【全文】衆議院 内閣委員会 質疑/幹事長・高山聡史(2026年5月20日)の要約
高山聡史議員が衆議院内閣委員会でAI時代のサイバーセキュリティと民主主義防御について質疑をしました。
チームみらいの高山聡史幹事長が、2026年5月20日の衆議院内閣委員会で、AIの急速な進化が日本の安全保障・民主主義・サイバーセキュリティに与える影響について幅広く質疑を行いました。
Claude Mythosなど最新の高性能AIが悪用されると、これまでにない規模・品質で認知戦(相手の判断や感情に影響を与える情報戦のこと)が展開できるようになります。高山議員は、正確な情報が国民に届き、また国民の声が政治に届く「双方向の仕組み」をデジタル技術で整備することが民主主義を守る鍵だと主張しました。
木原稔官房長官は、AIによる偽情報・影響工作を「民主主義の根幹を脅かす脅威」と認識していると答弁。パブコメ(パブリックコメント=国民が行政に意見を提出できる制度)の意見集約にAIを活用中であることも紹介しました。一方、民主主義インフラの整備については「国会各党が十分に議論すべき事柄」として、政府の主導的な取り組みには一定の距離を置く姿勢を示しました。
高山議員は、AnthropicやOpenAIなどのフロンティアAI開発企業(世界最先端のAIを開発する民間企業)を「いわば外交相手の一つ」と位置づけ、日本政府が信頼されるカウンターパートとして向き合える体制を整えるべきだと訴えました。具体的には、相手企業の研究戦略や組織文化を深く理解した専任チームを置き、対話の蓄積を組織知として残すことを求めました。
小野田紀美内閣府担当大臣は、AISI(AIセーフティ・インスティテュート=AIの安全性を評価する政府機関)が新モデルのリリース前に先行評価できる関係を築くことが重要だと認め、AISIの機能強化に取り組んでいることを説明しました。
内閣府・国家サイバー統括室・AISIなど複数の部局が各社と対話している現状について、高山議員は「その知識は政府全体の資産として蓄積されているのか」を確認しました。
政府参考人(内閣審議官)は、情報を蓄積・管理する必要性は認めながらも、セキュリティ・クリアランス(機密情報を取り扱う資格)やNeed To Know原則(必要な人だけが情報にアクセスできるルール)に基づいた区分けが不可欠だと説明。言える情報と言えない情報を適切に管理しながら対応しているとしました。
Project YATA-Shield(政府が発表したサイバーセキュリティ対策パッケージ)の策定を評価しつつも、高山議員はAI技術の脅威が**「数か月単位」で進化するのに対し、政府の予算・人事・調達は「年単位」**のサイクルで動くという構造的なズレを指摘しました。サイバー専門人材の通年採用や緊急時の予算枠の設置が必要ではないかと問いました。
松本尚デジタル大臣は、政府予備費の活用や中途採用の積極活用により機動的な対応は十分可能だと回答。特例の設置については「これから議論してもいい」と述べ、時間軸の非対称性について「特段問題はない」との認識を示しました。
今回の質疑では、AIがもたらす脅威への対応として①民主主義インフラの整備、②フロンティアAI企業との戦略的対話体制の構築、③AISIの機能強化、④機動的なサイバー対応——の4点が繰り返し論点となりました。政府は対応可能だとしながらも、スピードと体制の両面でさらなる強化が求められる課題が浮かび上がりました。