2026年5月19日·参議院·委員会·総務委員会
【全文】参議院 総務委員会 質疑/党首・安野貴博(2026年5月19日の要約
会話形式(原文ベース)
- 安野貴博チームみらいの安野貴博でございます。先ほど脇委員も触れられておりましたが、昨今、AIの進化によって、と防御の能力が、急速に高まってきております。その中で、政府が変化に対して迅速に対応できることが非常に重要だと考えておりまして、本日はその観点からご質問したいと思います。 先月、4月の7日、アメリカのが、高度なと防御の能力を備えたAIモデルであるを発表をいたしました。これに対し、先日、5月12日に、総理から直接、対策の指示がありました。つい昨日も関係省庁会議の初会合が開かれたと承知をしております。そこでは、業界の関係者・政府機関、そしてソフトウェアへの注意喚起も公表されました。政府と民間の対応が前に進みつつあるものとして評価し、ご尽力されている関係者の皆さまに敬意を表したいと思います。 一方で、政府の初動対応のスピードには改善の余地があるのではないかと考えております。たとえば、アメリカのベッセント財務長官は、の発表された4月7日当日に大手銀行との緊急会合を開催しております。また、イギリス政府は4月15日に企業経営者向けの周知文を、を発出しております。そしてその後も、すぐにオーストラリア、カナダ、シンガポール、EUなど、政府関係者が相次いでパブリックにメッセージを発出しておりましたが、日本が動き出したのはその後のことになります。もちろん公表されていない動きもあると、多いと承知をしておりますが、我が国の対策パッケージの公表、これ6週間掛かっていると認識しております。 急速なAIへの変化に対しては迅速な初動対応が重要であることを考えた上で、そこでまず、政府全体の体制について()にお伺いいたします。今回の発表を受けた一連の政府対応のスピード感に関してどのような評価をされておられるか、そしてまた、今後類似の事態が起きたときに初動を早めるための方策についてどう考えるか、お伺いいたしたいと思います。
- 今枝宗一郎 内閣府 副大臣ご質問ありがとうございます。等のフロンティアAIモデルの性能が急速に高度化する中、政府としては、を中心に、諸外国の政府、また米国のも含めまして関係企業と緊密にやり取りを続けており、しっかりと取り組みを重ねております。 他方で、こうした関係者とのやり取りは我が国のに関わる事柄でございまして、その情報を公開すれば攻撃者を利するおそれがあることから、このやり取りの詳細についてお答えすることは恐縮ながら差し控えさせていただきたいと思っております。 そういった中で、たとえば、まず、我が国の事業者に対しては、も参加をした上で、4月24日に片山大臣の下で、金融庁が日銀・メガバンク3社・東京証券取引所との間で金融分野の対策強化に関する官民連絡会議を開催しているほか、5月1日には赤澤大臣の下で、経済産業省が電力・ガス・化学・クレジット・石油の5分野の業界団体の代表などと意見交換を実施しており、実効性のある取り組みが確保されるよう丁寧に対応してきているところであります。さらに、先日の5月12日には、高市総理から松本大臣を中心に、事業者等への対応との発見、修正等の対応の双方の観点から政府全体での対応を早急に具体化をし、実施するよう指示があったところでございます。 こうした中、昨日、5月18日に、という名称で事業者向けの周知とともに、必要な施策も含めた、関係省庁・関係機関の施策を包括的にまとめたパッケージを各国に先駆けて公表をしているところであります。本パッケージを踏まえて、同日、5月18日付けでから政府機関等に対しても注意喚起を行っているほか、関係省庁においても緊張感を持って一連の施策を迅速かつ的確に実施をすることとしております。 さらに、これら施策の実施状況を機動的に確認し、追加的な対応を不断に検証、実施することとしており、関係省庁と連携をしながらAI等の急速に変化する技術環境に遅滞なく対処してまいりたいと考えております。以上です。
- 安野貴博ごいただき、ありがとうございます。の件も含めて、今後もさまざまな案件、発生すると思いますので、ぜひ、迅速に動けるような対応、体制を整備していただきたいと考えております。 続きまして、総務省の対応について総務大臣にお伺いしたいと思います。 情報通信分野の所轄省庁として、発表後の事業者への周知文の発出など、総務省としてもより早期に対応できた可能性がある部分があるのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。お考えをお伺いしたいと思います。
- 林芳正 総務大臣総務省におきましては、これまでもAIの悪用も含め上の脅威に関しまして業界団体などと日頃から意見交換を行い、情報共有に努めてきたところでございます。特に、を始めとする新たなAIの脅威につきましては、先日の委員とのやり取り、で委員に申し上げましたが、喫緊の課題と捉えておりまして、主要な等に対して注意喚起を行ってきたところでございます。 さらに、昨日でございますが、先ほど触れていただいたように、政府として対策パッケージをたことを踏まえまして、今週21日ですからあさってということになりますが、情報通信、地方行政、郵便分野の代表の方々と会合を行いまして、私から直接、経営層のリーダーシップによる対策の徹底、これを要請する予定でございます。 ご案内のように、AI技術は日進月歩で進化しておりまして、それに伴うの脅威の急速な増大、これに的確に対応できるようにするため、今般の総務省の対応について、より迅速に対応できる余地がなかったのかという点につきましては、よく考えて今後の対応に生かしてまいります。 なかなか拙速を貴ぶというのがこの霞が関では難しいところが往々にしてございますが、しっかりと次の対応については検証したいと思います。
- 安野貴博ごいただき、ありがとうございます。ぜひ、今後の体制についても、対応についても検討いただければと思います。 次に、2番目の質問に参ります。フロンティアAIモデルそのものを評価する能力についてお伺いいたします。 今般のような事態に早期に対応するためには、日本のAIセーフティ・インスティテュート、いわゆるが自ら個別のモデルを評価する技術的能力を備えること、これが極めて重要だと考えております。私自身、の方々と意見交換をする中で、日本がこういったのようなモデルに対して早めにアクセスをもらうときに、を認めるための理由がとしても必要であるという話を伺っております。 イギリスのでは、自社では、そのフロンティアAIを作っている会社が自社では抱え切れないような高度なモデル評価能力があると認識されておりまして、だからこそ、AIを作っている会社からしてもイギリスは早めにアクセスを認める価値があると、そういったロジックでございます。つまり、しっかりとしたAIモデルを評価する能力、これを政府が持つこと、これが先行的なアクセスを得るための前提条件になってくると考えます。 そこで、お伺いいたします。 現在、がより高度な人材を獲得し、技術的能力を強化するためにどのような対応がされておりますでしょうか。具体的には、民間のトップレベルのエンジニア人材およびサイバー防衛人材の確保、これが大事だと思いますが、こういった確保に向けた処遇等の制度設計を含めた進捗をお伺いしたいと思います。
- 恒藤晃 内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局審議官委員ご指摘のとおり、我が国のが自ら個別のAIモデルを評価する技術的能力を備えることは非常に重要であると考えておりまして、現在、に基づきまして、の抜本的強化に向け体制の強化を進めているところでございます。 具体的には、技術的専門性を有する民間からの人材の採用を進めるとともに、政府からの出向者を増やすということで体制強化を図っております。その一環として、がより技術的能力の高い民間人材を確保できるよう、給与規程の見直しを行い、能力に見合った処遇を受けられるような体制を整備したところでございます。 諸外国の等の状況も参考にしながら、引き続きの機能強化にスピード感を持って取り組んでまいります。
- 安野貴博ごいただきありがとうございます。処遇の改善について進捗がある点というのは評価したいと思います。 モデルを評価できる人材の強化に加えて、その上で、海外のAIを作っている企業との信頼関係構築も、これもまた重要な観点だと考えます。政府として、現時点でこのような信頼関係構築を課題として捉えておられるか、あるいはどのように対応していかれる予定か、お聞かせください。
- 恒藤晃 内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局審議官今ご指摘いただきましたように、新たに開発された高性能のAIモデルにつきまして、リリースされる前に我が国のが先行的にアクセス権を得まして、に悪用できるかどうかなど安全性を評価できるようにするということは非常に重要であると考えてございます。 そのためには、その我が国のに先行的に評価をしてもらうということが先方の、いわゆるその高性能なAIモデルを開発する企業にとって意味があると思ってもらう状況をつくるということが重要でございまして、そのためにはが実力と実績を高めていくということがまず重要であると考えてございます。 こうしたことから、におきましては、体制を強化をし、AIモデルを評価する手法やツールの開発を進めるとともに、実際に自ら高性能AIモデルの安全性を評価をし、その結果をそれを開発した企業と意見交換を行うといったようなことで、そういった企業(との信頼関係構築)を、進めているところでございます。 こういった取り組みによりまして、の実力と実績を高め、高性能のAIを開発する企業との信頼関係を構築をし、新たに開発されるAIモデルを先行して評価できるようにしていきたいという方針でございます。
- 安野貴博ありがとうございます。方針に関しては違和感まったくございませんでしたが、その上で一点課題提起させていただきたいと思います。 から公表前のモデル情報という極めて機微な情報を継続的に共有いただくためには、意見交換のレベルを超えて、制度的な信頼の担保が必要ではないかと考えます。 これ、私、調査室を通じて確認したところ、政府からは、はIPAに設置された組織であり、IPA役職員には守秘義務が課せられているという説明がありました。ですが、国家公務員の守秘義務は、もし破ったとしても、1年以内のまたは罰金数十万円程度で済んでしまいます。これは、先方から見たときに、制度的な信頼を勝ち得るという意味では弱いのではないかと考えております。 AIは、安全保障に関わる極めて重要な問題です。先進的なAIモデルのアクセスに関してはそのレベルで考えていくべきだと考えておりまして、具体的にはセキュリティ制度の活用が必要だと考えております。 を同制度の対象として、機微情報を扱う職員にを付与することを政府として検討すべきではないでしょうか。
- 恒藤晃 内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局審議官まず、そういった企業の信頼を勝ち得ていくという観点では、当然、情報の管理はしっかりしていかなきゃいけないとは考えてございます。 また、が今後自らAIモデルを評価するようになったという際には、それがに悪用される可能性などに関する情報を自らその評価によって得るということも想定され、適切に情報管理することは重要でございます。 それについては、今委員ご指摘のとおり、はに設置された組織であり、この機構におきましては、に基づき、職員の守秘義務というのがございまして、就業規則上も業務上知り得た秘密への守秘義務を職員に課すことにより情報管理を行っているところでございます。こういった仕組みをしっかり運用することで、引き続き適切に情報管理を行ってまいります。
- 安野貴博ありがとうございます。守秘義務があるということは理解しつつ、やはり、これ国家安全保障に関わる重大な問題になってきますので、そこのラインの引上げというところはぜひ検討いただければと思っております。 最後の質問に参ります。政府や地方公共団体のシステムにおいても、高性能AIモデルを使いながら情報システム上のの穴を見つけ出す作業をやるべきだと考えております。 実際、昨日公表された対策パッケージにも、高性能AIを活用しながらの早期発見、対応を進めることが示されております。その際、政府機関や自治体のシステムは機密性の高い情報を取り扱います。そのため、国内外の民間運営のサーバーに経由でアクセスすると、それらの機密性の高い情報自体を外部に送らなければならなくなってしまいます。 機密性が高いからこそ守るべきなのに、守るためには機密性高い情報を外部に露出しなくちゃいけないという、こういうジレンマが発生してしまうのですが、ここで一つ、政府自らが管理するサーバー上で高性能のAIのモデルをして、外部に露出させずに運用できるような環境の整備も検討すべきと考えておりますが、こちら、本件リードを取られているさんがこのような論点についてどうお考えか、伺いたいと思います。
- 中溝和孝 内閣官房 内閣審議官お答え申し上げます。政府機関等の情報システムの対策につきましては、の下、第二十六条第一項の規定に基づきまして、において監査を実施しているほか、を行うなどの取り組みを進めているところでございます。 これらの取り組みの強化は政府機関等のセキュリティの確保の観点から重要であると認識しており、その実施に当たっては、の技術進歩や環境変化に応じて段階的に実施内容の向上を図っているところでございます。 このような中、AI技術が急速に進展、普及しており、にAIが悪用されることで、攻撃のスピード、規模が劇的に増加するなど、における新たな脅威に直面している状況であると認識してございます。 こうした認識の下、昨年12月に閣議決定いたしましたにおきましても、AIにより一層脅威が高まると予想されるの被害の防止に向けた取り組みを推進すると位置付けておるところでございまして、におきましては、政府機関等のセキュリティ確保のためのAI等の最先端技術の活用につきまして、委員ご指摘の論点も含めまして、予断なく検討してまいりたいと考えてございます。
- 安野貴博ごありがとうございます。論点含めて検討いただければと思います。終わります。