いまきたみらい
2026年6月16日·衆議院·委員会·農林水産委員会

【全文】衆議院 農林水産委員会 質疑/林拓海(2026年6月16日)の要約

林拓海議員が衆議院農林水産委員会で、高級かんきつ「紅プリンセス」の海外流出問題や種苗法改正について質疑をしました。

2026年6月16日、衆議院農林水産委員会でチームみらいの林拓海議員が「種二法」(種苗法の一部改正案と重要品種育成促進法案)について質疑を行いました。日本が長年かけて育てた農作物の品種が海外に流出する問題や、新品種の開発スピードを上げるための取り組みなど、農業の将来に関わる重要なテーマが話し合われました。

「紅プリンセス」が中国に流出?

林議員は冒頭、愛媛県が約20年かけて開発した高級かんきつ「紅プリンセス(愛媛果試第48号)」が、中国の通販サイトで販売されているという報道を取り上げました。

  • 農水省の調査によると、中国・韓国のインターネット販売サイトで日本の登録品種と同じ名称や類似した名称の種苗が約50種確認された
  • その中に「紅プリンセス」と類似した名称の苗木が含まれており、愛媛県にも情報が共有されている

林議員は「20年という月日をかけて育ててきたものが海外に流出してしまうことは、関わった方々の思いを考えると言葉にできない」と述べ、事態の深刻さを指摘しました。

農水省・愛媛県はどう対応するの?

農水省の参考人は、海外に品種が流出した場合の対策として次のような手順を説明しました。

  1. 海外での育成者権を取得する(育成した品種を外国でも守る「知的財産権」の一種)
  2. 無断栽培や販売の監視・調査を行う
  3. 違反が見つかった場合は現地の法律に基づいて法的措置をとる

「紅プリンセス」については、米国では品種登録が済んでおり、中国・韓国でも現在出願中とのことです。

鈴木農林水産大臣は「もし同じ品種であれば大変遺憾。なぜこういうことになったのか、愛媛県としっかり考えなければならない」と述べ、農水省から県へのプッシュ型支援(こちらから積極的に提案・連携していく方式)の重要性についても前向きな姿勢を示しました。

新品種の開発、なぜ時間がかかるの?

林議員は、新品種の開発に10〜20年もかかる現状を問題視し、期間短縮の可能性を質問しました。農水省によると、時間がかかる主な理由は次のとおりです。

  • 高温耐性や多収性(たくさん収穫できること)などの形質は多くの遺伝子が関わるため、交配の組み合わせが膨大になる
  • 目的の性質を安定させるには複数世代の増殖が必要
  • 実際の栽培地域で複数年にわたって確認する作業が欠かせない

大臣は、農研機構(国立の農業研究機関)が持つ最先端技術を都道府県でも使えるようにすると答えました。具体的には、DNAマーカー選抜(DNA情報を使って有望な株を早く見つける技術)、スマート育種支援システム(AIで最適な交配を予測)、高速世代促進(植物工場で育成サイクルを縮める)などの設備を共用し、専門家の派遣も行うとのことです。

中小の育種家を守る新機関が誕生

林議員は、個人育種家や中小の種苗会社が、複雑な海外での法的対応を自力でやるのは難しいのではないかと指摘しました。

これに対して大臣は、2026年8月までに「育成者権管理機関」を新設すると表明しました。

  • 大企業だけでなく、個人育種家や中小企業も含めて委託を受ける
  • 海外でのライセンス契約交渉や侵害対応を専門家がサポート
  • 農水省が予算を拠出して活動を後押しする

この機関ができることで、育成者が安心して品種開発に取り組め、次の品種開発への意欲につながる好循環が生まれることが期待されます。