2026年4月14日·衆議院·委員会·総務委員会
【全文】衆議院 総務委員会 質疑/組織活動本部長・武藤かず子(2026年4月14日)の要約
会話形式(原文ベース)
- 武藤かず子チームみらいの武藤かず子です。 本日も改正の審議のため、質問の機会をいただき、ありがとうございます。(注:=株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構) 今回の改正は、設置期限を10年延長するというシンプルな内容ではございますが、それだけに、延長を認めるに当たって問われるべき点が多くあると考えております。順次お伺いしてまいります。 はじめに、の支援対象の範囲についてお伺いをいたします。 が定める支援対象は、海外において電気通信事業・放送事業・郵便事業を行う者であります。2022年12月に出資を決定したが展開する多言語翻訳サービスは、関連であり、領域としてはの支援対象の範囲内に収まり得ると理解をしております。 一方で、確認したいのは、領域の適否よりも、の設立趣旨は、規制分野ゆえの政治リスクへの対応や大規模インフラへの資本供給という、民間では対応が難しい場面に公的資金を投じることであったと理解しております。 は、主に一般消費者、民間向けのサービスであり、株主としてが参画することで、本来の政策的関与効果がどのように発揮されるのか、ご説明いただきたいと思います。 あわせて、への成長支援という性質に着目すれば、の方が支援として親和性が高かったとも考えられます。なぜが支援主体となったのか、両機構の役割分担の観点からお示しいただきたいと思います。
- 布施田国際戦略局長お答えいたします。 におきましては、世界的に拡大するサービスの需要を取り込むことなどを目的にいたしまして、委員ご指摘のとおり2022年2月にの支援基準を改正いたしまして、ハードインフラの整備などを伴わないサービス事業を新たに支援対象に追加いたしました。 インフラのみならず、多言語翻訳サービスなどのサービスに関しましても、海外需要を積極的に取り込み、我が国の事業者の成長につなげていくことが重要であると考えているところでございます。 また、委員ご指摘の多言語翻訳サービスは、総務省所管のが長年開発してきた我が国の技術につきましてライセンス供与を受けた企業の海外展開の事例でございまして、においては、このの技術アドバイザーの技術的見地の収集なども通じまして、分野に係る専門性を高めてございます。 このように、の分野に係る専門性の観点から、また我が国発の技術の由来としましたこの多言語翻訳サービスの海外展開支援は、との親和性が高いものと考えているところでございます。
- 武藤かず子ごありがとうございます。 すでに許斐委員からの質問にもありましたとおり、私が懸念しておりますのは、審査する側のの問題でございます。やデータセンターといった大規模インフラ案件のリスク審査とへの出資を判断するのでは、求められる専門知識はまったく異なります。 そもそもにおいては、案件を審査する人材の確保自体も難しいと聞いております。支援対象を拡張していけば、適切なリスク審査が行われないまま案件が積み上がっていくことを懸念しております。設置期限の延長に当たり、設立目的と支援対象の整合性をあらためて精査した上で、審査基準と体制の両方を見直すことを強く求めたいと思います。 続きまして、解消見込みの妥当性についてお伺いをいたします。 2029年度解消見通しの根拠となる資産評価を自ら実施をしており、独立した第三者による査定が一切行われておりません。政府出資率90%以上を占める機関が自らの評価のみでこの設置期間10年の延長を正当化することは、説明責任を果たしておらず、の観点でも問題であると考えております。 、すなわち為替の大幅変動や的リスクが顕在化した場合における累損解消の見通しを公開すべきであり、独立した専門家によるの実施を求めます。 さらに、根本的な問題として、一般的なファンド運営においては、投資の専門知識を持つ立場から、投資方針・リターン目標・基準を能動的に監視する出資者の機能が置かれますが、にはその仕組みが存在しません。また、に対する政府の関与は、認可・予算承認・実績評価といった行政監督の形を取っており、その機能を政府が十分に果たせるとは言い難い状況です。 設置期限の延長を機に、投資の専門知識を持つ独立した有識者による出資者の仕組みを整備することを提案したいと思いますが、政府のお考えをお示しいただきたいと思います。
- 布施田国際戦略局長お答えいたします。 におきましては、現在、独立した第三者の専門家によるは実施されておりませんが、自ら出資資産の公正価値評価を実施し、その結果を公表しております。 また、は、株式会社として、会社法に基づき、決算書についてによる監査を受けておりまして、2023年度以降2年連続の単年度黒字の計上などの実績は、第三者による監査を受けているものでございます。 加えて、では、民間株主の意見を取り入れながら経営が行われ、また、を中心とする委員構成となっている委員会において投資の意思決定が行われておりまして、外部の意見の積極的な反映が図られていると承知してございます。 総務省といたしましては、他のの取り組み状況も参考にいたしまして、このの経営に係る健全性の向上に向けて、外部のご意見などを積極的に取り入れて、経営が一層推進されるように、適切に監督を行ってまいります。
- 武藤かず子ごありがとうございます。積極的に外部の意見を取り入れられるということ、心強く感じております。 続きまして、の存在意義と回収目標についてお伺いをいたします。 の存在意義は、大きく2点あると考えております。1点目が政策性、2点目が収益性でのリターンであります。この両者の評価の枠組みが事前に明示されていなければ、将来にわたって客観的な検証を行うことが難しくなると懸念をしております。 設置期限の延長に当たっては、政策性と収益性、この二つのタイプのリターンに対して、政策性においては指標・手法・タイミングを、収益性に関しては最終的な利益管理目標をお示しください。国民に対する説明責任を果たす上で重要と考えますので、林総務大臣の見解をお聞きしたいと思います。
- 林総務大臣今委員からお話がありましたように、このによる投資、これは、政策性と収益性、この両方を満たすということが求められるわけでございます。 この政策性の観点ですが、このによる投資によりまして、日本企業の海外展開を支援し、我が国経済の持続的な成長に寄与する、これが目的ということでございます。 収益性の観点では、投資リスク管理を徹底し着実に収益を確保するということで、最終的には、産業投資の、これを上回る収益の達成を目指すということでございます。 具体的に申し上げますと、この政策性に係るでございますが、日本企業が海外にて行う事業等への投資額、それから民間企業との連携数、そして民間投資の、この三つを政策性のとしております。また、収益性に係るは累積損益、こういうことでございまして、これらのの進捗状況は、およそ5年ごとに、の活用推進に関する関係閣僚会議幹事会において検証されるということになっております。 収益性について、今委員からは国への収益管理目標というお言葉もありましたが、これは設定はしておりませんけれども、現在のである累積損益の目標額、これは2035年度末で116億円を設定しております。したがって、仮に当該目標額が現在のへの出資比率に応じて株主に還元された場合には、116億円を超える、110億円超の利益、これが国庫に納付されることになる、こういうことになるわけでございます。 現状のの政策性に係る評価の枠組みにつきましては、の検証を通じて適切な評価が行われていると考えておりますが、を取り巻く状況変化、これにも留意しながら、適時適切に見直しを検討してまいりたいと考えております。
- 武藤かず子ごいただきありがとうございます。 その政策性の代表的な指標として、という話がございました。この数値についてもあらためて確認したく、次の質問に移らせていただきます。 政府は、の政策的意義として、ということを繰り返し強調しておられます。最新の報告でも、融資合計で6.2倍、出資のみで5.7倍が実績であると説明がありました。これに対して、計算方法を総務省へ照会したところ、分子となる民間投資額7,167億円は、と協調して行われた民間投資額の合計であると認めております。つまり、この数値は、がいなければ実現しなかった投資ではなく、と一緒に投資した民間の金額の総計であるというところ、高見委員のでもごがございました。 また、案件ごとに、、すなわちの参画が民間投資の実現にどの程度貢献したのかというところを文書化・検証する仕組みが現在存在しないというところも、総務省への照会で確認をさせていただいております。 公的資金を民間投資に活用する開発金融の世界では、世界銀行グループの国際金融公社や、オランダ・ドイツの開発金融機関において、こうしたの評価・文書化が取り組まれております。日本の全体としても、の評価をする仕組みは現在整備されていない状況でございますが、この設置期限の延長を機に、どのような案件をもっての参画によって初めて実現した投資とみなすのか、その判断基準をあらかじめ明示することが必要と考えております。 ぜひ、この判断基準を明示すること、政府のお考えをお示しいただきたいと思います。
- 布施田国際戦略局長お答えいたします。 は、誘発された民間投融資額、いわゆるの額といたしまして、委員ご指摘のとおり、と協調して行われた民間企業等の投資額を算定してございます。 がいなければ民間企業などによる投資が実現しなかったか否かにつきましては、明確なお答えをすることは難しいのでございますが、による投資、またはその見込みがあることは、民間企業などによる投資判断の材料として民間投資の誘発に寄与していると考えてございます。 いずれにいたしましても、においては、ご指摘いただいたような他の事例も踏まえつつ、の参画が民間投資の実現にどの程度貢献したのかにつきまして、多角的な視点から適切に評価を行い、しっかり説明責任を果たしていくことが重要であると考えてございます。 総務省としても、による対応の状況を適切に監督してまいります。
- 武藤かず子ごありがとうございます。 国民の税金を原資とする以上、がいなければ実現しなかった投資が、どう検証できるかという数値、これを根拠として用いることは、国民への説明責任を果たしているとはとても言い難いと考えております。先ほどから申し上げている出資者の整備と併せて、の判断の基準の明示、これも強く求めたいと思っております。 続きまして、早期撤退の判断規律についてお伺いをいたします。 設置期限を延長したとしても、運営コストや時間の経過を考慮した場合に、の改善が見込めない案件については、延長を待つよりも早期に資産を売却する方が国民の損失を抑えられる観点から合理的な場合があると考えております。そうした判断を適切に行うためには、あらかじめを明示しておくことが重要と考えております。 そこで、お伺いをいたしますが、収益性が著しく低下した案件については、早期売却を判断するための基準は現在定めておられますでしょうか。もし定めておられない場合は、どのようなプロセスで判断されているのかをお示しください。
- 布施田国際戦略局長お答えいたします。 におきましては、支援決定時に、基本的な方針の策定や、関係者との間で撤退に係る取り決めを行ってございます。その上で、週次での全社会議や原則四半期ごとの会議などを通じて投資案件のを実施し、その中で事業継続や撤退などの判断を行ってございます。 また、毎年度の決算書の作成過程においては、各投資案件についての見込みを精査いたしまして、一定程度回収が見込めないと判断される投資案件については損失計上を行ってございます。 損失計上については、毎年度公表している決算書に反映されておりまして、その処理の妥当性につきましては、外部のによる監査を受けているものでございます。 において、引き続き、投資案件のが適切に実施され、損失計上を行う場合には、適切な会計処理および公表とともに、一層の説明責任が果たされるよう、適切にを監督してまいります。
- 武藤かず子ごありがとうございます。 ぜひ、基準があっても検証できなければ、国民への説明責任を果たしているとはとても言い難い状況でございますので、の充実と併せて、独立した有識者による出資者の仕組みの整備を重ねて求めていきたいと思っております。 続きまして、運営コストの管理体制についてお伺いをいたします。 総務省への照会により、スリム化計画は策定されていない、延長後の人員規模の具体的見通しもない、また、現在、2025年度末に向け、31名から36名への増員が進んでいることを確認いたしました。同じであるINCJが、で段階的に人員を縮小し組織を清算した経緯も踏まえ、の組織規模の方向性についてどのようにお考えになっているか、お示しいただきたいと思います。 こうした問題は、スリム化計画の有無にとどまらず、根本的なの問題であると考えております。一般的なファンド運営においては、出資者がコスト管理、組織規模の適正化を能動的に監視する機能が出資者を担いますが、にはその仕組みがありません。資産回収の進捗に連動したスリム化の目標設定と達成状況の検証を独立した有識者による出資者の仕組みの中で担保することについて、政府のお考えをお示しいただきたいと思います。
- 布施田国際戦略局長お答えいたします。 の職員数でございますが、設立当初の2015年度末時点では16名だったところ、その後の投資案件の増加などによる業務量の増加などを背景に、2025年度末時点では33名となってございます。 また、設置期限が延長された場合には、設置期限が制約となっていました案件への投資も見込まれますので、またさらなる海外需要の獲得が期待されることなどを踏まえますと、引き続き経営改善への取り組みを着実に行っていくことを前提にいたしまして、の体制を強化していく必要があると考えてございます。 他方、将来的なことでございますが、設置期限に向けてが進み、業務量が減少していく、いわゆるのフェーズに来る場合などにおいては、その体制を縮小することが考えられます。 繰り返しになりますが、では、民間株主の意見を取り入れながら経営が行われ、またを中心とする委員構成となっている委員会において投資の意思決定が行われておりまして、外部の意見の積極的な反映が図られていると承知してございます。 総務省としては、他のの取り組み状況も参考にしつつ、の経営に係る健全性の向上に向けて、外部の意見なども積極的に取り入れた経営が一層推進されるよう、適切に監督を行ってまいります。
- 武藤かず子ごありがとうございます。 本日のを通して繰り返し申し上げてまいりましたが、の原資は国民の税金を含む公的資金でございます。だからこそ、行政監督という形式的な関与にとどまらず、投資の専門知識を持つ独立した有識者が国民に代わって、出資者の立場からの運営全体を能動的に評価・監視をする体制、すなわち出資者の仕組みを整備することが不可欠であると考えております。 この設置期限の延長を認めるに当たり、この点を強く求めて、私の質問を終わりにしたいと思います。