2026年6月17日·衆議院·委員会·経済産業委員会
【全文】衆議院 経済産業委員会 質疑/土橋章宏(2026年6月17日)の要約
会話形式(原文ベース)
- 土橋章宏チームみらいの土橋章宏です。本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。では、まず、AI時代の急激な電力需要増に対しての準備についてお伺いします。 世界的なAIデータセンターの急速な普及により、日本でも当初想定を上回る電力需要増が見込まれています。IEA、のEnergy andAIの試算では、2035年までに世界全体で日本一国分に相当する追加電力需要が生まれる可能性があるとされています。 今後、日本国内においてどれだけ電力需要が増していくのか、需給の見通しについて政府としての見解をお示しください。
- 村瀬 政府参考人お答え申し上げます。我が国では、において、一般事業者が提出する電力需要の想定を、今後10年間の全国大での電力需要見通しを毎年度公表しているところでございます。 2026年1月に公表された最新の需要想定によりますと、データセンター等の需要増加の影響を受け、我が国の電力需要は増加する見通しであると承知してございます。 具体的には、2025年度が約8,034億kWh、2035年度が約8,461億kWhとなっており、約428億kWh、約5%増加すると想定しているところでございます。 また、そのうち、データセンター等に関する需要は約568億kWh増加する見通しでありまして、人口減少や省エネなどの進展による需要減少をデータセンター等の需要増加が上回ると想定しているところでございます。
- 土橋章宏ごありがとうございます。この上昇がちょっと少ないかなというふうに思えるんですけれども、これは、半導体の省電力化や、光電融合、(、次世代通信基盤)、つまり電気信号を光信号に置き換える、通信高速化を見込んでいると承知しております。 これは他国と比較してもう少し需要が上振れするのではないかとも感じますので、今後、臨機応変に対応して電力を確保していただければと思います。 次に、全体についてお伺いします。 政府は、第7次において、2040年の目標について、再エネ4〜5割、原子力約2割を示していますが、今、フランスは電力の約7割が原子力であって、電力の輸出国となっています。安定電力を確保しているフランスに、日本のソフトバンクも最大14兆円を投じ、欧州最大規模の巨大なデータセンターを建設する計画を2026年5月に発表いたしました。 これは私もちょっと日本に造ってほしかったなとも思っているんですけれども、やはり日本はちょっと電力が足りないと申しますか、割と今のところメインが火力ですので、データセンターというのはやはりCO2が結構出てしまう施設ですので、そのデータセンターを火力発電で動かすと、やはりそういうCO2的にもちょっとよくないということだと思います。 一方、ドイツは、原発をやめて再エネ5割超を達成しているものの、火力を維持し、電力輸入に依存しています。 ドイツやフランスというのは、EUでの陸続きになっておりますので、供給し合うということもあるんですけれども、こういうところを見て、日本にも、原発なのか、それとも再エネなのか、二つの道があると思います。 また、第7次は2025年の2月にされており、AIの急発達やの情勢不安定はあまり見込まれていないと思います。産技法()の質問でも述べましたけれども、時代の急変に対してフレキシブルな対応が必要となってくると思います。 産業革命における蒸気機関やインターネットと並ぶAIの時代が到来していること、そして、中東で原油危機がまだくすぶっていることを踏まえ、特定電源に過度に依存しないバランスの取れたで本当によいのでしょうか。大臣にお伺いいたします。
- 赤澤亮正 経済産業大臣先ほど委員が原子力か再エネかというおっしゃり方をしたんですが、一応私どもがまとめた第7次では、もちろん安全性の確保と地域の理解は大前提で、両方とも最大限活用していくという方針を打ち出しております。 その上で、昨年2月にされた、まさに今申し上げた第7次では、ロシアによるウクライナ侵略やイスラエル、パレスチナ情勢の悪化、イスラエル・イラン間の軍事的緊張などを受けたの要請の高まりや、の普及拡大に伴うデータセンターの増加など、()、()や(グリーントランスフォーメーション)の進展による電力需要増加が見込まれることを踏まえ、必要なの確保に取り組む方針をお示しをしているところであります。 その上で、今般の中東情勢の緊迫化により、原油の中東依存度の高さや低いエネルギー自給率といったエネルギー政策上の課題を克服していくことの重要性が再認識されたということであります。 これらの構造的な課題を克服する観点からも、特定の電源や燃料源に過度に依存しないという基本的方向性の下で、のバランスを取ることにとどまらず、再エネや原子力といったに寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することにより、電力需要増への対応やエネルギー自給率の向上も同時に図ってまいりたいというふうに考えております。
- 土橋章宏ごありがとうございます。 時間軸で見ますと、ここ3年とか5年、短期的にどんどんAIの半導体とかデータセンターの建設が世界的に進んでいくかなと思いますので、短期的には再生エネルギーよりも安全を前提とした既設の原子力発電の再稼働を急ぐ方が有利ではないかなと私は思います。そして、10年後あたりからは新たな再エネやエネルギーなどに移行するなど、最大の電力を得るため、今ある施設を最大限活用しつつ、年ごとにバランスを変化させていくことも必要だと思います。 ちなみに、中国は、新たに原子力発電所を建設しつつ、太陽電池を万里の長城のごとく敷き詰めるという計画もあるそうです。中国の内モンゴルのクブチ砂漠に建設中の超巨大太陽光電池帯というものは、長さ400キロ、幅平均約5キロにわたって太陽光パネルを設置する計画で、完成時には年間1,800億kWhを約800キロメートル離れた北京へ送電する計画で、これは北京の年間電力消費量を大きく上回る数値です。どこまで信じられるかちょっと分からないんですけれども、そういったすごい、壮大な計画を立てております。 日本にはそこまではできませんので、狭い国土でいかに素早く大量の電力を得るかということが直近の努力目標ではないかなと思っております。たとえば、原子力発電以外にも、(〈〉実現に向けた実証実験)と言われるものもありまして、つまり、宇宙空間で高効率の太陽発電を行い、地上の大体6倍ぐらいの効率があって、しかも、天気に左右されないので蓄電池も要らないと。あとは、マイクロ波で地上に送電する技術さえうまくいけばそれもできるといったところでありますので、日本にマッチするような発電技術も注力していければいいのではないかと思っております。 次に、における原子力の位置づけについてお伺いいたします。 本法案は、と、による電力需要増を背景に、大規模な送電線と大規模電源の整備を促進し、電力の安定供給を確保するものと承知しております。 この法案は、供給力確保をうたっていますが、対象に原子力発電は含まれますでしょうか。よろしくお願いします。
- 久米 政府参考人お答え申し上げます。電力の安定供給の確保を図りつつ脱炭素化を推進していくためには、大規模なへの投資を集中的に進めていくことが重要だと考えております。そのため、本法案に、財政投融資を活用した貸付制度を盛り込み、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備を支援していくことといたしました。 具体的な融資対象については、特定の電源種のみを念頭に置いたものではありませんが、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備という観点で、たとえば、一定規模以上の原子力発電や洋上風力発電をはじめとした安定供給と脱炭素化の両立化に資する電源投資への貸付けを想定しており、こうした政策目的を達成する観点から今後詳細を検討してまいります。
- 土橋章宏ごありがとうございます。これは原子力発電も含まれると認識いたしました。 私は、原子力発電の再稼働がなぜ進まないのかなと前から非常に疑問に思っておりまして、その現状の問題点について今日は具体的に聞いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 それで、現在の原子力発電の比率なんですけれども、第7次では2040年に原子力約2割を目標にしておりますが、現在は何%ぐらい達成しておられるのでしょうか。
- 久米 政府参考人お答え申し上げます。 現時点で最新のデータである、令和6年度の総合エネルギー統計確報によりますと、発電電力量に占める原子力の割合は9.4%であります。
- 土橋章宏ごありがとうございます。これは、今ある原子力発電所が、フル稼働といいますか、かなり再稼働されれば達成される数字かと思いますが、やはり、再稼働が始まっていないということで、今は火力によるエネルギーにちょっと頼り過ぎている状態かと思います。 そこで、原子力発電所の再稼働遅延の要因についてお伺いいたします。現在停止中の原発の再稼働がかなり長引いていると思うんですが、遅れている理由は何でしょうか。
- 久米 政府参考人お答え申し上げます。一部の原子力発電所では、再稼働に時間を要しております。その背景には、による適合性審査への対応や、防潮堤工事をはじめとする大規模な安全対策工事などがあるものと承知しております。 いずれにいたしましても、がに適合すると認めた場合のみ、その判断を尊重し、地域のご理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針であります。
- 土橋章宏ごありがとうございます。これはさまざまな要因があると思うんですけれども、やはり一番は、日本は自然災害が多くて、地震や津波に対する安全対策は絶対にやらないといけない。過去の事故もありましたし、事故があれば巨大なダメージを負ってしまいますので、その安全は絶対確保しなければいけないということだと思います。 しかし、地震や津波以外にも、火災、対策、テロ対策、これはテロや飛行機が原発の上に墜落してきたときなどの対策ですけれども、こちらに対しても諸外国に比べてかなり安全基準が高くなっております。そのための審査や設備の工事が長くかかるということも日本特有の要因になっていると私は理解しております。また、人による手続きの点で難しい問題が残っていると考えます。 そこで、原発の安全審査の信頼性について伺います。 中部電力浜岡原発で、再稼働の前提となるの策定をめぐり、データの不正が発覚し、本年1月、が中部電力本店にに入りました。経営陣の関与の有無まで検証される事態でした。遡れば、日本原電敦賀2号機でも、地質データの無断書き換えで審査が二度中断し、発足以来初の不合格に至りました。 その根底には構造的な問題があると考えます。それは、再稼働で利益を得る事業者自身がやという最も重大な安全データを作成し、に提出するという立て付けです。これが続く限り、再稼働を急ぐ圧力がデータをゆがめるリスクは消えません。報道も、浜岡の不正の背景に、工期重視や再稼働を急ぐ現場への圧力があったのではないかと指摘しています。 もっとも、ヒューマンエラーは必ず起こるものです。いわばパワハラのような仕組みとか、自分の生活を守るために仕方なくといった側面があったから捏造してしまったかもしれなくて、誰しも好きで捏造しているのではないと思います。やはり、現場に人間がいる限り、これはこれからも起こり得るのではないでしょうか。 そこで、提案いたしますが、供給力確保を国が前面に立って進めるというなら、評価とという最重要項目だけでも事業者から切り離すべきではないでしょうか。すなわち、国または事業者から独立した第三者あるいはAIによる検証など、また、解析結果だけでなく生データの提出義務、書き換えを検知できるデジタルの記録、この3点を制度化することによって捏造は起こらないと考えられます。費用は事業者負担での委託とすれば、規制庁の体制を圧迫せずに実現できると思います。この最重要データの信頼性を事業者じゃなくて国が担保する仕組みを検討する意思はございますでしょうか。
- 大島 政府参考人お答え申し上げます。評価やなどの評価内容や結果が示されている申請書などにつきましては、安全確保に一義的責任を有する事業者が、適切な品質管理体制の下、妥当性および信頼性を確保したデータ等を用いて作成するべきものであるため、規制の枠組みとして、第三者による検証等は検討しておりません。 その上で、今回の中部電力の不正行為と同様の不正が起こりにくいような環境づくりや審査プロセスの改善に向けて、5月27日のにおきまして、制度面における対応の検討状況について報告をしたところでございます。具体的な検討といたしましては、今回不正行為がありましたに基づく地震動評価手法に係る評価プロセスを明確化すること、等の申請書類等に係る不正行為の抑止を目的といたしまして、申請書類等に係る虚偽に対する罰則の導入、また、重要な設計条件に係るを確保するための制度的な対応を検討しているところでございます。 としては、引き続き厳格な審査が行われるように対応してまいりたいと考えてございます。
- 土橋章宏この検査は()の検査に準拠しているからかなと思うんですけれども、事業者自体がやるよりも国とか第三者がやった方が余計信頼性があると考えられても、やはりそれは、ちょっとこれは通告にないのかもしれませんけれども、もうこれはこれで決まりだということなんでしょうか。
- 大島 政府参考人お答え申し上げます。繰り返しになりますけれども、まずは事業者がしっかりとした信頼性を確保したデータ等に基づいて申請をするべきであるというこの大前提は、国際的な基準でありますの基本原則でも一義的責任を事業者が負うということになっておりますので、その点については維持をしたいと考えております。 しかしながら、先ほどご指摘のように、生データでありますとか、しっかりと検証ができるように、こういう点につきましては、しっかりとを確保できるようにという中で検討させていただきたいというふうに思ってございます。
- 土橋章宏ごありがとうございました。この件に関しましては、もし第三者とか国が入りますとどっちの責任か分からないといった問題も発生すると聞いておりますので、すぐには変えられないのかもしれませんけれども、そういったとか、そういった罰則をつけるなどして、もしまだそれでも起こるようだったら、もう一度検討してもいいのかなと私は思います。 次に、再稼働審査について伺います。 現在、運転中の原子炉は11基、停止中が22基とされ、を得ながら再稼働に至っていない原子炉もあります。再稼働の遅れの一因として、適合性審査の長期化や、いつ終わるのかのの低さ、規制側の体制が指摘されています。たとえば、柏崎刈羽のは完成見通しが2029年、2031年とされるなど、工程の長期化が現実的に再稼働時期を左右しております。 一方、世界の重立った国々は、今、AI競争に乗り遅れないよう、原子力発電所建設を進めているところが多いです。そんな中、日本だけ、ブレーキがかかっている状態にも見えます。 先月から、エヌビディアのCEO、ジェンスン・ファン氏がアジアを歴訪していますが、台湾、韓国、中国を重点的に回った一方、日本には訪問がありませんでした。これをと言うのはちょっとうがち過ぎかもしれませんが、台湾や韓国ではAI工場や巨大データセンターの計画が次々出るのに、日本は電力や規制、投資の面でスピード感を出せていない感があります。 また、日米投資イニシアチブでは80兆円を投じますが、そのうち10兆円ほどを使ってアメリカに原子力発電を、これは小型のモジュール炉だと思いますけれども、10基造る案が浮上しているなど、日本のお金を使ってアメリカのAIを走らせようとしているかのごとくです。 日本でも、AIを動かすための電力の確保は急務です。世界最高レベルのAIとまではいかなくとも、(国家や組織が自国や自社のデータや技術を基に、独立して運用・管理するAIシステム)や(業界・業務特化型AI)は必ず必要になる技術だと思っております。 そこで、お伺いします。安全水準を維持した上で、審査の標準的な所要期間や進捗の見える化によるの向上や、の審査人員、体制の強化がなされているかなどをお聞かせください。
- 大島 政府参考人お答え申し上げます。では、審査状況の透明性を高めるため、原子力発電所の適合のためのに係る審査につきまして、審査項目ごとに進捗状況や残っている主な論点等を整理した審査進捗状況表を3か月に一度作成し、委員会に報告の上、公表しているところでございます。また、審査会合の最後に指摘事項を双方で確認するとともに、このような指摘事項を文書化するなどの取り組みを行っているところでございます。 さらに、審査・検査に当たる人材の確保、育成についてご質問がございました。これにつきましては、原子力の規制を着実に進める上で重要な課題であると認識しており、これまでもさまざまな取り組みを行ってきているところでございます。 具体的には、職員の能力向上を図るための任用資格制度の導入とこれに対応した職員向けの教育訓練の実施、審査、検査の即戦力となる経験者の積極的な採用、科学的、技術的知見が高く経験豊富な職員を継続的に雇用できる特例定年制度の導入に取り組んでいるところでございます。 といたしましては、引き続き、こうした取り組みを進めるとともに、審査の予見性の確保をし、また審査体制の充実強化を進めてまいりたいと考えてございます。
- 土橋章宏ごありがとうございます。の方でも、再稼働審査の迅速化に対して、足並みがそろっているといいますか、そういったことをやっていただけているということで、大変心強い思いです。 もう一つお伺いいたしますが、同型炉で得られた知見や審査結果のによる重複の排除といった、安全を犠牲にせずに審査を合理化、迅速化する取り組みの現状とか方針はどうなっていますでしょうか。 あわせて、もしあれば、諸外国が同等の安全水準を保ちつつ審査運用を効率化している例などから、運用面で何か学べる点はあるでしょうか。
- 大島 政府参考人お答え申し上げます。合理的な審査を進めるための審査プロセスの改善を図ることは、としても重要であると認識しており、事業者と改善点について意見交換をしながら、さまざまな取り組みを行っているところでございます。 具体的には、審査チームからの指摘が事業者に正確に理解されていることを確認する場を設け、必要に応じて文書化を行うこと、地質等に関する事業者の調査方針や実施内容をあらかじめ確認し、早い段階から指摘を行うこと、審査会合の主要な論点等を事前に書面で提示するといった取り組みを進めているところでございます。 また、許認可制度の見直しについても検討してございます。これにつきましては、、の、と言っておりますけれども、この指摘や、他国の審査プロセスの状況などを踏まえ、公開の場で事業者の意見も聞きながら、規制要求の水準を変えない前提で合理的なものとするための検討を進めているところでございます。この検討に当たっては、許認可を要する施設や活動の範囲に関しまして、安全上の重要度に応じた、いわゆるに基づく規制を一層進められるようにしていきたいというふうに考えてございます。 としては、引き続き、このような取り組みを通じて審査プロセスの改善を進めてまいりたいと考えてございます。
- 土橋章宏ごありがとうございます。 そのクオリティーを保った上で、審査の簡素化、透明化をさらに進めていただきたいと思います。やはり、そのガイドラインのようなものがあれば、みんな、事業者の方もやりやすいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 次に、再稼働による経済効果について伺います。 安全確保を大前提とした上で、再稼働は、燃料費の削減、電気料金の抑制、エネルギーの安全保障に資するものです。2025年の貿易統計、通関ベースでは、貿易収支は2兆6,507億円の赤字ですが、原子力発電が再稼働すれば、これが黒字に転換する可能性もあります。すなわち、日本の財政規律がよい方向に向かうということですから、円安抑制効果が見込まれ、それはひいては物価高対策にもなり得ます。 たとえば、消費税減税をするには財源を確保せねばならず、円安を促進する可能性も高いと思います。また、電気やガス料金を補助するためにはを組まねばならないこともあります。しかし、原子力発電所を、安全なやつだけですね、素早く再稼働すれば、電気代も安くなりまして、国の借金を減らすこともできます。つまり、早急な再稼働は物価高対策となり得ます。 実際、震災後に再稼働が進んだ西日本に比べて、東日本では、エリアによって電気料金が2、3割高い傾向にあります。また、北海道電力泊3号機では、再稼働後に家庭向け電気料金を約11%値下げする見通しを公表しています。再稼働が進めば、電気料金高騰を抑え、AIや半導体製造などの産業競争力の向上につながると考えられます。 そこで、大臣に伺います。安全の確保と立地地域の理解を絶対の前提とした上で、再稼働を電気料金、産業競争力、の観点からどう位置づけ、安全、地域理解、経済性のバランスをどのような指針で取っていかれるのか、見解をお伺いいたします。
- 赤澤亮正 経済産業大臣ご質問に答える前に、先ほど委員が、5,500億ドルの日米の投資イニシアチブ、(小型モジュール炉)を念頭に置いた原発ということで、あれを日本でやればいいのに何でアメリカというお話でしたけれども、やはり、新しい新型炉をやっていこうと思うと、たぶん、世界の中で日本で1号機を造ろうと思うと、地域の理解を得るとか、大変なあれになると思います。手間がかかるという言い方はあれですけれども、必要なことなのであれなんですが。 一方で、やはり、アメリカで先行している事例があって、それを追いかける形でやっていって、新型炉があちらでできれば、そういう意味では日本への導入も大分円滑化されるだろうとか、いろいろなことを考えてやっておりますので、ぜひご理解を賜りたいということは申し上げておきたいと思います。 その上で、エネルギーの安定供給は、あらためて申し上げるまでもなく、国家の生命線だと認識をしております。それを申し上げた上で、東京電力福島第一原子力発電所事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて原子力政策を進めていくことは、エネルギー政策の原点であります。 その上で、ややの進展により電力需要増加が見込まれる中、原子力をはじめの確保が国力を左右する状況です。原子力は、燃料価格の影響を受けにくく、の観点からも重要であり、最大限活用していく方針であります。 原子力の利用に当たっては、あらためて申し上げますけれども、安全性の確保と地域のご理解が大前提であり、他の観点が優先されることがあってはならないと考えます。がに適合すると認めた場合のみ、その判断を尊重し、地域のご理解を得ながら原子力発電所の再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針ですので、こうした方針の下で原子力政策を進めてまいりたいというふうに考えています。
- 土橋章宏ごありがとうございます。私は、データセンターを日本に造ってほしいと言いたかった形でして、新型炉はアメリカで造りますけれども、日本のお金でアメリカのAIを進めてしまうと、結局日本が競争力で負けてしまうんじゃないかなという懸念があるといった形です。ただ、JENESYS計画とか、一部共同で進めるという案もございますので、その辺りは、また引き続き注視していきたいなと思っております。 それで、一般人の感覚としては、やはり原発は怖いものです。しかし、十分な安全審査を経て再稼働すれば、電気代は下がって物価高対策にもなるので、なかなか難しいところだと思います。ここは、よくよく考えていかねばならないと思います。ここから数年は、日本がどう進んでいくか、大事な局面となると思いますので、国民が納得できるようなバランスを取っていただければなと思っております。 次に、安全審査を終えている発電所、3基について伺います。 これは、世界一厳しい安全検査を終えているのにまだ停止している。これを追加で動かすだけでもかなりの燃料費削減効果が見込まれますが、これについては大体いつまでに再稼働させるおつもりでしょうか。
- 久米 政府参考人お答え申し上げます。原子力発電所の再稼働時期については、による審査や安全対策工事の状況等によるため、一概にお示しすることは困難でございますけれども、を取得したものの再稼働していない3基の原子力発電所については、いずれも、現在、必要な安全対策工事を行っているものと承知しております。 具体的に申し上げますと、日本原子力発電東海第二発電所は、2026年12月の防潮堤工事完了、北海道電力泊3号機は、2027年7月から8月の防潮堤工事完了、東京電力柏崎刈羽原子力発電所7号機は、2029年8月の工事完了を目指して取り組んでいるものと認識しております。 各事業者には、引き続き、の指導の下、安全最優先で着実に工事を進めていただきたいと考えております。
- 土橋章宏ごありがとうございます。2、3年のうちにちょっと電気代が安くなるのかなというような希望のある発言、ありがとうございました。 次に、データセンターと原子力発電の共存活用について伺います。 先日、データセンター関連のデータセンターサミット、インターロップ東京2026というのを視察しましたが、データセンターは強力な電力を必要とすることが分かりました。もちろん、データセンターと原子力発電所とはいろいろ共通点がありまして、冷却水が必要であるとか、非常用電源を幾つも必要とするとか、そういった共通点もあるなと分かって、いろいろシンクロしているなと思いました。 そこで、既存の原子力発電所の近傍にデータセンターを立地させて、安定電源を効率的に供給するといったような、電源近接型の立地を促す施策はありますでしょうか。
- 久米 政府参考人お答え申し上げます。原子力発電などの立地には偏在性がある中で、需要を供給に近づけるという発想で、電源の立地地域への産業集積を進め、電力システム全体の効率と地域へのを高めることにより、脱炭素電力の供給増につなげていくという好循環を生み出していくことが重要だと考えております。 また、にとっても、データセンター等の電力の大規模を中心に、長期的かつ安定的な確保の観点から、原子力発電に対する期待が高まっていると承知しております。 こうした状況を踏まえまして、地域に立地し、当該を利用するの設備投資を支援するということにしておりまして、ご指摘のデータセンターを含め、電源立地地域への産業集積を促進してまいります。
- 土橋章宏ごありがとうございます。こういった、近接に建てる試みをと言うそうですが、二つのメリットがありまして、一つ目は、AIに必要な、先ほどごいただいたんですけれども、大量、安定、脱炭素の電力をすぐ確保できること、二つ目は、混雑している送電網への接続待ち行列、これは数年かかるんですけれども、これを回避できることがあります。しかし、新設の原発は時間もコストもかかりますし、日本でもまだしばらくはどうなるか分かりませんので、既設の原発から直接引くのが最速の道として注目されています。 また、データセンターからユーザーに対しては、光電融合技術、先ほど申しましたで高速通信を図ることができそうです。さらに、立地に苦労するデータセンターを原子力発電の近くに置けば、その地方の雇用や経済の発展も見込まれます。原子力発電を置いてもらっているところにメリットをたくさんつくっていくことも重要だと考えます。 次に、再稼働における地元同意について伺います。 再稼働には地元の同意が不可欠ですが、事業者と自治体の個別交渉任せになっている側面があります。しかし、地元同意は法律上の要件ではなく、慣行にすぎません。通例は立地県の知事と立地市町村の同意を得る形ですが、誰がどの手続きでいつ同意を確認するかのルールがなく、結果として事業者と自治体の個別交渉任せになっています。 しかし、泊3号機のケースでは、後、経産大臣が公文書だけではなく道知事と四町村に電話で理解を要請し、知事、村長、町長が順次同意という属人的個別折衝型のプロセスを経ました。国が前面に立つというなら、このプロセスを制度化するべきじゃないでしょうか。
- 久米 政府参考人お答え申し上げます。原子力発電所の再稼働に際して、立地自治体の同意はご指摘のとおり法令上の要件とはなっておりませんが、政府としては、立地自治体等関係者の理解と協力を得ることが大前提であるというふうに考えております。 その手続きを制度化するべきであるとの委員のご指摘につきまして、各地域の事情はさまざまであることから、国が一方的、一律に進め方を決めるのではなく、地域ごとにその実情を踏まえながら丁寧に対応することが必要であると考えております。 政府といたしましては、それぞれの地域の実情を十分に踏まえながら、立地自治体等関係者のご理解を得られるよう、国が前面に立ち、原子力の安全性や必要性について丁寧な説明を尽くし、幅広い理解を得られるよう粘り強く取り組んでまいります。
- 土橋章宏ごありがとうございます。次に、ちょっと話が変わりまして、研究者、官僚の処遇改善と給与水準について伺います。 本法案についていろいろヒアリングや視察を続けるうちに、研究者や省庁の方が高給でどうもヘッドハンティングされているような事例を見かけました。盛んにいろいろなところで人材不足と言われていますけれども、これは実際には給料不足ではないのかなと私は思うわけですが、国際競争力を維持するために研究者や官僚に必要十分な報酬水準はどの程度でしょうか。研究者や官僚の給料を大幅に上げ、ひいては民間の賃上げにもつなげるべきだと思いますが、そういうお考えはありますでしょうか。
- 俵 政府参考人お答え申し上げます。我が国の研究力の強化に向けては、科学技術を担う研究者に対し、その処遇改善を図ることが重要であると考えています。しかしながら、若手研究者の任期なしポストの減少など、近年研究者を取り巻く環境は厳しい状況にあると認識をしています。 委員からご指摘のありました大学の研究者の給与水準については、各大学においてそれぞれの給与規程等で定められるものですが、たとえば、令和6年度の国立大学法人等の大学教員の平均年間給与は約925万円となっています。 他方で、国際的な人材獲得競争は激しさを増しており、本年3月にされた第7期においては、研究者の処遇、待遇の充実を進めるとともに、その際、民間企業や対外研究機関と比較をして魅力的なものとなるよう留意して進めるといった内容が盛り込まれたところです。 これらを踏まえ、文部科学省においては、たとえば大学における安定した雇用ポストの確保の処遇向上に資する基盤的経費の確保、国立大学法人の配分における人事給与マネジメント改革の実施状況の活用、や、DCなどの博士後期課程学生への経済的支援の充実強化などの取り組みを進めており、引き続き、大学における研究者の処遇改善を図るとともに、研究環境の充実に向けてさまざまな施策を総合的に推進してまいりたいと考えています。
- 植村 政府参考人国家公務員の給与についてお答え申し上げます。 今日の民間との厳しい人材獲得競争を踏まえて、は、昨年、官民給与の比較を行う民間企業の規模を、従前の50人以上から100人以上に引き上げるなどの見直しを行いました。これにより、研究職俸給表が適用される職員も含め、全体に対して、例年を大きく上回る俸給や諸手当の改善を行ったところでございます。 このほか、本年の4月には、職務・職責に見合った処遇を一層推進するため、昇格前の級に一定期間在級することを求める在級期間に関する制度というのがございましたが、これを廃止いたしました。これにより、毎年の適正な人事評価に基づき、高い能力、実績のある人材が抜てき、登用をされ、より職務・職責に見合った給与を支給することが可能となってございます。 引き続き、国家公務員への優秀な人材の獲得、()のため、給与面においても必要な取り組みを進めてまいります。
- 土橋章宏ごありがとうございました。次に、の研究開発支援拡充についてお伺いいたします。 先日、産総研の再生可能エネルギー研究センターを視察しまして、の研究開発に取り組む研究チームの皆さんと意見交換をしました。研究現場では、導電ガラス状に均一な膜を形成する量産技術の難しさや、耐用年数向上への取り組みが続いていました。 私自身も昔、日立製作所で、酸化チタンの膜をガラス基板に蒸着するとかそういったことをやっておりましたので、オタク同士でかなり盛り上がったんですけれども、その中で研究者の方々が話されていたのは、研究開発には予見性が必要であり、単年度予算では長期的な研究計画が立てられないという点で、の採択により10年間の安定的な資金援助が受けられることを大変ありがたいと評価されつつ、国には初期事業化への一層の支援を期待したいという声も伺いました。 一方で、日本が技術的に先行してきたの分野では、中国企業が2026年中に量産販売を開始する見通しであるなど、量産化、事業化において国際競争が激化しています。今回のにおいても、の設計基準整備など、のに向けた制度整備が含まれており、技術開発と制度準備を車の両輪として進めていくことが不可欠と考えます。 における次世代型太陽電池開発の予算上限は1,051億円と定められていますが、この国際競争の激化と現場からの声を踏まえると、初期事業化段階への集中投資を含めた研究開発予算のさらなる拡充は急務と考えます。 日本の国際競争力を守るため、の初期事業化支援強化策、つまり官公庁が率先しての実証フィールドを展開していくなどのお考えはありますでしょうか。
- 赤澤亮正 経済産業大臣先ほどちょっと聞き違えたようなので。ということでなければ、データセンターだと集積型を今戦略地域でやっていて、委員ご案内の、4月に有望地域を選んだばかりで、かなり、夏頃には決まって、やっていこうと思っていますので、その点も応援をよろしくお願いをしたいと思います。 ご指摘のとおり、新たな技術のを進める上で、初期段階から政府が率先して需要を牽引することは極めて重要だと思っています。 経済産業省としては、を活用し、自衛隊施設といった政府施設、自治体の公共施設、道路、空港といったインフラ空間での実証やを積極的に進めるべく、関係省庁と連携を進めているところでございます。 また、自治体や民間企業における初期需要創出についても、環境省と連携をして、導入補助を昨年度からすでに開始をしております。 引き続き、官民が一体となって、需要創出をするなど、導入を推進してまいりたいというふうに考えています。
- 土橋章宏ごありがとうございます。これはやはり、開発しても売れないことにはなかなか利益になりませんので、まずはそういった官公庁などで率先して初期ロットを使っていただいて、実験もしていただいて、どんどん広めていっていただければと思います。 これで質問を終わります。ありがとうございました。