【全文】衆議院 厚生労働委員会 質疑/政調会長・古川あおい(2026年6月10日)の要約
古川あおい議員が衆議院厚生労働委員会で、中東情勢による医療物資不足への対応と合成核酸スクリーニングの制度整備について質疑をしました。
チームみらいの古川あおい議員(政調会長)が2026年6月10日、衆議院厚生労働委員会で2つのテーマについて質疑を行いました。1つは中東情勢に伴う医療物資の供給問題、もう1つはAI技術の進展によって新たなリスクとなっている合成核酸(人工的に作られたDNAやRNA)の安全管理です。
中東情勢の悪化で、医療現場に欠かせない手袋や器具の原料となるナフサ(石油系の化学原料)の供給が滞っています。政府は5月18日から国の備蓄手袋(約5,000万枚)の放出を始めましたが、5月27日時点で放出対象の5,077機関のうち、実際に購入手続きをした医療機関は約23%(1,178機関)にとどまっています。
古川議員がその理由を質問したところ、厚労省は「手袋の要請から購入まで複数の手続きがあり、時間がかかることが一因」と説明。また「必要になる前に念のため要請した医療機関が、まだ購入を控えているケースもある」とも述べました。
古川議員は「急いでいる現場のために手続きのスピードアップや簡素化を」と求めました。
関係閣僚会議の資料には、気管切開チューブの部品や医薬品の容器キャップなど53品目が「解決済み」として分類されています。古川議員は「どんな検証をして解決済みと判断したのか」「実態を正確に反映しているのか」と疑問を呈しました。
厚労省は「当面の生産に必要な原材料が確保され、安定供給の見込みが立ったものを解決済みとしている」と回答。ただし「状況が変わった場合は再度相談を受け付け、必要な対応をする」とも述べました。
供給不安を感じた場合の相談窓口は、EMIS(救急医療に関する情報システム)とG-MIS(医療機関等情報支援システム)の2つです。
2つ目のテーマは、人工的に作られたDNAやRNA(合成核酸)の悪用リスクです。
AI技術の進化により、専門知識がなくても危険なウイルスの遺伝子配列を設計したり、DNA合成業者に注文したりすることが容易になりつつあります。実際に米国では、2004年にインフルエンザウイルス関連のDNA断片を38社に注文したところ36社が出荷した、という問題が議会に報告されました。注文者は偽名を使い、研究とは無関係の所属を名乗っていたにもかかわらずです。
2026年6月には、OpenAIやAnthropicなどのAI企業関係者やノーベル賞受賞者らが連名で、「合成核酸の注文段階で配列確認・顧客確認を義務化すべき」という公開書簡を発表しました。米国では法案提出の動きも出ています。
古川議員が「日本に合成核酸の悪用を防ぐ仕組みはあるか」と質問したところ、厚労省は「現行の感染症法では危険なウイルスの所持・輸入等は規制できるが、合成核酸そのものへの規制はなく、悪用を防止する仕組みはない」と認めました。
上野賢一郎厚生労働大臣も「感染症対策上のリスクになり得る」と認識を示し、「研究や受発注段階でどのような規制が考えられるか、厚生労働科学研究などを活用して検討していく」と答えました。
古川議員は「チームみらいとしても非常に重要な問題と捉えており、複数の省庁が関連するため、ほかの委員会でも引き続き質問していく」と述べました。