【全文】衆議院 農林水産委員会 質疑/林拓海(2026年6月11日)の要約
林拓海議員が衆議院農林水産委員会で種苗法改正と農業品種の育成促進・海外流出防止について質疑をしました。
衆議院農林水産委員会で、チームみらいの林拓海議員が「重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案」と「種苗法の一部を改正する法律案」をテーマに参考人質疑を行いました。育種のスピードアップと、優良品種の海外流出防止が主要テーマです。
品種の開発から農家への普及まで10〜15年もかかります。たとえば富山県が開発中の「富山100号」(高温障害に強いお米の品種)は、交配の着手から導入判断まで10年を見込んでいます。
林議員は「気候変動が急速に進む中で、品種開発にこれほど時間がかかるのは問題では」と問いかけました。富山県農林水産総合技術センターの雄川洋子所長は、DNAマーカー選抜(遺伝子レベルで目的の性質を持つ個体を早期に選び出す技術)を使えば育種期間を短縮できるとし、農研機構(国立の農業研究機関)との連携強化が重要だと述べました。
新品種の育成・登録件数が減少傾向にあることが問題視されています。林議員は「権利保護期間の短さが原因とは限らないのでは?」と踏み込んで質問しました。
日本種苗協会会長の油木大樹氏によると、かつてはF1品種(2系統を交配した第一世代で模倣が難しい)を登録すれば保護できましたが、今は葉1枚・遺伝子1つからクローンが作れる時代になり、従来の保護方法が通じなくなっているとのこと。今回の法改正による育成者権の強化で状況は改善される見通しと述べました。
シャインマスカットのような日本の優良品種が無断で海外に持ち出される問題が起きています。今回の改正では「輸出差止め」の新設や、海外での権利行使をサポートする機関の創設が盛り込まれています。
雄川所長は「専門的な手続きを一括サポートしてくれる機関があると非常にありがたい」と評価。油木氏も、農水省が進める海外での品種登録の簡略化(各国での栽培履歴データ活用)を歓迎しました。
林議員は「大企業は自前で権利保護できるが、個人育種家や中小企業はどうか」と問いました。油木氏は、知的財産管理機関の新設により個人でも品種登録がしやすくなり、中小企業の海外権利保護も簡素化されると述べました。林議員は運用上の実効性を引き続き見ていく姿勢を示しました。
油木氏はゲノム編集技術について説明しました。
- 遺伝子組み換え:本来ない遺伝子を外から入れる技術(痕跡が残る)
- ゲノム編集:自然界でも起こり得る遺伝子変化を短時間で起こす技術(痕跡なし)
ゲノム編集を活用すれば、従来10年以上かかっていた育種が3〜4年で完了できる可能性があります。ただし消費者に両者の違いが広まっていないため、政府による普及啓発が重要だと述べました。林議員もゲノム編集の可能性と規制について知見を深め、引き続き取り組む意向を示しました。