【全文】衆議院 経済産業委員会 質疑/土橋章宏(2026年6月17日)の要約
土橋章宏議員が衆議院経済産業委員会でAI時代の電力需要増と原子力発電の再稼働について質疑をしました。
2026年6月17日、衆議院経済産業委員会で、チームみらいの土橋章宏議員が「電気事業法の一部を改正する法律案」に関連し、AI時代のエネルギー政策と原子力発電の再稼働について幅広く質疑を行いました。
AIを動かすデータセンターの増加により、日本の電力需要は2025年度から2035年度にかけて約5%(428億kWh)増加する見通しです。政府参考人は「省エネや光技術の進歩を見込んでいる」と説明しましたが、土橋議員は「他国と比べると上振れするのでは」と指摘し、臨機応変な対応を求めました。
現在の電源構成では火力発電が主力で、原子力の比率は約9.4%にとどまります。第7次エネルギー基本計画では2040年に再エネ4〜5割・原子力約2割を目指すとしています。土橋議員は「短期的には既存の原発の再稼働を優先し、長期的に再エネや核融合エネルギーに移行するべきでは」と提案しました。赤澤経済産業大臣は「原子力・再エネの両方を最大限活用する」と答え、特定の電源に過度に依存しないバランスの取れた方針を維持する意向を示しました。
現在、日本では原子炉22基が停止中です。再稼働が進まない理由として、規制委員会による安全審査の長期化や大規模な安全対策工事があります。また、浜岡原発(中部電力)でのデータ不正や、敦賀2号機での審査不合格など、信頼性を揺るがす問題も発生しました。
土橋議員は「事業者が自分でデータを作って提出する仕組みに問題がある」として、次の3点の制度化を提案しました。
- 第三者機関やAIによる検証の導入
- 生データ(加工前の元データ)の提出義務化
- 書き換えを検知できるデジタル記録の整備
政府は「IAEA(国際原子力機関)の基準上、一義的責任は事業者にある」という大原則は維持しつつ、データのトレーサビリティ(追跡可能性)強化と虚偽申請への罰則導入を検討していると回答しました。
安全審査を終えながらまだ稼働していない原発3基は、以下のスケジュールで工事完了が見込まれています。
- 東海第二発電所(日本原子力発電): 2026年12月に防潮堤工事完了予定
- 泊3号機(北海道電力): 2027年7〜8月に防潮堤工事完了予定
- 柏崎刈羽7号機(東京電力): 2029年8月に特重施設工事完了予定
土橋議員は「再稼働が進めば電気代が下がり、物価高対策にもなる」と強調。北海道・泊3号機の再稼働後には家庭向け電気料金が約11%値下げになる見通しとの例も挙げ、産業競争力向上への期待も示しました。
土橋議員は、電力を安定供給する原発の近くにデータセンターを立地する「コロケーション」という考え方のメリットを指摘しました。送電網の接続待ち(数年かかることも)を回避できること、地方の雇用や経済発展にもつながることから、政府もこうした産業集積を支援していく方針を示しました。このほか、次世代の太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池(薄くて曲げられる新型太陽電池で、中国が量産競争に乗り出している分野)への研究開発支援拡充や、研究者・官僚の給与水準向上についても質疑が行われました。