いまきたみらい
2026年3月31日·参議院·委員会·総務委員会

【全文】参議院 総務委員会 質疑/党首・安野貴博(2026年3月31日)の要約

会話形式(原文ベース)

  • 安野貴博
    チームみらいの安野貴博です。まずは、井上会長、ご就任おめでとうございます。本日は、AI・デジタル時代におけるの役割という観点から、大きく三つお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず最初に、のAI開発への利活用について伺います。昨年12月のにおいて私は、AI開発目的でデータを提供していく予定があるかお尋ねをいたしました。その際、NHKの元稲葉会長からは、外部の事業者へのアーカイブコンテンツの提供について、「受信料で制作されたの価値保全を前提に対応の在り方を検討する」とのごをいただいております。 あれから3か月がたちまして、この間、をめぐる国際的な競争は一層進んでおりますが、同時に、信頼できる日本語のデータ、そして日本に関するデータをどう確保していくかはより大きな課題となっております。 日本語や日本に関連する高品質な学習データが不足しているという問題は、国産のであるとか大規模なの開発に関わる多くの関係者が指摘しておるところでございまして、NHKが保有する映像・音声・テキストのアーカイブは、質・量ともに日本に関するコンテンツとして極めて貴重な資産であり、まさにこの課題を解決し得る可能性を持っていると思います。 また、NHKのアーカイブデータは、たとえば経産省が進めているなどの国産開発プロジェクトにおいても活用が期待される資産でございます。 そこでまず、NHKに伺います。前回の以降、アーカイブデータの利活用に関する検討はどこまで進んでおりますでしょうか。進捗についてお聞かせください。また、外部事業者へのAI開発のデータ提供にあたり、NHKとして認識する課題があればお伺いしたいと思います。
  • 日本放送協会 小池専務理事
    お答えいたします。NHKのコンテンツのAIへの利用につきましては、外部からさまざまなアプローチをいただいております。 AIの学習データとしての提供であっても、受信料で制作されたコンテンツのとしての価値はしっかりと守っていくことを前提に、AI事業者が求めるコンテンツの範囲、量、期間、そのAIの利用目的はどのようなものなのか、用途に制度上の問題はないのかなどの点を個別の案件ごとに詳細に検討して適切に対応していく、これがNHKの基本方針でございます。 そのための知見をあらかじめ得ておくことも重要でありまして、総務省所管の国立研究開発法人のとの共同研究を始めたところでございます。今後、開発が行われる国産AIにはさまざまな種類のものがあると思われますが、その中には、学習済みのAIモデルを広く一般に公開することを目的としたものもあると聞いております。 一方で、NHKとしては、受信料で制作されたコンテンツのとしての価値をしっかりと守っていくことを考えますと、今後、仮に国産AIの開発が、誰でも無料で情報を複製できる形を中心に進められることになれば、NHKからの学習データ提供は困難になると考えております。引き続き、その推移を注意深く見守っていくところでございます。
  • 安野貴博
    いただきありがとうございます。学習済みのAIモデル、広く一般に公開する。これ、たとえばというやり方もあると思いますし、の重みだけ公開するという形もあると思っております。 そういった中で、続けて経産省にお伺いしたいと思います。今、であるとか、さまざまなの学習を進めるようなプロジェクトを進められているかと思いますが、こうしたNHK側が認識されているような課題を把握しておられるか、また、課題を認識されている場合はどのような対応をなされる予定か、お伺いしたいと思います。
  • 渋谷大臣官房審議官
    委員ご指摘のとおり、AIの開発・利活用を促進していく上で、データ提供者の権利保護を図ることは非常に重要と考えております。 経済産業省が推進しているAI開発者を支援するプロジェクトでありますにおきましては、その審査において、データや既存モデルのを侵害しない取り組みであることを確認するとともに、データホルダーの権利保護とデータの利活用を両立する仕組みの構築をこれまで支援してまいりました。 また、現在公募中のを見据えたの開発プロジェクトにつきましても、その公募要領において、データ流出を含むリスクの特定とその対応策、それから成果物の何を公開し、何を保護するかといった公開方針などを審査することとしております。 本開発事業の成果物は日本のモデル開発者に対して提供することとしておりますが、具体的な提供先や提供方法につきましては、今後適切に検討を進めてまいりたいと考えております。
  • 安野貴博
    ありがとうございます。こちら、税金を使って開発されるものでありますから、なるべく広くといったところと、あと、もう一方、やはりコンテンツホルダーの権利保護といったところ、これ非常に線引き難しいところではありますが、これゼロヒャク(0-100)の話ではなく、バランスを見ていく必要があると思いますので、どこまで公開することが適切なのか、その検討は進めていただければと思っております。 続きまして、選挙報道についてお伺いしたいと思います。令和7年度のNHKの予算審議において、芳賀議員より、テレビにおける選挙報道の時間がおよそ20年前と比較して減少しているという指摘がなされました。 また、SNS上の真偽不明の情報が選挙結果に影響を与え得る懸念もますます大きくなっております。直近の国内外の選挙においても、偽情報やな情報の拡散が大きな問題となったことは皆さまご承知のとおりでございます。 こうした状況において、正確で信頼できる情報を届けるの役割はむしろこれまで以上に大きくなっていると考えております。そこで、3点ですね、順番に、NHK会長と担当役員の方にお伺いしたいと思います。 まず、1つ目のポイントでございまして、選挙報道の改善の取り組みと評価についてです。 昨年以降、選挙報道についてどのような改善を行われたのか、直近の選挙において選挙関連番組の放送時間等に具体的な変化はあったのか、これまでの取り組み、何をしてきて、その進捗をどう評価されているか、お聞かせいただければと思います。
  • 日本放送協会 井上会長
    お答えいたします。去年、2025年から本格的に取り組んでおります選挙報道改革では、ネット空間の情報を確認・検証するとともに、有権者に判断材料を提供するため、事前報道の質を高めて量を増やすことを目指しました。 NHK放送文化研究所が去年の参議院選挙における選挙報道を2022年の選挙時と比較した調査によりますと、放送時間は、公示前5日間は「ニュースウオッチ9」で2.6倍に増えたほか、公示後11日間では「ニュース7」で10%増などとなっています。 今年2月の衆議院選挙でも、これまでの選挙報道改革を継続・発展させました。特に今回は、できるだけ多くの選挙区の特徴や候補者の訴えを紹介することに取り組みまして、放送に加えて、延べ133選挙区の候補者の演説について、要約や全文をウェブサイト上に掲載しました。 さらに、物価高対策や経済財政政策などの争点について、全選挙区の候補者にアンケートを行って、ウェブサイトに掲載し、訴えを比較できるようにしました。 こうした取り組みによって、今回も公平公正で多角的な情報を発信することができたと認識しておりますけれども、今後の国政選挙などに向けてさらに改革を進めて選挙報道を進化させてまいりたいというふうに考えています。
  • 安野貴博
    お答えいただき、ありがとうございます。たとえばアンケートについて全選挙区ウェブサイトに掲載しているといったようなネットも生かしたような動きというのは非常に重要なポイントだと思っていまして、私も評価をしたいと考えております。 ちょっとそこに関連してという部分ですので、ちょっと2点目と3点目の順番が前後しますが、2つ目にお聞きしたいのが、この政見放送というもののウェブアーカイブについてでございます。 政見放送に関して、NHKのウェブサイト上で全候補者分アーカイブして有権者がいつでも視聴できるようにすることについて、現行の公職選挙法上、これを禁止する規定はないものと承知しておりますが、現状、NHKではそのような取り組みは行われていないと承知をしております。 先ほどごもいただきましたとおり、インターネット等も通じながらさまざまな情報を提供していくという中において、政見放送は有権者にとっても非常に大事な情報の一つでございます。 そういった中で、インターネット上にあれば、有権者が特定の時間に見なかったとしても都合のいい時間帯に候補者の主張を比較・検討できるような環境を整えられると思いますので、民主主義のインフラとしても極めて重要ではないかと考えております。 これに関して、現在なぜこれが実行されていないのか、技術的、制度的、あるいはその他の課題があれば、具体的にお示しいただければと思います。
  • 日本放送協会 山名副会長
    お答えいたします。政見放送についてでございますけれども、公職選挙法では、NHKおよび基幹放送事業者は、選挙運動の期間中、政党または候補者の政見をそのまま放送するということが義務付けられておりまして、NHKが主体的に企画、制作し、放送する通常の放送番組とは大きく性質が異なるものであります。 放送法に基づいて定めているNHKの国内放送番組基準におきましても、「公職選挙法に基づく政見放送および経歴放送については法律に従って実施する」と特別な規定を置いているところでございます。 公職選挙法には、アーカイブスとして公開することを含めて、政見放送の配信に関わる規定は設けられておらず、よって立つべき法の規定がございません。 そうした中で、NHKが主体的に企画、制作し、放送する通常の放送番組とは大きく性質が異なる政見放送を配信することにつきましては、極めて慎重であるべきというふうに考えて今のような対応をしております。
  • 安野貴博
    お答えいただきありがとうございます。法律に従って実施しなければならないという、そういった性質を持っているということは承知しておりますが、ただ、やはり、おっしゃっていただいたように、これ禁止する規定はないものと承知しておりますし、またこれが非常に重要な、有権者にとっても非常に重要な情報であるということもまた明らかでございますので、ぜひここについては検討をしていただければと考えております。 最後、第3にというところですが、体制の構築についてお伺いしたいと思います。 NHKのインターネットサービスが必須業務になったことを踏まえてですが、これ、先ほどもおっしゃっていただいたとおり、政策アンケートの結果等を公開する取り組みなどは実施されているというところですが、その上で、今後、さらに踏み込んで、たとえばイギリスのでは「ベリファイ」という取り組みがございまして、これは独自の体制を設けていると。 60人規模のチームをつくり、またAIも使いながらさまざまな観点で情報を精査していくということをやっておりますが、このように候補者の主張や選挙に関する情報について体系的に検証を行う仕組みを設ける予定はあるか、あるいはそういった議論が今なされているか、お聞かせいただければと思います。
  • 日本放送協会 山名副会長
    お答えいたします。デジタル空間で真偽の不確かな情報があふれる中、信頼性の高い情報を提供するために、NHKでは報道局にある専門チームがインターネット上の投稿などを24時間体制で確認しているほか、去年から本部と地域放送局にの担当者を置きまして、真偽不明の情報の確認・検証に連携して対応しているところでございます。 選挙報道でも対策を強化しておりまして、2月の衆議院選挙では、特にニュースや街頭インタビューを装って特定の政党や候補者をおとしめる内容のを使った偽の動画、偽の画像、こちらの拡散が目立ったことから、注意を呼びかけるニュースを発信いたしました。 また、ニュースサイト上に掲載しました党首の第一声の全文テキストには客観的な参考情報へのリンクを付加する取り組みを行ったほか、争点の解説記事を掲載いたしました。引き続き、有権者の判断のよりどころとなる正確な情報を提示し、情報空間の健全性確保に貢献していきたいというふうに考えております。
  • 安野貴博
    ありがとうございます。次の質問とも関連する部分ですが、時間もないので端的にご質問できればと思っております。 AIの開発であるとか活用の促進といったところもNHKとして非常に重要なテーマだと考えておりますが、今申し上げたところの関連で、たとえばではAIも活用しながら、たとえば画像がないかどうか検証するといったような、そういった試みがなされています。 NHKといたしましても、たとえばこのようなところにAIを、たとえば番組の制作の効率化であるとか業務の効率化といっただけではなくて、公共の包摂に生かせるような形で使っていく、そこに向けて投資や活用を推進していくといったようなことも大切かと思いますが、ここに関して、もしお考えがあれば、いただければと思います。
  • 日本放送協会 小池専務理事
    お答えいたします。現在の経営計画では、NHKが情報空間の健全性確保に貢献することを掲げておりまして、そのためにインターネット上のコンテンツの発信者を証明する技術を開発普及させるための団体、また社会に重大な害を及ぼすおそれのある偽情報に対抗するための国際的な枠組みに参加するなど、取り組みを進めております。 また、は、その画像や動画がいつ誰によって作成・加工されたかなどの履歴を証明し、メディアの信頼性を確保するための標準規格ですが、これを管理運営している団体にNHKは会員として参加しており、この技術に関する研究も行っております。 さらに、AIを公共価値の増大のために活用することは重要な経営課題だと考えており、「NHK AI原則」をまとめたところでございます。一方で、AIの字幕の生成や多言語翻訳の導入を含め、AIを活用していく技術の投資は放送業界全体でも取り組むべきものだと考えております。
  • 安野貴博
    終わります。