2026年5月29日·衆議院·委員会·財務金融委員会
【全文】衆議院 財務金融委員会 質疑/国対委員長・峰島侑也(2026年5月29日)の要約
峰島侑也議員が衆議院財務金融委員会でミニマムタックス改正とスタートアップ振興の整合性について質疑をしました。
チームみらいの峰島侑也議員(国対委員長)が2026年5月29日の衆議院財務金融委員会で、今国会で成立したミニマムタックス改正がスタートアップ(新興企業)の創業者に与える影響について質問しました。峰島議員自身もベンチャーキャピタルやスタートアップでの勤務経験を持ち、現場の実態をよく知る立場からの質疑です。
ミニマムタックスとは?
「ミニマムタックス(最低税率課税)」とは、一言でいうと超富裕層に最低限の税を課す制度です。
- 日本では所得税の最高税率は45%ですが、株式や土地の売却益(譲渡所得)は約20%の低い税率で課税されます
- このため年収が1億円を超えても、株の売却益が多い人は税負担率が下がる「1億円の壁」という問題がありました
- 今回の改正では、この不公平を解消するために超高所得者の税負担を強化しました
なぜスタートアップが問題になるの?
峰島議員が指摘したのは、この制度がスタートアップ創業者にも及んでしまう点です。
- スタートアップ創業者は、何年もほぼ無収入・低収入で働いた末に、会社が成功したとき初めて株式売却益を得ます
- 毎年コツコツ株で稼ぐ投資家とは違い、「一度きり」の大きな収入です
- 法律成立後の5月1日、ジャパン・ベンチャーキャピタル協会が「起業家の海外流出を招く」「イノベーションを阻害する」と強い懸念を表明しました
国としてスタートアップは応援しているはずでは?
日本政府は実はスタートアップ振興に力を入れています。
- 2027年度までに投資額10兆円、スタートアップ10万社・ユニコーン100社を目標に掲げています
- 2025年時点でスタートアップ企業数は過去最多の2万5,000社、5年で約1.5倍に増加しています
- 峰島議員は「税制でアクセルを踏みながら、別の税制でブレーキをかけているのでは」と整合性を問いました
「日本版QSBS」の提案
峰島議員は解決策として、アメリカにあるQSBS(適格中小企業株式優遇制度)の日本版創設を提案しました。
- QSBSとは:創業から株式を長期保有してきた創業者に対して、売却益への通常課税(約20%の分離課税)を維持する優遇措置のこと
- 既存のエンジェル税制(投資益を非課税にする代わりに再投資や再起業を求める制度)では不十分と指摘
- 「創業時からの原始取得・3〜5年以上の長期保有」を要件にすれば対象者を的確に絞り込めると提案しました
財務省の青木主税局長は、高所得者層では株式譲渡益が所得の約9割を占めるケースもあると述べつつ、制度の対象から外すと「1億円の壁」への対応という政策目的を損なうおそれがあると慎重な姿勢を示しました。
これからどうなる?
片山さつき財務大臣は「スタートアップ振興と税の公平性のバランスが重要」と述べ、総合的な支援を続ける意向を示しました。峰島議員は最後に、課税強化の対象となった人々の実態調査を政府に強く求めました。毎年の投資利益で課税される投資家と、10年以上かけてようやく株を売った創業者が同じ扱いになっていないか、まずは実情を把握することが第一歩です。