いまきたみらい
2026年6月12日·衆議院·委員会·経済産業委員会

【全文】衆議院 経済産業委員会 質疑/河合道雄(2026年6月12日)の要約

河合道雄議員が衆議院経済産業委員会で電力自由化・送配電DX・系統蓄電池について質疑をしました。

2026年6月12日、衆議院経済産業委員会で「電気事業法の一部を改正する法律案」について参考人質疑が行われました。チームみらいの河合道雄議員は、電力の専門家4名を相手に、電力自由化の評価から系統蓄電池の可能性まで幅広く質問しました。

電力自由化、どう評価する?

2015年から進められてきた電力の小売自由化について、一橋大学名誉教授の山内弘隆氏は「改革そのものは良かった」と評価しつつも、課題も指摘しました。

  • 自由経済の下では事業者の撤退・休止は自然なこと
  • ただし電力は「公益事業」(社会全体に欠かせないサービス)なので、アフォーダビリティ(電気料金が家計に重くならないか)に問題が生じた場合は政策対応が必要
  • 一部の小売事業者の行動が送配電事業者に負担を転嫁する構造は改善が必要
OCCTOの貸付け制度、中立性は大丈夫?

今回の法改正で、OCCTO(電力広域的運営推進機関)が資金を貸し付ける新たな仕組みが導入されます。OCCTOには電力会社からの出向者も多いため、「本当に中立に運用できるのか」という点を河合議員が問いました。

山内氏は「監督官庁も目を光らせており、中立性が損なわれないよう組織自体も工夫している」と説明しました。資金の運用方法についてはさらなる改革が進む見通しも示されました。

送配電のDX・人材不足、どう解決する?

関西電力送配電社長の白銀隆之氏(送配電網協議会会長)は、現場のデジタル化(DX)について次のように語りました。

  • AIやデジタルデータを活用して業務を効率化する必要がある
  • 重機の遠隔操作・無人運転など土木業界の技術を電力現場にも応用していく方向
  • 10〜20年後の労働人口減少を見据え、現場技術の高度化と魅力ある職場づくりが急務

また、投資インセンティブについては、現行の「レベニューキャップ」(企業が得られる収入の上限を国が設定する仕組み)では将来技術への投資が十分に認められていないとして、2028年から始まる次期レベニューキャップに向けて監督官庁と議論中とのことです。

系統蓄電池の可能性と課題

ENEOS Power副社長の香月有佐氏は、国内最大級の系統用蓄電池「室蘭蓄電所」の取り組みを紹介しました。

  • 昼間に太陽光発電の余剰電力を充電し、夕方に放電する「タイムシフト」を実施中
  • 課題は、蓄電池が充放電した電気の「再エネ由来かどうか」を追跡(トラッキング)できないこと
  • トラッキングができれば環境価値をつけた取引が広がり、蓄電池の収益構造が多様化できると期待

河合議員の問いに対し、香月氏は「そういった制度整備をぜひ検討してほしい」と求めました。

この質疑のポイント

電力自由化から約10年が経ち、新たな法改正で仕組みが追加される一方、送配電のDX投資を促すインセンティブの整備や、再エネと蓄電池をつなぐ環境価値の制度設計など、解決すべき課題がまだ残っていることが今回の質疑で浮き彫りになりました。