2026年5月22日·衆議院·委員会·外務委員会
【全文】衆議院 外務委員会 質疑/宇佐美登(2026年5月22日)の要約
宇佐美登議員が衆議院外務委員会で量子コンピューターとAIの安全保障・経済安保への活用について質疑をしました。
2026年5月22日、衆議院外務委員会でチームみらいの宇佐美登議員が、量子コンピューターやAIを活用した安全保障・経済安保戦略について幅広く質疑を行いました。外務省・内閣府・経産省・文科省・防衛省の各担当者が答弁に立ちました。
現代の安保環境はどう変わった?
宇佐美議員は、66年前(1960年)に日米安保条約が採決された日であるこの5月22日に、安保環境の大きな変化を指摘しました。
- かつての安保は「陸・海・空」の物理的な軍事力が中心でした
- 現在はサイバー・宇宙・経済・技術が主戦場に変わってきています
- 先端技術の優位性が国家主権や同盟関係に直結する時代になっています
茂木外務大臣は「戦後最も大きな構造的変化の中にある」と述べ、外交力・防衛力だけでなく、経済力・技術力・情報力・人材力を含む「日本の総合的な国力」を強化する必要性を強調しました。
量子コンピューターって何?
宇佐美議員は外務委員会の場ということもあり、量子コンピューターをわかりやすく解説しました。
- 従来のコンピューター(古典コンピューター)は「0か1か」で情報を処理します
- 量子コンピューターは「0と1が同時に存在する」という量子の性質を利用するため、従来では時間がかかりすぎる計算を一瞬でこなせる可能性があります
- 身近な例として交通渋滞の最適ルート配分(何百万通りもの経路を瞬時に最適化)や、新薬開発(タンパク質の結合パターンの解析)が挙げられていました
省庁はどんな取り組みをしているの?
各省庁の担当者が、それぞれの取り組みを説明しました。
内閣府(司令塔役)
- 「量子技術イノベーション会議」を設置し、省庁横断で量子戦略を策定
- 現在、量子分野の官民投資ロードマップを検討中
経済産業省(産業への実装)
- 量子とAI・古典コンピューターを組み合わせた「ハイブリッドコンピューティング」の推進
- 産業技術総合研究所(産総研)の「G-QuAT」という拠点で、スタートアップが量子コンピューターを試せるテスト環境を整備
文部科学省(人材育成)
- 「Q-LEAP(光・量子飛躍フラッグシッププロジェクト)」で理化学研究所などを最長10年間支援
- 今年度から高校生・高専生向けの量子技術プログラムも新たに開始予定
防衛分野での活用は?
防衛装備庁の担当者は、量子技術やAIが「将来の戦い方を大きく変える可能性がある」と述べ、以下の取り組みを紹介しました。
- 量子センシング(量子効果で物理量を精密に計測する技術)による探知・識別能力の強化
- 量子ジャイロへの応用(GPSが妨害された状況でも精密に自分の位置を把握できる技術)
- AIを活用した幕僚機能の再現(指揮官の判断を補佐するAIの研究)
外交カードとしての量子・AI
茂木外務大臣は、量子・AI技術を外交・安全保障の重要な戦略として位置づけました。
- 日米間では「技術繁栄ディール」に関する協力覚書(2025年10月)に基づき、AI・量子・バイオ分野の協力を強化中
- 日本は昨年、機微技術の輸出管理に関する国際ルール「ワッセナー・アレンジメント(先進国が危険な技術の輸出を管理するための枠組み)」の議長国を務めました
- 「FOIP(自由で開かれたインド太平洋)」の考え方とも組み合わせながら、経済安全保障をしっかり確保していく方針です