【全文】衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 質疑/幹事長・高山聡史(2026年5月12日)の要約
高山聡史議員が衆議院の特別委員会で個人情報保護法改正案とデータ利活用について質疑をしました。
衆議院の「地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会」で、チームみらい幹事長の高山聡史議員が、個人情報保護法の改正案とデジタル行政推進に関わるテーマについて質問しました。AIが急速に普及する中で、データを使いやすくしつつ個人のプライバシーをしっかり守るにはどうすればいいか、というバランスがこの質疑の核心です。
今回の法改正では、AI開発などを目的としたデータの第三者提供について、本人の同意を不要とする新しい特例が設けられる予定です。高山議員は、この制度を安全に運用するために、プライバシー強化技術(PETs=Privacy Enhancing Technologies)の活用が有効ではないかと提案しました。
PETsとは、個人を特定しにくくしたままデータ分析を可能にする技術の総称で、差分プライバシー・秘密計算・合成データなどが含まれます。シンガポールでは政府主導でこうした技術を試せる環境が整備されているとのことです。
個人情報保護委員会は「PETsは有望な技術。各技術の有効性や導入時の運用体制を調査し、スタートアップでも特例を適正に活用できる環境を整えたい」と答えました。
改正案では、こどもの個人情報を扱う際に保護者(法定代理人)の同意・通知を義務づけることが明文化されます。高山議員は「そもそも利用者がこどもかどうかを確認する仕組みが機能しなければ、せっかくの規律強化も形骸化する」と指摘し、年齢確認のガイドライン策定を求めました。
個人情報保護委員会は「サービスによって確認方法は違っていい。機微な情報を扱う場合や重大な影響が及ぶ場合は、より丁寧な確認を求める方向でガイドラインを整備したい」と回答。国際的なベストプラクティスも参考にするとしました。
今回の改正では、顔特徴データ(目・鼻・口などの位置情報から本人を識別できるようにした情報)について規律が強化されます。一方で、商業施設の混雑把握や人流計測など、特定の個人を識別しない目的で顔を含む画像を使うケースはすでに広く存在します。
高山議員が「正当な利用が新たに規制されるわけではない、という理解でよいか」と確認したところ、個人情報保護委員会は「本人の識別を目的としない顔写真などは今回の規制対象ではなく、現行の一般的な個人情報の規律が適用される」と明確に答えました。規制が強まるという漠然とした誤解が広がって、問題のないサービスまで萎縮しないよう、さらなる周知が求められています。
行政機関が保有するデータを匿名加工(個人を特定できないように処理すること)して民間に提供する既存制度では、令和6年度の提案件数が30件・適合10件と、まだ規模は小さい状況です。今回の法改正では新たに「国等データ活用事業の認定制度」が創設されます。
松本尚デジタル大臣は「安全管理の在り方やデータ標準化の方向性など、まだ固めなければならない課題が多い。法律が成立した直後からすぐに作業に取りかかる」と述べました。
高山議員は「行政データは本来、国民が適切に使える公共財でもある。今後の適切な利活用が進むことを期待する」と質疑を締めくくりました。