2026年5月29日·衆議院·委員会·財務金融委員会
【全文】衆議院 財務金融委員会 質疑/国対委員長・峰島侑也(2026年5月29日)の要約
会話形式(原文ベース)
- 峰島侑也チームみらい、峰島侑也でございます。本日もの時間をいただきまして、ありがとうございます。本日、私がお伺いしたいのは、今国会で成立いたしました、と国としての振興との整合性でございます。 まず、私の問題意識としましては、今回成立しました、これの対象に一部、創業者のも含まれてくるということがございます。この法律が成立したプロセス、そして、結果として、振興施策と今回の税制改正が整合性を欠いているのではないかという点について、この時間を使ってお伺いしていきたいというふうに考えております。 まず、私の根本的な課題意識としては、本来、今回のは、継続的なを得る超富裕層を前提として制定されたもののように考えております。しかし、今回、創業者、一度きりのを得る方々も対象になっている。 私自身の体験から申し上げますと、私自身は議員になる前にで働いておりましたし、その前は、ベンチャー企業に投資する会社で働いてまいりました。その中で数多くの創業者の方々も見てきましたが、世の中で言う、いわゆる成功する投資家というのは非常に一握りでございます。やはりは非常に厳しい世界でございますので、100社創業しても、成功するのは1社あるかどうかという中で、創業者の方々、皆さま、給料を切り詰めて、もしくは無収入で働いておられます。そういったリスクを取り続けた末に、で報われるというのがの基本となっております。 まず、今回の制度改正につきまして、あらためて前提の確認ということで、このの趣旨または背景、そういったところについて、財務省よりご説明をお願いしたいと思います。
- 青木孝德 財務省 主税局長お答え申し上げます。ご指摘をいただきました、でございますが、所得税の最高税率45%よりも低い税率での対象となっております土地建物や株式等の譲渡所得等が所得全体に占める割合が高所得者ほど高くなっていることから、高所得者層で所得税の負担率が低下するという、いわゆるへの対応として、令和5年度税制改正でまず創設をされたものでございます。 その上で、今般、令和8年度税制改正において、税負担の公平性の確保の観点から本措置の見直しが行われたところでございますが、まず、その背景といたしましては、いわゆるにつきまして、本制度の創設後も、国会などにおきましてさまざまなご議論がなされたことが挙げられます。 また、昨年11月の与野党六党合意におきまして、いわゆるガソリン等のの廃止の財源確保の文脈から、極めて高い所得の負担の見直し等の税制措置を検討し、令和7年末までに結論を得るとされておりました。 こうしたことを踏まえまして、におきまして、本措置の見直しが具体化されたというところでございます。
- 峰島侑也ごありがとうございます。私自身も、いわゆる問題であるとか、財源確保の必要性、そういったところは重々承知をしております。その上で、今回のまずは法改正のプロセスの点についてお伺いをしたいと考えております。 本改正の成立は本年の3月31日でしたが、その1か月後、5月1日に、から、本改正に対する強い懸念を表明する政策提言が公表されました。この中では、企業価値を向上させようとするを構造的にそぐといった課題であるとか、優秀な起業家の海外流出を懸念する、そういった声が書かれておりました。 法成立後にこれまで強い懸念がまとまった形で出てきたということ自体を私自身は懸念を抱いておりまして、立法プロセスの中で当事者の声を十分聞く機会があったのかというところをぜひお伺いしたいと思っております。 特に、今回、課税強化となる方々も多くいらっしゃる中で、その対象者となった方々もしくは創業者の方々、そういった方に対してヒアリングが行われたのかというところについて、お聞かせいただけますでしょうか。
- 青木孝德 財務省 主税局長お答え申し上げます。先ほどご申し上げましたけれども、いわゆるの問題につきましては、国会などにおけるさまざまなご議論、また、ガソリンのの廃止をめぐる与野党のご議論などを踏まえまして、与党の税制調査会におきまして見直しの具体案がられたところでございます。 におきまして、との関係とかそういったことも含めましてさまざまなご議論が行われたとは承知しておりますけれども、個別の改正項目につきまして、具体的な議論の取り上げ方につきまして、これは与党の税制調査会において決められるものでございまして、その在り方について政府の立場で言及するということは控えさせていただきたいと思います。
- 峰島侑也ごありがとうございます。確かに、与党の税制調査会の中で議論される内容ということもあるかもしれませんが、やはり国として、こういった法律を制定していく上で、特に、課税強化をする際、その対象者の方々の意見を聞くということは非常に大切なプロセスであるというふうにまず考えております。 まず、プロセスについては私自身はこのように考えておりますが、中身についても非常に懸念を持っております。それは、具体的に言いますと、国が今掲げている振興施策と今回の税制改正というものが整合性を欠いているのではないかという点です。 まずは、政府の振興の立場を確認させていただきたいと思います。現在、国として、どのように振興について認識されているのか、どのような目標を持っていて、どのような進捗を出しているのか、そのようなことについて、政府からのごを求めたいと思います。
- 坂本里和 内閣官房 日本成長戦略本部事務局次長お答えいたします。まず、目標についてでございますが、2022年に策定をいたしましたにおきまして、への投資額を、5年後、2027年度に10兆円規模とする、また、将来において、を10万社、を100社創出をするということを目標といたしまして、で取り組みを推進してきているところでございます。 進捗につきましては、投資額については、世界的に資金調達環境が厳しさを増す中で、2025年速報値で7,600億円ということで、目標にはまだ届いておりませんが、5か年計画の取り組みを進めた結果、我が国の企業数につきましては、2025年に過去最多の2万5,000社、5年で約1.5倍に増加をしております。また、数につきましては5年で1.3倍、上場して規模になった企業で約2倍、時価総額500億円以上の予備軍と呼べる未上場企業が約3倍となるなど、我が国のは着実に発展してきているというふうに考えております。 こうした目標の達成に向けまして、5か年計画を強化をするためにの下に設置をされましたにおきまして、先週20日に、のスケールアップ、の支援、地域の経済社会を担うの創出、育成という3本柱から成るをられたところでございます。
- 峰島侑也ごありがとうございます。 今ごいただきましたように、日本として、振興をしていくというのは国策としてかなり注力をされており、かつ、それに対して成果がついてきていると私自身も理解をしております。特に、今おっしゃっていただいたものの中で、の数も1.3倍という形になっているのは非常にすばらしいことだと考えておりまして、こういった企業がより多く出てくることによって、雇用の創出であったり、新たな日本を支えるような産業の創出、そういったことに向かっていくと私自身も考えております。 そのような振興を行っていく上で、現在、税制面ではどのような手当てがなされているのか。特に、創業者やを保有する初期従業員に対する手当てがどのように行われているのか。そのような点についてご説明いただけますでしょうか。
- 宮本岩男 経済産業省 イノベーション・環境局イノベーション政策統括調整官お答え申し上げます。経済産業省では、に対して多様な主体からの資金供給を拡大させる観点から、税制面で累次のを行い、制度を整備してきております。 たとえば、令和5年度にを改正し、のある個人がその自己資金により創業した場合や創業初期のへ再投資した場合に、再投資分に当たるを非課税とする措置を新設しております。 また、令和8年度税制改正では、事業会社による出資や買収を後押しするの要件を見直した上で、適用期限を延長し、買収前のの対象化、それから、海外投資家が国内ファンドへ出資する際の課税の特例要件の見直し、こういった制度を整備してきているところでございます。
- 峰島侑也ありがとうございます。今ごにもありましたとおり、一定、今、手当てがなされているということでしたが、たとえば、こちらも、した後の起業家があらためてそれを再投資する必要がある、もしくは、ご自身であらためて会社を立ち上げる必要があるということですが、冒頭私が申し上げたとおり、は基本的には100社創業して1社成功するかどうかというところで、そこの非課税枠を受けるためにそういったリスクをあらためて取らなければならないというのは、非常に起業家にとってもリスクの高いことだというふうに考えております。 今まで確認してきたように、日本としてについて今後も注力をしていくという中で、今回のの対象者に多くの企業家が含まれたであろうというところは、私自身、課題を感じております。 特に、先ほどおっしゃっていただいたように、の部分は今後も日本として注力をしていく部分だとは思いますが、こういったの会社については、海外からも優秀な人材を引き寄せていくということが必要になりますが、今回のは、国籍が日本の方でなくてもであれば対象となるというところで、長期的に見たときに、こういった人材の競争力もそいでいく、そういった懸念があると考えております。 そういった中で、私から今回ご提案もしくはご検討をお願いしたいところとしては、(アメリカの優遇税制)と言えるようなものができないのかというところをお伺いしたいと思っています。 ただいま確認したように、では十分な手当てがされているとは言えません。再投資やあらためてご自身で起業する、そういったことが求められているということでは、なかなか手当てがされているとは言えないと思います。 ただ、一方で、非課税というふうにする、までいくと、税の公平性であったりとか、先ほどおっしゃっていただいた財源の確保というところでも課題が出てくるのかと思います。 そういったときに、まずは、創業者が創業時から長期保有してきた株式に対して通常の譲渡所得課税、すなわち20.315のに据え置くということが可能なのかというところについてお伺いしたいと思います。 特に、制度の中では、創業時点からすることまたは保有期間を3年もしくは5年といった形で長期で持つということを要件とすることによって、対象者を的確に絞り込むことができるのではないかというふうに考えております。こういったの創設の検討について、政府のご認識をお伺いしたいと思います。
- 青木孝德 財務省 主税局長お答えいたします。でございますが、高所得者層についての対象となる土地建物、株式等の譲渡所得等が所得に対する、占める割合が高いことから所得税の負担率が低下する、いわゆるに対応する措置でございますが、特に所得の高い層、たとえば所得でいうと50億円超の方でございますと、所得全体に占めるの割合が平均して約9割に達するというような状況でもございます。 こうした方々につきまして、株式の譲渡所得を本措置の対象から外した場合に、いわゆるへの対応という政策目的を損なうおそれがあるといった点にも留意が必要ではないかというふうに考えております。
- 峰島侑也ごありがとうございます。まさしく今おっしゃっていただいたように、今回対象になる方々の中でどの程度の方々が創業者に当たるのかというところ、ここについてはより解像度を高めていく必要があるというふうに考えております。 先ほど、株式の譲渡益というのが9割を占めているというお話がありましたが、その中には、当然、投資家の方々が日々トレードをしていく中で稼いでいく、そういった譲渡益もあれば、の方が自分の会社の株として長年保有して最終的にそれを売却するというケースのものも含まれているというふうに思います。まずは、そこの点について、実態がどうなっているのか、そういった調査を政府の方で行われることを期待しております。 最後に、ここまでの議論を通じて、国としての振興、そして税制との整合性というところについて、ぜひ、財務大臣からご所感を伺いたいというふうに思います。
- 片山さつき 財務大臣支援、振興ということは、高市内閣でも非常に大きな優先度を持った重要な課題でございますし、我が国において長年取り組んできているところでございますが、本日委員からご指摘のありました、につきましては、からも縷々(るる)を申し上げておりますように、いわゆるが課題となっていた中で、税負担の公平性の確保というために、8年度税制改正において見直しが行われたものでございます。 振興のほうは、税制のほうでは、令和5年度税制改正から、株式の売却益を特にリスクが高くて資金が集まりにくいへの再投資に充てる場合には、申し上げたように20億円までその売却益を非課税にするという措置を講じているところでございます。 いずれにしても、をめぐる措置を受けて、税制につきましては、前提として、多くの納税者の理解と納得を得られるものであるということと、いろいろなご指摘のあったような点とのバランスをいかに取るかということが非常に重要だと思っておりまして、の分科会のほうでは、というのをておりますので、さまざまなツールを総合的に使って支援に取り組んでまいりたいと思っております。
- 峰島侑也ちょっとの時間が来てしまったので簡潔にですが、ぜひ、課税強化の対象になった方々の実態調査、先ほど言ったような、いろいろな方がいると思うんです、毎年同じように配当益で入ってくる方もいらっしゃれば、10年、20年とやって、ようやく株式を売却されたという創業者も含まれると思いますので、まずはそういったところの実態の調査、どういった方々が課税強化の対象になったのかというところはぜひ調査をお願いしたいと考えております。 私のは以上になります。ありがとうございました。