いまきたみらい
2026年6月10日·衆議院·委員会·内閣委員会

【全文】衆議院 内閣委員会 質疑/小林修平(2026年6月10日)の要約

小林修平議員が衆議院内閣委員会で宇宙産業の強化と打ち上げ能力向上について質疑をしました。

2026年6月10日、チームみらいの小林修平議員が衆議院内閣委員会で、宇宙産業の強化や打ち上げ能力の向上について政府に質問しました。「宇宙は次の大きな変化のうねり」と強調しながら、日本の現状への危機感を訴えた質疑の要旨です。

宇宙はなぜ今、重要なの?

小林議員は「インターネット→AI→次は宇宙」という大きな流れを示し、宇宙データセンターの可能性を具体的に説明しました。

  • AI社会を動かすには膨大な計算資源と電力が必要
  • 宇宙空間なら24時間、太陽光で発電しながら地球とリアルタイムに通信できる
  • アメリカのスペースX社はすでに最大100万機の衛星からなる軌道上データセンターの認可申請を行っている

重要なのは、衛星が飛ぶ軌道と電波帯域は有限で、先に確保した国が国際的に優先されるという点です。日本が打ち上げ能力を整えている間に、宇宙はどんどん埋まっていく——そんな危機感を議員は強く訴えました。

目標「年間30発」への大きな壁

政府は「2030年代前半までに年間30発程度の打ち上げを実現する」という目標を掲げています。しかし2025年の日本からの軌道投入実績はわずか3回。現状との大きなギャップに、小林議員は強い懸念を示しました。

小野田紀美内閣府大臣は「宇宙戦略基金の活用や政府調達の推進など、多角的に取り組む」と前向きな答弁をし、目標達成へのやる気を示しました。

許可手続きをもっとシンプルに

ロケットを打ち上げるには、複数の省庁にまたがる膨大な許認可手続きが必要です。事業者は「どこに何を申請すればいいかわからない」という状況で、本来は機体開発に充てるべき時間が書類作業に消えてしまっています。

小林議員はアメリカの「FAA Part 450(パート450)」という制度を紹介しました。複数の機体・射場の打ち上げを1本のライセンスでまとめて処理できる、国が一元管理する仕組みです。

議員の提案のポイント:

  • 内閣府の宇宙開発戦略推進事務局が司令塔となり、各省庁の手続きをワンストップで処理する
  • 事務局の人員・予算をさらに強化する(現状からさらに3倍を目標に)
  • 宇宙になじまない古い規制は思い切って見直す

政府側からは「令和8年度の事務局定員は令和6年度の3倍強に増員済み」との答弁があり、引き続き手続き改善を進めるとしました。

「宇宙港」構想とサプライチェーン育成

小林議員はさらに大胆な国家戦略を二つ提案しました。

場所の戦略(宇宙港エリアの整備): 日本は国土は狭いものの、東側に太平洋が広がるロケット打ち上げに絶好の立地です。陸・海・空にまたがる許可を包括的に処理し、事業者が打ち上げに専念できる「宇宙港エリア」を国家戦略として整備してはどうかという提案です。

産業の戦略(サプライチェーン育成): ロケットはあらゆる技術の集大成です。国内の部品・素材の供給網を育てるには、政府が需要をつくることが重要。「打ち上げ見込みが高い事業者に政府がまとめて発注を約束すれば、企業が安心して投資できるエコシステムが生まれる」と議員は主張しました。

大臣は「アンカーテナンシー(政府が計画的・長期的に調達する仕組み)の構築を検討中」と答え、関係省庁と連携して具体化を進める姿勢を示しました。

失敗を恐れない文化を

最後に小林議員は、日本が失敗に対して過度に厳しいことへの懸念を表明しました。スペースXが失敗しても拍手喝采を受けるような文化の醸成と広報活動を政府に期待すると述べ、質疑の翌々日(6月12日)に予定されていたH3ロケット6号機の打ち上げへの期待を添えて質疑を締めくくりました。