【全文】衆議院 内閣委員会 質疑/幹事長・高山聡史(2026年6月12日)の要約
高山聡史議員が衆議院内閣委員会でAIによるバイオセキュリティリスクと合成核酸スクリーニングの必要性について質疑をしました。
最先端のAIを悪用すれば、専門知識がなくても危険な生物兵器の設計ができてしまうかもしれない——そんな問題意識から、チームみらい幹事長の高山聡史議員が2026年6月12日、衆議院内閣委員会でAIとバイオセキュリティリスクについて質疑を行いました。
AIの技術が急速に進化するなかで、「生物兵器を造るハードルが大幅に下がるおそれがある」という懸念が国際的に広がっています。
- CBRNE(シーバーン)テロとは、化学(Chemical)・生物(Biological)・放射性物質(Radiological)・核(Nuclear)・爆発物(Explosive)を使ったテロのこと
- これまで一部の専門家しかできなかった「危険な核酸配列(DNAやRNAの設計)」が、AIの助けを借りると専門知識なしでも可能になる恐れがある
- Anthropic、OpenAI、Googleなど大手AI企業の首脳がアメリカ議会に対応を求めるほど、海外では危機感が高まっている
受託合成とは、研究者が「こういう塩基配列(DNAの設計図)を作って」と業者に注文すれば、任意のDNAやRNAを入手できるサービスのことです。これ自体は正当な研究に欠かせない技術ですが、悪用されれば危険な物質の入手につながる可能性があります。
だからこそ重要になるのが「スクリーニング(注文の審査)」——注文された配列が危険でないか、注文者が正当な研究者かを確認する仕組みです。アメリカやイギリスではすでにこうした枠組みの整備が進んでいます。
政府参考人(内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局統括官)の答弁によると:
- 現状、日本国内では合成核酸の受託合成に関するスクリーニングの規制はなく、実施状況の把握もできていない
- 所管省庁もまだ確定していない状態
高山議員は「AIの進化は速い。対応が間に合わなかったでは済まない」と迅速な対応を求めました。
全面規制はいきなり難しいとしても、まず着手できることとして、公的研究費(AMEDやJST、科研費など)を使って合成核酸を購入する場合、スクリーニングを行っている認定済みの業者を使うことを交付条件にするという提案が示されました。
アメリカでは連邦研究資金でこの仕組みの要件化が進んでいます。内閣府の担当者は「国内でも関係省庁・民間企業と意見交換を進めている」と答えました。
小野田紀美 経済安全保障担当大臣は「バイオエコノミー戦略に関する有識者会議を通じて、迅速に対応していきたい」と前向きな姿勢を示しました。高山議員は「年度内を目安に論点整理を進めてほしい」と期限を切った取り組みを要請して質疑を締めくくりました。
AIの進化とバイオリスクへの対応は、研究の健全な発展のためにも、国の安全のためにも欠かせない課題です。省庁横断での本格的な議論が急がれます。