いまきたみらい
2026年5月20日·衆議院·委員会·厚生労働委員会

【全文】衆議院 厚生労働委員会 質疑/政調会長・古川あおい(2026年5月20日)の要約

古川あおい議員が衆議院厚生労働委員会で、申請主義の問題やDX支援のあり方、介護DBの活用について参考人と質疑をしました。

古川あおい政調会長が衆議院厚生労働委員会で参考人質疑を行いました。「申請しないとサービスが受けられない」現状の問題点、介護現場でのDX活用の課題、そして介護データベースの活用策について、現場の専門家・研究者と議論しました。

「申請主義」って何が問題なの?

日本の行政サービスはほとんどが申請主義——つまり「困っている人が自ら申請して初めて支援が受けられる」仕組みです。古川議員は、この仕組みが本当に必要な人に届いているかを問いました。

参考人からは、こんな現実が語られました。

  • 老老介護の孤立:介護保険制度があっても「自分でやる」と抱え込み、介護殺人につながるケースがある(勝部参考人)
  • 「6090問題」:60代の子が、資産はあるが生活力がなく一人残される。生活保護の対象でも介護保険の対象でもなく、「どこにも支えてもらえない」状況が生まれている(勝部参考人)
  • 情報弱者ほど制度を使えない:目の見えない方や高齢者など、情報にアクセスしにくい人ほど制度につながれていない(早坂参考人)
  • 配食サービス中に発見された孤独死寸前の事例:安否確認つきの配食サービスで、食べられずに死にそうな方を見つけた。その方は3日後に亡くなった(小島参考人)

こうした現場の声から、自ら「助けて」と言えない人にこそ、こちらから出向く「プッシュ型」支援が必要だという共通認識が示されました。

DXは現場を助けているの?

古川議員は、介護現場へのICT・DX支援が「本当に現場のためになっているか」と問いかけました。参考人の声はこうです。

  • 現場は疲弊している:次々と新しいシステムが導入され、高齢のスタッフがついていけず介護離職につながるケースも(勝部参考人)
  • 情報連携には便利な面も:医療機関の情報集約など専門職には恩恵があるが、高齢者や障害のある利用者には情報が届きにくくなる面もある(早坂参考人)
  • 70代スタッフも奮闘:スマホ記録の導入に「辞める」と言っていたスタッフも踏ん張ったが、大手が先行し中小の事業者は後回しにされる現実がある(小島参考人)

「まず人があって、そしてテクノロジーを活用する」という順番が大事という点で、参考人たちの意見は一致していました。

介護データベースをもっと活用できないの?

古川議員は、国が持つ介護DB(介護保険のデータベース)やNDB(医療レセプト=診療報酬明細書のデータベース)をどう活用するかについて、早稲田大学の野口教授に質問しました。

野口教授によると:

  • 日本はNDBと介護DBをつなぐことで、生まれてから亡くなるまでの健康・介護状態を一生分追えるデータを保有している。これほどのデータを持つ国は世界でも日本だけとのこと
  • うまく活用すれば、申請なしでも自治体が「誰がどんな状況か」を把握してプッシュ型サービスを提供できる可能性がある
  • ただし、個人情報をどこまで提供するかという大きなトレードオフが生じる
  • 民間・自治体・NPO・研究者が幅広く活用できる仕組みをみんなで考えることが重要
まとめ

今回の質疑では、「制度はあっても本当に困っている人に届かない」という日本の福祉の根本的な課題が浮き彫りになりました。申請主義の見直し・プッシュ型支援の拡充・データの賢い活用——これらを組み合わせることで、本当に必要な人に支援が届く社会に近づけるかが問われています。