【全文】衆議院 外務委員会 質疑/宇佐美登(2026年5月29日)の要約
宇佐美登議員が衆議院外務委員会でACSA条約・情報保護協定・カナダとの刑事共助条約などについて質疑をしました。
2026年5月29日、衆議院外務委員会でチームみらいの宇佐美登議員が質疑に立ちました。米・イラン問題からACSA(物品役務相互提供協定)の条約審議、サイバー犯罪対策まで、日本の安全保障と外交に関わる幅広いテーマを取り上げました。
宇佐美議員は、米国とイランの交渉の現状と日本の外交的関与について質問しました。茂木外務大臣は次のように説明しました。
- 現時点で米・イラン間に「確たる合意」はない
- 両国はMOU(基本合意書)を先に結んで停戦を実現し、その後に核問題や制裁解除を協議する「二段階方式」を目指している
- 茂木大臣自身がイランのアラグチ外相と電話会談(事態発生以来6回目)を実施し、早期の対話再開を促した
- クアッド外相会合(デリー)ではルビオ米国務長官とも会談し、日米の緊密な連携を確認した
- ホルムズ海峡には日本関係船舶が航行しており、安全確保のためカタールとも協力している
今回の委員会では、フィリピン・オランダ・ニュージーランドとのACSA(物品役務相互提供協定)とカナダとの刑事共助条約の承認が審議されていました。ACSAとは、自衛隊と相手国軍が共同訓練などの際に燃料・食料などを融通し合うための手続きを定めた協定です。
宇佐美議員は「これらの条約は、日本が米国以外の同志国との安全保障協力を広げるための環境整備ではないか」と問いました。茂木大臣は「日米同盟を基軸にしつつ、同志国との多層的なネットワーク構築が重要だ」と述べ、ACSAはその一環だと強調しました。
ACSAで物資を融通できても、秘密情報を安全に共有する仕組み(情報保護協定)がないと実質的な安全保障協力には限界があります。宇佐美議員はこの点を指摘しました。
- ニュージーランド・カナダとは情報保護協定がすでに発効済み
- フィリピンとは前日の首脳会談で正式交渉開始が合意された
- オランダとはまだ交渉も始まっていない
宮本外務省南部アジア部長は「フィリピンとの交渉を精力的に進める」と述べる一方、オランダについては「今後のニーズを踏まえて検討する」と慎重な姿勢を示しました。
宇佐美議員は生成AIの悪用やランサムウェア攻撃など国境を越えたデジタル犯罪の増加を取り上げ、カナダと電子的証拠(暗号化データやサーバーログなど)を迅速に共有できる技術体制が整っているかを質問しました。
警察庁の遠藤審議官は「外国捜査機関と事前に手続きを協議しており、これまで支障は生じていない。警察庁にはランサムウェアの解読ツールを開発してユーロポールなどに提供した実績を持つ技官がいる」と答えました。
南シナ海で中国の海警船から妨害を受けているのは、実はフィリピン軍ではなくフィリピン沿岸警備隊(PCG)です。ところが、日・フィリピンACSAの対象は「フィリピン軍」に限られており、PCGには適用できないことが宮本部長の答弁で明らかになりました。
宇佐美議員は「共同訓練の現場で、フィリピン海軍にはACSAでスムーズに物品提供できるのに、PCGには別の手続きが必要となり混乱が生じないか」と問いました。防衛省の松尾次長は「今のところ具体的なニーズは示されておらず問題ない。必要なら国内法の手続きで対応可能だが、時間がかかる場合がある」と説明しました。