いまきたみらい
2026年6月25日·衆議院·委員会·総務委員会

【全文】衆議院 総務委員会 質疑/組織活動本部長・武藤かず子(2026年6月25日)の要約

会話形式(原文ベース)

  • 武藤かず子
    チームみらいの武藤かず子です。今朝発生をいたしました青森県沖の地震に際しまして、被害に遭われた皆さまに心からお見舞い申し上げます。 本日は、NHK令和6年度決算についての機会をいただきありがとうございます。私からは、NHKのAIビジョン、国際的な潮流と日本のの在り方、そしてアーカイブの国家的位置づけという3つのテーマについてお伺いをしてまいります。 まず、1点目です。 NHKは、本年4月にAI原則を公表されました。そこで、AIを使命達成のための手段と位置づけられておられます。私は、その考え方自体は大変重要だと思っています。 昨年10月にはを発足させ、放送データ40年分、2,000万文という膨大な蓄積を活用した独自言語モデルの学習、との共同研究等、着実に歩みを進めていらっしゃいます。 このAI時代は、産業革命以来の大改革であると言われています。単なる業務効率化の技術にとどまらず、そのものを塗り替えつつある。フェイクニュースが氾濫し、アルゴリズムが人々の見る世界をより分けるこの時代だからこそ、正確で公正な情報の参照点としての存在意義はむしろ高まっているのではないでしょうか。 では、AI時代におけるの役割を戦略として示しております。ドイツでもメディアがデータ基盤整備に取り組んでおられます。こうした時代に、NHKはとして何者になろうとされているのか、会長のお考えをお聞かせください。
  • 井上 参考人
    お答えいたします。委員ご指摘のとおり、この4月に新たにを決定して発表いたしました。 このAI原則は、NHKがとしての責任を果たしつつ、AI技術を安全かつ倫理的に利用、開発するための基本姿勢を示したものであります。AI時代において、より一層の健全性を確保するなどの役割を果たしていきたいというふうに考えております。 どんな時代においても、第1条に明記された健全な民主主義の発達に資するという究極の目標の達成のために、変わることなく努力を続けていきたいと考えております。 これに合わせて、従来からありますも改定しました。たとえば、制作や取材におけるの利用指針は、従来はリスク回避に重点を置いた内容としておりましたけれども、今回、いかに安全に使いこなしていくかにシフトした内容にあらためております。 具体的には、情報の整理や職場の資料作成などのさまざまな作業を効率化することや、番組などのコンテンツにおいて新たな表現手法を生み出していくことなどが期待されているところであります。 今後のAI技術の進展や社会の受け止めなどを注視しながら、不断に、柔軟かつ慎重に判断してまいります。
  • 武藤かず子
    ありがとうございます。紹介ですが、イギリスのでは、コンテンツ戦略を策定しておられ、生産性向上、コンテンツ再フォーマット、ジャーナリズム拡張、そしてユーザー体験革新という4つの柱のAI戦略を持っておられます。その配下で動いている取り組みといたしましては、大規模翻訳、文字起こし、また調査報道ツール、実験などを進めておられるとのことでございます。 一方で、ドイツの事例もご紹介いたしますと、こちらはよりももっと構造的、インフラ的でございまして、というがございますが、ここが2025年3月に公表された戦略文書で、ドイツの人々のデジタルホームになるという目標を掲げられておられます。 特に注目されるのは、AIへの対応として、信頼できるコンテンツのAI向け提供者になると自身を定義されておられます。それを実現するために、パートナーとともにというものを構築して、AIアプリがそのデータにアクセスをしにいくという仕組みを目指すとしています。 こちらは、インフラ面ではと、もう一つがございますが、その他、民間放送が共同でというものを構築しておりまして、への依存を減らして、を確保しながらAIを可能にする分散型を目指しておられます。 具体的な用途としましては、ニュースの真偽検証、また共有AIモデルによるの検出、また視聴データの統合、コンテンツのパーソナライズ、そして共同でのAI言語モデルのが挙げられております。 といいますのは、データをどこかに持っていく、集約するわけではなく、データそのものを各メディアのところにとどまる設計にして、AIがそのデータを見にいくという設計でございますので、データは各局のものとして保有できるという考え方で設計しております。 こうした国際的な潮流を踏まえて、日本のはどのように応えていくか、目指していくか、まず林大臣にお伺いしたいと思っております。 各国が文化、制度に合った形でとAIの関係を模索している中、海外の事例をそのまま倣うというのではなく、日本ならではののAI活用の在り方を総務省としてどのように描いていらっしゃるか、ぜひお聞かせください。
  • 林芳正 総務大臣
    先ほどNHK会長からもごがありましたが、NHKでは今年の4月にを策定してAIの活用を進めているもの、そういうふうに承知をしております。 NHKは、に基づきまして、自主自律を基本としてとしての役割を果たしていただくということが重要でありまして、NHKの番組制作等におけるAIの活用の在り方については、諸外国の事例も踏まえつつ、NHKにおいて検討するべきものと考えております。 総務省といたしましては、令和8年度のに付しました総務大臣意見において、「AIを活用したコンテンツ制作等の技術の研究開発を行い、その成果を等を含め広く社会に還元すること。」それを求めております。 引き続き、NHKの業務におかれましても、こうした研究開発の成果の活用に取り組んでいただきたい、そういうふうに考えております。
  • 武藤かず子
    次に、NHKにお伺いさせてください。NHKにおいても、AIを活用した取り組みをさまざま実行されておるというふうに認識をしております。今のそれぞれの取り組みを統括して、どのような成果が生まれているのか、どのように評価されているのか、ぜひお聞かせいただけますでしょうか。 また、今後、どのような可能性を見据えているのか。 加えて、令和6年度の技術関係経費が50億円であったうち、AI関連への投資規模はどの程度であったか。AI時代のとして、ビジョンの実現という観点から、今の投資規模、配分をどのように評価されているのか、お聞かせください。
  • 山名 参考人
    お答えいたします。AIは、として正確で信頼できる情報を届けるとともに、業務の効率化、生産性向上、コンテンツ制作の高度化、これを進める上で重要な技術であるというふうに認識しております。 しかしながら、現時点では、AI関連投資のみを独立した予算項目として切り出して管理をしておりません。そのため、今、AI関連投資額としてお示しできる数字はございません。 また、海外のとの比較につきましては、各国で制度、財源、業務範囲、研究開発体制が異なるため、投資額などで単純に比較することは適切ではないと考えております。 重要なのは投資額の多寡ではなくて、AIをの使命に沿って有効に活用し、視聴者・国民へのサービス向上や業務改革につなげていくということだと思っております。 NHKとしましては、AIの重要性を十分認識しておりまして、今後も、正確性、信頼性の確保、そして、著作権や個人情報への配慮、透明性の確保などに留意しながら、必要な領域に経営資源を重点的に配分し、AIを活用してコンテンツサービスの充実に取り組んでいきたいというふうに考えております。
  • 武藤かず子
    ありがとうございます。私自身がお聞きしたかったのは、海外との比較という観点よりも、今の投資規模、配分がNHKご自身が達成したいビジョンの実現のために十分かどうかということをお聞きしたかったという点がございます。 ぜひ、今後も予算を確保されていくことになると思いますけれども、ご自身のビジョンを実現するためにどういった金額が必要なのか、そして、どこまで実現できているのかといった観点で評価していただければと思います。 続きまして、アーカイブの国家位置づけについて質問を進めてまいります。 昨年11月、参議院で林大臣から、は高品質な日本語データとして貴重な資産であり、AI開発に活用されることは意義深いというご発言をいただきました。 一方で、英国は、としての使命の下、膨大なアーカイブデータをAI学習、また、活用のため、公共財として位置づけ、独自のAI戦略を実行に移しており、政府が主体的に関与している点が日本と大きく異なります。 同様にドイツでも、のアーカイブを公的として活用するプロジェクトが政府主導で推進されております。 これがなぜ英国やドイツでは政府が主導できるのか、さまざまな理由があるかと存じますが、その一つに、これらの国では、放送アーカイブのAI活用に関わる利権処理や個人情報保護の制度的障壁を政府が整備しているからであると考えております。 翻って日本を見ますと、NHKのアーカイブには多重の権利構造がございます。出演者、脚本家、音楽著作権など、複数の権利者全員の許諾が必要で、NHKが単独で動かすにはかなりのリソースが必要となると推測をしております。 さらに、上の問題もございます。報道目的で収集された情報は、AI学習に用いること自体は一定可能だとされております。しかし、その情報をAIから出力することは、に当たる可能性があり、現行制度の下では容易ではございません。学習はできても出力ができない、この非対称性がアーカイブ活用の制度的な障壁になっていると考えております。 そこで、総務省にお伺いをいたします。 総務省として、をAI時代の知的資産、国家資産として位置づけ、AI学習データとしての活用をNHKに対してどのように要請、促進をしていくお考えか、林大臣、ぜひお聞かせください。
  • 林芳正 総務大臣
    NHKが保有をしております放送番組等のデータ、これは受信料によって制作された貴重な資産でございまして、安全、安心で信頼できるAIの開発においても活用されるということは意義のあることと考えております。 NHKによるこのデータの提供に当たりましては、利用の目的及び範囲を検討した上で、今ちょっとお触れになっていただきましたが、当該コンテンツに関わる権利の保護、これに留意しつつ、モデルケースとなる事例を創出いただきたいと考えております。令和8年度に付した総務大臣意見においてもその旨を示しております。 なお、具体的にどのようなデータをどのような条件で外部に提供するかにつきましては、NHKにおいて適切に判断をしていただきたい、そういうふうに考えております。
  • 武藤かず子
    ありがとうございます。一つ質問があったんですけれども、時間になりますので、スキップさせていただきまして、まとめに入りたいと思っております。 NHKのアーカイブですけれども、先ほど林大臣からもおっしゃっていただきましたとおり、国民の共有の財産であるというふうに思います。AIによる活用を実現するためには、の問題に加えて、個人情報の出力の規制という制度的課題にも向き合う必要がございます。一つの方向性として、すでに報道、また放送されたコンテンツに含まれる情報については、AI出力を可能にするといった制度的な手当てが検討できるのではないかなというふうに思います。 ぜひ、林大臣のリーダーシップの下で、デジタル庁ですとかとも連携しまして、省庁横断でぜひ検討の場を設けることを強く求めて、質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。