環境の問題についてお伺いをいたします。 2013年7月、首都圏放送センターに勤務されておりました佐戸未和記者が、亡くなる直前の月に209時間の時間外労働を行った末、31歳という若さで亡くなられました。その翌年5月には過労死であったという労災認定がされたにもかかわらず、その公表は2017年10月であったと認識をしております。 さらに、その2年後には、同じ首都圏放送センターにおいて2件目の過労死が発生したと認識をしております。こうした、二度にわたって同じ職場で過労死が発生してしまったことを会長はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。ぜひお聞かせください。
- 井上樹彦 日本放送協会会長お答えいたします。公共メディアを共に支える職員が亡くなり、二度にわたって労災認定を受けたことは痛恨の極みでありまして、大変重く受け止めております。今後このようなことを起こしてはならないと強く決意しております。 「NHKグループ 働き方改革宣言」で掲げておりますけれども、業務に携わるすべての人の健康を最優先に考えること、そして、これまでの慣行を打破して、働き方を抜本的に見直すという理念の下、現場の状況を十分に踏まえながら、今後も働き方改革の取り組みを着実に進めていきたいと決意しております。
- 武藤かず子ごありがとうございます。続きましてでございますけれども、最新の状況については十分に把握し切れていない部分もございますけれども、2022年の3月に公開されました東洋経済オンラインの記事によれば、ご遺族の方々が原因究明の調査報告が存在しないと訴えておられたという指摘があることを認識しております。 NHKは、これまで、ほかの企業や組織における過労死問題についても報道を行い、社会に問題提起をされてこられました。こうしたであるからこそ、自らの組織で発生した問題についても、第三者視点、また透明性が高い形で、これまでの経緯を含めた調査・検証を行い、その結果を社会に対して公表していくことが重要なのではないかと考えております。 そこでお伺いをいたします。これまで発生した事案の経緯について、第三者の視点など、透明性を担保した形で調査・検証を行う、また、あわせて、現在の労働環境の検証を実施し、その結果を公表する考えはございますでしょうか。
- 黒崎日本放送協会理事お答えいたします。職員の命と健康を守ることは、事業主としての責務でもあり、協会が主体的に責任を持って取り組むべきものだと考えております。 協会では、二度目の事案を受けまして、これまで、健康確保の施策を再点検するとともに、外部の有識者を交えてより実効性のある健康確保施策の検討を行いまして、を策定しました。この一連の取り組みに関しましてはNHKのホームページでも公開しております。また、2024年には、東京労働局より、として、過労死等防止計画指導を受けました。これを受けて、労働時間の状況や健康上のリスクなど注意が必要な人に向けた施策に重点的に取り組みまして、東京労働局にもその結果を報告しております。 職員一人ひとりにしっかりと目を配り、健康確保に努め、それぞれの能力を十分に発揮して、質と生産性の高い業務を遂行するということが大事であります。今後も、引き続き、長時間労働に頼らない組織風土づくりや、業務改革などの働き方の改善に責任を持って取り組んでまいりたいと思います。
- 武藤かず子ありがとうございます。ぜひ、すべての人の健康を第一に考えるということ、この問題に真摯に向き合っていただき、検証の状況を社会に示していくこと、としての信頼を支える上で重要であると考えますので、引き続きどうかお願いいたします。 続きまして、すべての働く方々の健康を第一にというお話のもとで、ワークバランスや、子育てをはじめとしたさまざまなライフイベントへの支援についてもお伺いをさせてください。 報道の仕事は、事件や災害が発生すれば深夜を問わず、また休日も問わず対応しなければならない、本質的に不規則な側面を持っている職種であると認識しております。その一方で、子育てや介護など、さまざまな事情でケアを必要とされる職員がキャリアを諦めることなく働き続けられる環境を整えることは、職員個人の問題にとどまらず、組織の持続可能性という観点からも重要な課題ではないかと考えております。 そこでお伺いをいたします。NHKでは、現在、職員に対してどのような支援制度を実施されておられますでしょうか。またその制度が、単なる制度ではなく、現場で実際に利用しやすいものとなっておるか、制度の運用状況についてお聞かせください。
- 黒崎日本放送協会理事お答えいたします。少子化や女性の社会進出が進む中で、働きながら育児を可能にする環境を整備して、仕事と子育ての両立の負担を軽減していくということは重要な課題であると認識しています。 NHKはこれまでも、育児・法の改正の趣旨等を踏まえまして、性別を問わず、仕事と子育てが両立できるようにさまざまな施策を積極的に講じてまいりました。たとえば、育児休業につきましては、2024年度の取得率が、女性職員100%、男性職員でも80%以上となっております。平均取得日数を見ましても、女性職員が327日、男性職員73日となっております。 育児休職以外にも、業務や個人の予定に合わせて勤務開始時間や終了時間を選択することができるフレックス勤務制度ですとか、職場に出勤せずに自宅などで業務を行うことが可能なリモートワーク制度もございます。また、育児などを理由にして、1日最大1時間30分を限度に勤務時間を短縮できる短時間勤務制度は、法による基準を超えて、小学校3年生の年度末まで利用することができます。この育児短時間勤務を利用している職員からは、効率的に仕事を進める方法を考える習慣がつき、取得後もその経験が生きているという好意的な声も上がっております。 引き続き、多様な人材による貢献がの使命達成に不可欠であるという観点から、性別を問わず仕事と子育てが両立できる取り組みを進めてまいりたいと思います。
- 武藤かず子ごありがとうございます。働きやすい環境で業務に従事してもらえるよう、それがゆくゆくは良質なコンテンツを生み出していただくことにつながると思いますので、ぜひ継続して運用いただければと思います。どうもありがとうございます。 以上で私からの質問とさせていただきます。お時間いただき、ありがとうございました。