【全文】衆議院 国土交通委員会 質疑/国対委員長代理・須田英太郎(2026年5月22日)の要約
須田英太郎議員が衆議院国土交通委員会で下水道法改正案の運用改善について質疑をしました。
2026年5月22日、チームみらいの須田英太郎議員が衆議院国土交通委員会で「下水道法等の一部を改正する法律案」について4点にわたる質疑を行いました。老朽化する地下インフラを守るこの法案が、現場で本当に機能するかを問いただす内容でした。
質疑の直前、2026年5月19日には福島市でマンホール内作業中に作業員2名が意識不明となり、うち1名が翌日に死亡する事故が発生していました。また2025年1月には埼玉県八潮市で道路陥没事故も起きています。
須田議員は「下水道は私たちの命と暮らしを支えるインフラ。地下での危険な作業に支えられていることをあらためて認識する必要がある」と述べ、テクノロジーによる安全確保の重要性を強調しました。
高専(高等専門学校)の学生が開発した下水道管路を自動走行する点検ロボットが最近の大会で優勝するなど、民間・学校での技術開発は着実に進んでいます。しかし現場の自治体からは「ドローン等の費用積算基準が未整備で発注時に見積もりにくい」「交付金の加点がないから先進技術の活用が難しい」という声が上がっています。
須田議員は①共同実証の場の整備、②費用の積算基準の整備、③先進技術導入自治体への交付金加点、④標準仕様の策定と伴走支援——の4つを連動させることが重要と訴えました。
金子恭之国土交通大臣は「ベンチャーを含む民間企業と連携して積極的に取り組む」と前向きに答えました。
本法案では、下水道の診断結果などの維持管理情報の公表が新たに義務づけられます。須田議員は「自治体ごとに公表形式がバラバラでは、住民が自分の家の前の管の状態を確認できない」と指摘。GIS(地理情報システム=デジタル地図技術)を使って、管の位置・健全度・点検履歴を地図上で一体管理することを国として明確に推奨すべきと主張しました。
大臣は「ガイドラインにGISデータベースの活用が望ましい旨を盛り込む」と明言しました。
八潮の陥没事故では、地下埋設物の立体的な位置関係が把握できず救助の初動が遅れたとされています。本法案では竣工図(工事完成後の設計図)の提出が義務化されます。
須田議員は申請書式が道路管理者ごとに異なることによる事務負担の増大を懸念し、道路占用関連システムの早期全国展開を要求。さらに地下埋設物を3Dデータとして整備する重要性も訴え、国の「プロジェクトPLATEAU」(都市の3Dモデル化プロジェクト)との連携を提案しました。政府は「安全上の観点にも留意しながら慎重に検討する」と応じました。
人口減少が進む中で、住民は「下水道を維持し続けるか、浄化槽などへ転換するか」という難しい選択を迫られています。長期コストの見通しがなければ、住民は合理的な判断ができません。しかし本法案での収支見通しの公表は努力義務にとどまっています。
須田議員は「標準的なフォーマットを整備するなどして実質的に義務化する方向で検討すべき」と主張。政府は「財政シミュレーションのプログラムを作成・公開し、標準的な様式をガイドラインで示す」と答えました。住民が自分の地域の下水道の将来を自分ごととして考えられるような情報提供の充実が求められています。