2026年7月8日·参議院·委員会·デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会
【全文】参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会 質疑/党首・安野貴博(2026年7月8日の要約
会話形式(原文ベース)
- 安野貴博チームみらいの安野貴博でございます。本日は、AIについて3点大きくお伺いしたいと思います。 まず一つ目が、AIによる雇用の代替、いわゆる「」の実態把握についてでございます。 諸外国では、知的労働を中心に、AIによる代替が進んでいる可能性が指摘され始めております。とりわけ、新卒など若年層の雇用へ影響が顕著なようでございます。 たとえば、スタンフォード大学の2025年の研究では、最もAIによる影響を受けやすい職種としてセンターやソフトウェア開発者などが挙げられています。こちら、実際にアメリカでは、その影響を受けやすい当該領域における22歳から25歳、比較的若手の雇用なんですけれども、これが、ChatGPTが2022年に出てから3年間の間で、ほかの職種と比べても相対的に約16%減少しているというような分析がございます。 こういったいわゆるは、アメリカだけではなく、近い将来、日本でも増えてくる可能性がございます。実際、私も大学生の方と話すと、かなり正直危機感持っている学生が、特に情報系の学生なんかは多くて、“”という単語がありまして、されるということなんですけれども、かなり、自分がんじゃないかということは、もう本当に当事者の感覚として持たれているようです。 これ、政府が、継続的にAIによる労働需給の変化を捉える統計であるとか指標を持って、あるいはといった政策的対応をしっかりとタイムリーに行えるようにすること非常に重要だと思いますし、もし本当に、大幅にのであれば、それを早めに確認できる、兆候をつかんでおくということ必要だと思います。 そこで、厚生労働省に伺います。 現在、政府として、AIが国内の雇用に与える影響を、どの統計調査で、どういった粒度感、時間軸で把握をしておられるのでしょうか。 もし把握が十分でないのであれば、特にAIの影響が大きいと考えられる職種を中心に集中的、継続的にする体制の構築を進めていただければと思いますが、いかがでしょうか。
- 古舘哲生 政府参考人(厚生労働省)お答え申し上げます。 ご指摘をいただきましたアメリカのですとかなど国際機関のレポートにおきまして、などの普及に伴う若年層への雇用影響やその懸念が指摘されていることは承知をいたしております。 一方、我が国におきます若年失業率や大学等卒業者の就職率、情報通信業の雇用者数など、の登場以降の統計の動向を踏まえますと、我が国の雇用動向全般といたしましては、若年層を含め、現時点で大きな影響は生じていないものと考えております。 今後、業種別ですとか職種別にどのような影響が生じ得るかなど、さまざまな観点からAIの影響を継続的に把握をしていくことは重要であるというふうに考えておりまして、昨年されましたに沿って、関係省庁とも緊密に連携を図りながら、AIの進展に伴う雇用への影響につきまして継続的かつ丁寧に調査分析に努めてまいりたいというふうに考えております。
- 安野貴博お答えいただき、ありがとうございます。現時点で若年層の失業率は余り変化ないということですが、これ、AIの進化のスピードも非常に速いので、これ、まだ今年はなかったとしても、来年突然始まるかもしれない、そういう性質のものだと思いますので、今ごいただいたとおり、ぜひ継続的に体制構築していただければと思います。 続きまして、AIの供給に関するリスクについての対応についてお伺いいたします。先ほど郡山委員からも物理レイヤーのリスクの話がありましたが、私からはモデルのレイヤーの話ができればと思います。 先月、米国政府は、のフロンティアAIモデルであるとを輸出規制の対象に指定しました。これを受けて、同社は両モデルの提供を世界中で、全世界で一時停止をしたと。規制の解除を受けて、7月1日にの提供は再開されておりますが、この事実は、フロンティアAIというものが石油であるとか半導体と同じように一国の輸出政策一つで供給絶たれ得るような上の戦略物資になったということだと理解しております。この海外モデルへの過度な依存をしてしまうと安全保障上のにつながりかねないという事実を我々は真剣に受け止めなければならないと思います。 諸外国、こういったリスクに備えて動き出し始めている国もございまして、たとえばEUでは、総額3兆7,000億円を投下し、を整備する計画、これデータセンター含めてですが、こういった計画を打ち出していますし、インド政府も、国の計画の下、すでに38,000基を超えるをや研究機関が利用できるようにしております。いずれも、国産モデルと自国のを対外依存に対して備えるということとセットで国家戦略に位置付けている点が共通しております。 そこで、小野田大臣に伺います。 今回のような事態に備えるため、国産の開発促進、そしてやデータセンターといった、自国のの早急な確保が必要だと考えます。現在の国産開発促進や国内の確保、こういったものが今回のような上のリスクに十分対応できるようなものになっているかどうか、今後の見直し、取り組みの方針、併せてお示しいただければと思います。
- 小野田紀美 内閣府特命担当大臣AI、今後の経済社会の発展を支える基盤技術でございまして、国家主権や安全保障の観点からも、わが国として自律性、不可欠性を確保することが極めて重要です。 こうした観点から、近く改定予定のにおいては、AI全体の中で、およびを確保し、開かれたを確立することをしっかりと位置付けます。特に、行政やなどの戦略領域においては、からアプリまでのAI全体の自律性を強化して、と運用能力を確保していくこととし、それに向けた取り組みを強化してまいります。 具体的には、我が国独自にの研究開発を進めるとともに、地域との共生にも配慮したデータセンターの整備、そして、それに必要な安定的な電力供給の確保なども行ってまいります。 AI技術が急速な進展を見せる現状も踏まえつつ、これらの取り組みについては不断の見直しを行いながら、関係省庁と連携の上、着実に進めてまいりたいと考えます。
- 安野貴博ごいただき、ありがとうございます。の自律性、しっかり確保していくとお答えいただいたのは大変意義深いと思っておりまして、重要な戦略領域では、たとえAIモデルの供給が遮断されたとしても、業務やサービス提供を継続できる環境を整備していくということだと理解いたしました。 ぜひ、国産と国内のをしっかり確保するという形で計画に位置付けていただければと思います。 あわせて、デジタル庁にお伺いいたします。 海外モデルの供給停止により、「」などの行政が利用するAIや重要サービスが止まると社会に深刻な影響を及ぼしかねないと考えます。国産AIモデルを含めたの利用など、行政業務やサービス提供を止めないための継続計画をお示しください。
- 蓮井智哉 政府参考人(デジタル庁)お答え申し上げます。ご指摘のとおり、の「」は、政府職員が担う行政業務の質の向上ですとか省力化を実現するための重要な基盤でございまして、の供給の途絶ですとか遅延が発生した場合も想定をし、利用の継続は可能となるようあらかじめ備えておくことが不可欠であると認識してございます。 「」では現在複数の海外製のを使用しておりますが、デジタル庁といたしましては、国産モデルについても積極的に活用していく方針でございます。すでに国内5社との間で今年度に実施する評価検証に関する契約を締結してございまして、この5社が開発をしたを「」で試験的に利用し、能力の評価検証を実施することとしてございます。 さらに、特定の事業者の障害や撤退等の事態に備えた代替モデルの切り替えの可能性を確保するため、国内外の複数のをタスクに応じて選択、協調、評価することにより、モデルの評価、選択を我が国が自律的に行える方策を検討してまいります。 デジタル庁といたしましては、これらの取り組みを通じまして、不測の事態に備え、特定の事業者のモデルに依存せず、常に代替可能性を確保するとともに、AIに関する日本の自律性確保を実現してまいりたいと考えてございます。
- 安野貴博ごいただき、ありがとうございます。海外のモデルが使えなくなったとしても、国内モデルに切り替えて継続できるという設計は極めて重要なことだと思います。 続きまして、3つ目の質問に移ります。行政の利用料との予算確保について伺います。 先ほど郡山委員からも質問ありましたけれども、の「」、省庁の18万人に提供が開始されたと伺っておりまして、これは大変すばらしい取り組みだと私は思っております。 一方で、AIの利用料、いわゆるであるとかというものを、こちらのところがありまして、のところがありまして、利用が本格化すればするほど費用が伸びていくという構造でございます。 特に、省庁の一部で導入が進むと伺っておりますは、モデルの内部で何度も何度も思考してツールを呼び出すたびに消費しますので、従来の使い方に比べると消費量というのはかなり桁違いに多くなっていくと思います。 これ、別に一部のエンジニアの方だけがこういったを使うわけでもないと思っておりまして、先日、私の事務所でも国会議員の方向けの勉強会というのをやらせていただいたんですが、今、ソフトウェアエンジニアのプログラミングのことが分かっていなくても、こういったを使いながら、たとえばを作ったり、()のHTMLを作ったりであるとか、自分たちの業務遂行に必要なアプリケーションを作っていくということが当たり前に行われていくようになるであろうと思っておりまして、そういった意味で、こういった、かなり広い省庁の職員の方が使う可能性というのはある、想定しなければならないと思っております。 各府省がこれ十分な予算を確保できなければ、現場が安価で低性能なモデルを使わざるを得ない、あるいはモデルを使えないということになってしまって、実質、このAIの活用そのものが定着する前に止まってしまう、あるいは不十分なものになってしまいかねないと思います。だからこそ、足下の利用料だけを見るのではなくて、利用が本格化していったり、あるいはが普及していったときの需要というものをあらかじめ見据えた上で必要な予算を確保すべきだと考えます。 そこで、とデジタル庁に伺います。 現時点で、政府、行政、AI関連予算の全体像と各AIへの配分、把握されておりますでしょうか。また、今後の行政におけるAI需要の見通しと予算の獲得方針についてお伺いさせてください。
- 恒藤晃 政府参考人(内閣府)昨年12月に策定しました現行のに基づいて、わが国でのAI利活用を促進するため、の観点から、まず、政府自らが積極的かつ先導的にAIを利活用するという取り組みを政府全体で進めているところでございます。 具体的には、先ほどもございました「」の推進のほか、防衛力の抜本的強化や警察活動の高度化など、各省庁においてAIの利活用を進めているところでございます。と申しましたが、各省庁のAI関係の調達額等の詳細について内閣としては把握をしていないところでございます。 としては、各府省庁がに基づいてAIの利活用を推進していくよう、引き続きフォローをしてまいる所存でございます。
- 蓮井智哉 政府参考人(デジタル庁)今からもごございましたけれども、デジタル庁におきましても政府全体の行政AI関連予算を網羅的に把握しているということではございませんが、デジタル庁では、先ほどご指摘いただいた「」を通じまして、政府内AIの利活用を推進してございます。 この取り組みを進めるに当たりまして、「」の実装に係る経費、運用に要する経費、それぞれ両面において予算の確保が必要になってございます。まず、「」の実装に要する経費といたしましては、「」上で展開するAIアプリケーションの開発費やAIを通じて正確な情報を活用できるようにするための大規模データの調達費といったものがこれ該当するものでございますのと、他方、「」の運用に要する経費としましては、上に「」の基盤を維持するためのクラウドの利用料ですとか、の利用に伴い、ご指摘ありましたで発生するの利用料、あるいはシステム全体の保守運用費などが掲げられてございます。 政府職員によるこのAI利用を着実に定着させるためにはこうした経費に係る予算を適切に確保することが重要だと認識してございまして、同時に、AI利用による業務の効率化や質の向上といった効果につきましても具体的にお示しできるように、今年度の「」の事業を通じて、その評価、把握を着実に進めてまいりたいと考えてございます。 いずれにしましても、限られた予算を有効に活用する観点から、AI利用の投資対効果を明確にお示しできるようにしつつ、財政当局の理解も得ながら、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。