2026年5月22日·衆議院·委員会·内閣委員会
【全文】衆議院 内閣委員会 質疑/幹事長・高山聡史(2026年5月22日)の要約
会話形式(原文ベース)
- 高山聡史チームみらいの高山聡史でございます。 ができてから10年、この間、ドローンを取り巻く環境は大きく変化し、その性能も飛躍的に向上してきております。今回の改正案は、こうした状況変化に対応し、対象施設の安全を確保するための重要な見直しであると認識をしております。本日は、この改正案の内容と運用について具体的に確認をさせていただきたいと考えております。 まず、この法律が制定された10年前と現在を比較いたしますと、言うまでもなくドローンの性能は大きく変化しております。これまでの、鳩山委員のやごにもありましたが、最高速度、航続時間、搭載できる重量、そして操縦の容易さといった面で、市販の製品であっても、当時とは比較にならない性能を持つものが出回るようになりました。 そこで、にお伺いいたします。 法制定以降の小型無人機の性能向上について、政府としてどのような把握をされておられるのか。また、重要施設の周辺における不審飛行並びに侵入未遂事案について、発生状況の推移をどのように認識されているのか。現時点でお答えいただけるところをお聞かせいただきたいと思います。
- 石川泰三 警察庁 警備局警備運用部長お答えいたします。性能向上につきましては、ドローンの機種にもよりますため、一概にお答えすることは困難でありますけれども、警察庁において把握している、法制定当時に市販されていた主なドローンと、現在市販されている主なドローンの性能の比較といたしましては、まず、映像伝送距離につきましては、市街地の場合、法制定当時が200メートルから300メートル程度であったのに対しまして、現在は500メートルから10キロメートル程度まで拡大しているほか、携帯電話網を利用して操縦するドローンであれば、当該携帯電話網エリア内全域における飛行が可能でございます。 また、飛行速度につきましては、法制定当時が時速約50キロメートルであったのに対しまして、現在は時速70キロメートルから80キロメートル程度まで向上しているほか、海外製ドローンの一部の機種では、時速約150キロメートルの飛行が可能となってございます。 さらに、最大積載重量、につきましては、法制定当時が80グラムから5キログラム程度であったのに対しまして、現在は30キログラムの機種も存在し、を搭載することが可能というふうに承知をいたしております。 また、委員からお尋ねの発生状況に関しましては、警察庁において統計として把握している違反の検挙件数について申し上げますと、近年は年間4件程度で推移しているところでございます。
- 高山聡史ありがとうございます。今ごにもありました、50キロが150キロということであれば3倍速く飛んでくるということでありますし、また、年間4件程度ということでありますが、1件1件が非常に重大なリスクになる可能性もあるというところで、今のごを踏まえれば、ドローンの性能向上に対して、現行の規制範囲では十分に対処し切れないという局面が生じかねないということだと理解できるかと思います。 その上で、今回、改正案として、対象施設周辺地域として指定すべき地域を1,000メートルに拡大をするということでございますが、この1,000メートルという数字について、あらためてにお伺いをいたします。 この範囲を設定した技術的、運用的な根拠は何で、その想定は現実の脅威に対して妥当なものなのでしょうか。たとえば、これまでのの中でもございましたが、1,000メートルという範囲を置くだけでは対処しきれない部分について、運用においてはなど補完的な対処があるということであれば、そういった内容にも触れていただきつつ、根拠をお示しいただきたいと思います。
- 石川泰三 警察庁 警備局警備運用部長お答えいたします。近年、ドローンの飛行速度が飛躍的に向上しており、高速で飛行するドローンに対して、現行の300メートルのの範囲では、()装置などのを用いた対処に必要な時間的猶予を確保することは困難となっております。 他方で、警察における違法なドローン飛行への対処に必要な時間的猶予を確保する必要性と、国民の権利・自由の制約やドローンの利活用の促進との調和を図る観点から、その拡大範囲については必要最小限のものとすべきであるというふうに考えているところでございます。 この点、令和7年中に警察庁において開催いたしました有識者検討会において、有識者委員から、対処に必要な時間的猶予を十分に確保する観点やドローンの性能向上などに伴う攻撃形態の変化に的確に対応する観点からは、1,000メートルよりも広くすべきと考えられるが、国民の権利・自由の制約やドローンの利活用の促進との調和を図る観点を踏まえつつ、現在のドローンの性能を前提とすれば、現行の300メートルからの引き上げ幅としても、おおむね1,000メートルとするのが妥当である旨のご意見を頂戴したところでございまして、これを踏まえて、の範囲をおおむね1,000メートルに拡大することとしているものでございます。 警察といたしましては、先ほど委員からもお話がございましたとおり、さまざまなを活用いたしまして、の観点からしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
- 高山聡史ありがとうございます。後藤委員のでもありましたが、距離だけ見れば2キロ必要なんじゃないか、3キロ必要なんじゃないかということもありかねないというところでありますが、利活用とのバランスも考えて1,000メートルというところで、今回、数字をお示しいただいているものと認識をしております。 範囲が拡大するということは、それだけ多くの空域が規制対象となるということを意味します。特にの上空における小型無人機等の飛行については新たに罰則も設けられるという方向で、罰則を科すからには、その大前提として、国民であったり、ドローンを活用した事業者の側が、どこからどこまでが対象空域なのかを正確に認識し得る仕組みが整備されていることが不可欠であると考えます。 そこで、にお伺いいたします。 現在、無人航空機の運航については、いわゆる、上で飛行禁止空域などの情報が確認できる仕組みが整えられていると承知をしておりますが、しかし、対象施設は、国の重要な施設、、防衛関係施設、空港、原子力関係施設など、所管も性質もさまざまでございます。 これらの情報が、一般の操縦者や事業者にとって迷いなく正確に確認できる状態となっているのか。地図情報としての提供、更新頻度、検索の容易さなどもぜひ配慮いただきたいと思っております。現在の整備状況について、政府の認識をお聞かせいただきたいと思います。
- 石川泰三 警察庁 警備局警備運用部長お答えいたします。委員ご指摘のとおり、の対象施設周辺地域の具体的な範囲について、国民が正確に認識をできるよう分かりやすく情報提供することは重要であるというふうに認識をしてございます。 この具体的な範囲については、今、先ほど委員からもお話がございましたが、が管理運営する上におきまして、上の無人航空機の飛行禁止空域とともに、いわゆるおよびのそれぞれの境界を含めて確認できるようになっているところでございますけれども、さらに、本年2月からは、が管理運営し、アカウント作成などの手続きを要することなく、誰でも無料でアクセスすることができますインターネット上のにおいても、同様に確認できるようにしているところでございます。 本改正法案によりまして、の上空飛行が(や勧告を経ずに直ちに罰則を適用すること)されることを踏まえ、国民への分かりやすい周知に向け、引き続き、関係省庁や関係団体などと連携しながら、効果的な広報啓発活動を推進してまいりたいと考えております。
- 高山聡史ありがとうございます。国民から見た分かりやすさ、情報発信は重要だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 そして、今の規制範囲の認識という運用面に加えまして、現場での対応体制も重要な論点でございます。 対象施設の安全確保のための措置を強化することは当然必要でありますが、それを誰がどのように担うのかという点については、対象施設の管理者の側に新たな負担が生じることも想定されます。 そこで、にお伺いいたします。 警察官と対象施設の管理者等との役割分担について、政府はどのように整理をされているのか。規制範囲の拡大にも伴い、これまでの考え方を見直す必要性もあるのではないかと思います。どのようにお考えでしょうか。 また、管理者側に必要な対応を求めるとなれば、現場には当然、相応の負担が生じます。資機材の整備状況、施設ごとにさまざまであると思いますが、少なくともどういった資機材の備えが推奨されるのかという技術的な指針の提示であったりとか、あるいは、それらを使った警察と施設管理者との合同訓練の実施といったソフト面での支援の在り方について、政府の認識をお聞かせください。
- 石川泰三 警察庁 警備局警備運用部長お答えいたします。対象施設の管理者等との連携につきまして、たとえば原子力事業所について申し上げますと、警察では全国の対象原子力事業所において、を常駐させ、24時間態勢で警戒警備を実施しておりまして、対象施設の管理者その他関係者となる原子力事業者等と相互の役割分担を整理した上で、平素から緊密に連携をしているところでございます。 その上で、本改正法案による第11条第2項の改正を踏まえ、危険なドローン飛行に対し、原子力事業者等が警察官の命令を受けて、迅速的確、効果的な対処を行うことが可能となるよう、警察と原子力事業者等との役割分担についてあらためて整理する必要があると考えているところでございます。 そこで、今後、対象原子力事業所ごとに警察と原子力事業者等との役割分担を整理するとともに、効果的なの整備に向けた助言を行うほか、必要なを実施するなどの支援を行うことといたしております。対象原子力事業所以外の対象施設につきましても、それぞれの実情に即した助言を行うなど必要な支援に努めまして、各対象施設管理者と連携しながら、対象施設の安全確保に万全を期するための取り組みを推進してまいりたいと考えております。
- 高山聡史ありがとうございます。一層連携し合いながら、必要な備えをぜひよろしくお願いいたします。 ここまで改正案の内容と運用についてそれぞれ確認をさせていただきました。最後に、より大局的な観点から国家公安委員長にお伺いしたいと思います。 ドローンは、物流の(商品が消費者の手に届くまでの最後の配送工程)の配送であるとか、インフラ点検、災害発生時の状況把握、農業、畜産における活用など、社会のさまざまな場面で活用されており、今後さらに利用が広がっていく分野でございます。 重要施設の安全確保のための規制とこういった正当な利活用との両立は、政府として常に意識すべき課題と考えます。具体的には、規制範囲が広がれば広がるほど、施設管理者の同意を取得するために複数の施設であったり所管省庁に時にまたがる形でそれぞれ手続きを行う必要も生じるかと思います。また、通報手続きについても一部においてはまだ電子化が進んでいない状況と伺っております。 こういった背景も踏まえまして、国家公安委員長にお伺いいたします。 第一に、規制の範囲の拡大が、物流、インフラ点検、災害対応、農業、畜産といった正当な利活用に与える影響についてどのように認識をされておられるか。 第二に、規制の強化と並行して、同意取得や通報手続きの電子化、について、関係省庁への働きかけも含めてどのように進めていくお考えか。 そして、(GPSなどの位置情報技術を利用し、地図上に仮想の境界線を設定する技術)や(無人航空機の識別情報を電波で遠隔発信する機能)、こういった運航管理に関する技術は、今、日進月歩で進化をしております。こうした技術を活用した、より柔軟で実効的な規制設計の可能性についてどういうふうに検討を進めていかれるお考えか。三つ、ぜひ、国家公安委員長のご見解をお聞かせください。
- あかま二郎 国家公安委員会委員長今回ご審議いただいている改正法案でございますけれども、違法なドローン飛行への対処に必要な時間的猶予を確保する必要性、それと国民の権利・自由の制約、またドローンの利活用の促進との調和・バランス、これを図る観点に配慮をしつつ、小型無人機等の飛行が原則禁止される規制範囲を拡大するものであります。 この点、拡大後の規制範囲においても、対象施設の管理者の同意を得て、等への通報を行うことで適法に飛行させることが可能であるため、いわゆるドローンの正当な利活用に与える影響は限定的であるというふうに考えております。 への通報についてでございますけれども、すでにオンラインによる手続きが整備されております。他方で、対象施設ごとの運用が異なる同意取得手続き、これについては、関係省庁を通じて各対象施設の管理者に手続きの円滑化を働きかける。また、あわせて、さまざまな技術の活用の検討を含めて、ドローンの正当な利用・活用、これに配慮した取り組みを引き続き推進するよう警察を指導してまいりたいというふうに考えております。
- 高山聡史ありがとうございます。正当な利活用を萎縮させず、しっかりと安全・安心を守る形で、整備をよろしくお願いいたします。 これにて私のを終わります。