2026年3月10日·衆議院·委員会·文部科学委員会
高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案についての要約
会話形式(原文ベース)
- 河合道雄チームみらいの河合道雄です。本日は、の支給に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。 本法律案では、経済的な状況にかかわらず、自らの希望に応じた教育を受けることができる環境の整備という目的規定の見直しが含まれておりますが、この目的については、一人ひとりが自分に合った学びを実現するという方向性と重なるものもありまして、私はこれを評価しております。 一方で、公費の投入が大幅に拡大される以上、制度の実効性や透明性、そして、利用者である生徒等または家庭、保護者等の利便性を高め、安心して進学先を選べるような配慮の必要性や責任も同時に生じるかと思います。上記を踏まえ、本日は5点に分けてお伺いしたいと思います。 まず、本政策の検証についてお伺いをいたします。チームみらいの峰島議員が、において松本大臣に、の(Evidence-Based Policy Making)、すなわち、証拠、根拠に基づく政策評価の重要性について質問をさせていただきました。その際、大臣から、「具体的な検証方法は今後検討し、速やかに検証を開始したいと」いうごをいただきました。 本日何度も触れられておりますように、本制度は、今年2月に公表されました、いわゆるにまとめられた高等学校等の改革へ向けた重要な一歩であるという位置づけもあるかと存じます。その観点から見れば、本政策でどのような変化が起きたか、それが政策的な意図に照らした場合にどう評価されるべきかを見定めることはとても重要なことだと考えております。 こうした議論を踏まえて、大臣にお伺いさせていただきます。改正案の附則第5条では、法施行後3年以内の検討規定を定めておりますが、どのように検討項目を決めていくお考えか、そして、その際にはどのような観点が含まれるべきとお考えか、現時点でのお考えをぜひお聞かせいただければと思います。
- 松本文部科学大臣新たな制度につきましては、昨年10月の三党合意も踏まえまして、法案の附則第5条に基づきまして、法律の施行後3年以内に検討を行うこととしております。文部科学省といたしましては、制度の運用状況などのデータを収集、分析しながら検証を進めていきたい、そのように考えているところであります。 現時点では、今後の社会情勢や、国民の皆さまからのさまざまなご意見、新たな制度の実施状況、先行自治体の取り組みの状況など、また、たとえば、収入要件や支給のあり方、公立高校への影響など、高校教育改革の進捗状況という観点が考えられます。 また、先ほど、午前中は山崎(正恭)委員からのご質問の中で、高校の教育の質というものをどう評価をしていくのかというお話もありましたけれども、こうしたさまざまな点というものを、本法律をお認めいただき、制度がスタートをした暁には、そうしたさまざまな観点からデータを収集、分析をして、検証を進めさせていただきたいと思います。 いずれにいたしましても、具体的な内容については、大変恐縮ではありますけれども、今後検討してまいりたいと存じます。
- 河合道雄ごありがとうございます。こういった制度には予期せざる帰結も多々あると思いますので、継続的なデータのと検討を続けていただき、ぜひ、教育分野からを力強く推進いただきたいと思います。 続きまして、今、大臣のごにもありましたデータの公開についてお伺いをいたします。 今回の改正により私立学校への支援の上限が広がることで、私立学校も含めて、公費投入の規模が大きく拡大されます。公費による補助が拡大されるのであれば、その使途や教育成果の透明性に対する説明責任も増していくと考えられます。午前中の委員会の中では、便乗値上げについての議論の文脈で、三党合意の中で、授業料等学納金をインターネット上で一元的に公開するという議論があったこと、これにも触れられておりました。 英国、米国、韓国などの諸外国では、政府や地方自治体主導で、学校情報を比較可能な形でオープンに公開する仕組みがありまして、高校についての情報を比較することができます。このように、一元化した情報公開の取り組みは、自らの希望に応じた教育を受けることのできるような環境の整備という観点から見ると、これもまた重要なことだと考えられるかなと思います。 たとえば現在、進学先の検討などでインターネットで皆さんが高校を検索されますと、偏差値ですとか口コミを基にしたポータルサイト、複数ご覧いただくことがあるんじゃないかなと思います。こういったものの価値も非常にあると思いながらも、同時に、やはり偏差値などを基準にした学校選びが非常に強い尺度として世間に発信されるような側面もあるのではないかと、個人的には懸念をしているところでもございます。 大臣にお伺いをいたします。高校教育改革に関するにあるような、「生徒の学びの成果や課題を把握し、その結果等を学校の教育活動の改善に生かすとともに、公表する仕組みの構築が必要である。」という記載を踏まえ、高等学校等の情報公開の重要性についてどのようにご認識されていらっしゃるでしょうか。また、その仕組みを検討するに当たり、どのように進めていくお考えか、お聞かせいただければと思います。
- 松本文部科学大臣中学生やその保護者による高校の選択や、高校の教育活動に対する理解促進の観点から、積極的な情報公開を図るということは大変重要なことであると考えております。 また、ご案内いただきましたように、で示しております通り、各高校においては、学校をより魅力ある場にするため、校長のリーダーシップのもと、に基づく学校運営や教育活動の具体化を図り、学校評価等の活用によるを徹底する、そういう必要があると考えているところであります。 それぞれの学校のやはり特色また強み、いろいろな観点で、その学校がどういうことを大事にしているのか、また実際にどういう教育が行われているのかということを、よりこどもたちや保護者の皆さんにわかりやすく伝えていって、その進路選択の糧にしていただく、基本にしていただくということは極めて重要な事柄であると思っております。そういう意味におきましても、各学校において、そうした充実した情報発信というものを我々としては促していかなければいけないと考えているところであります。また、それらを中学生やその保護者の皆さんに極力見やすいような形で、伝えやすいような形でより理解をしてもらった上で、より深い理解のもとに進路選択をしていただくことができるように、我々としても努力をしてまいりたいと思います。
- 河合道雄ごいただきましてありがとうございます。非常に重要性の認識を共有できたところをうれしく感じております。こういった情報公開は学校側への負担にならないということも重要な観点かと思いますので、政策調査、検証の文脈と併せながらデータの開示が進められたりですとか、一元的な公開が進むというような座組に進むことも期待させていただきます。 続きまして、高等学校等でのの推進についてお伺いをいたします。今回のの所得制限の撤廃により、より幅広い生徒が私立、公立を問わず高校を選ぶことになります。現在、特別支援学級、中学校ですね、こちらの在籍者の約58%が高等学校等に進学しているというデータもあり、この層にとって、どの学校を選んでもが適切に受けられるかという観点は、高校教育の無償化と併せて考えなければならない重要な論点です。 一人ひとりに合わせた学びの実現においても、経済的な観点での機会平等だけではなく、学び方についても自分の希望に合った学校を選んでいくことが重要です。発達障害のあるお子さまがいらっしゃる保護者様のお悩みをお伺いすると、やはり高校進学についてのお悩みは非常によくお伺いすることがありました。 より生徒の自立が求められる高校教育においてうまくやっていけるのかというご不安、そして、以前、中学校、小学校となかなか学校になじめなかったお子さんにおかれましては、新しい学校生活の中で、さらなるある種の失敗体験といいますか、つらい経験が積み重ならないようにするにはどうしたらいいかというご不安、あるいは、中学校等ではうまくいっていたとしても、何とかつくり上げてきたご友人ですとか学校の先生との信頼関係をあらためて築いていかなければいけないということに対するご不安、こういった不安なことは尽きないと思います。その不安を少しでも解消していくためには、高等学校等でのについても、より一層の周知と徹底が図られていくべきだ、図っていっていただきたいと強く願っております。 まず、大臣にお伺いいたします。高等学校等におけるの重要性をどのように認識されているか、ぜひご見解をお聞かせください。
- 松本文部科学大臣を受ける児童生徒が増加をする中、高等学校においてものいっそうの充実を図ることが重要であると認識をしております。に基づきまして、令和6年4月から、国公私立のすべての学校においての提供が求められているところであります。令和6年までは私立に関しましてはだったものから、義務へと変わったということであります。 これを受けまして、文部科学省から、実施に伴う負担が過重でないときは必要かつ合理的な配慮を提供しなければならない旨を令和6年1月に都道府県教育委員会等に通知するなど、周知を行っているところであります。 また現在、におきまして、改訂の議論の中におきましても、高等学校を含む各学校段階におけるの重要性、これについてご議論をいただいているところであります。引き続き、の提供を含め、高等学校におけるの充実に取り組んでまいりたいと存じます。
- 河合道雄大臣、ごありがとうございます。公立、私立問わずをしっかり求めていくということの法改正、並びに、次回で高等学校における、のいっそうの推進というところで非常に期待していきたいと思います。 その上で、の方にお伺いさせてください。高等学校等の学校現場へのの進め方や事例などの周知、どのように進んでいらっしゃるでしょうか。特に、教員まで実際にしっかりと周知されることが重要だと考えておりますが、その辺りも含めてご回答いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
- 望月禎 初等中等教育局長お答え申し上げます。の提供につきましては、障害のあるこどもやその保護者と建設的対話を通じて相互理解を深めることが円滑な対応に資することから、学校の教員も含めまして、その趣旨や意義について理解をいただくことは大変重要であると考えてございます。 このため、教育委員会等の各学校設置者や各学校がを提供する際の判断に資するよう、におきまして、の提供の具体的事例を収集いたしました、我々は「」と言いますが、を整備しているほか、教職員を主な対象とした研修動画を作成しまして、教職員支援機構と連携しまして、広く活用いただくよう促しているところでございます。 その上で、先ほど大臣からもご申し上げましたけれども、今のの検討の過程におきましても、各学校段階においてのの重要性についてご議論をしているところでございます。このの議論は、非常に長きにわたる検討の中において、各学校それから教育委員会、私立学校も含めまして、非常に注視、注目をされながら、いろいろな議論を聞いていただいて、その上でいろいろなご質問もいただいているところでございます。 こうした審議の状況も見ていただき、また、の各学校におけるそうした取り組み、そしてまたそうした好事例なども含めまして、学校において一人ひとりの教師が意識を持ってを適切に提供できるよう、取り組みを促してまいりたいと考えているところでございます。
- 河合道雄ごありがとうございました。データベースの整備並びに研修動画の普及、大いに期待させていただきます。あわせて、先に触れました一元的な、こちらの方でもの観点が反映されることを希望しております。 続きまして、申請手続のデジタル化についてお伺いをいたします。 の申請はを通じて行われています。は、平成31年4月にを活用したシステムを導入し、随時改修を実施したものと理解しております。事務の効率化が図られてきた一方で、令和7年度1月時点では、の申請におけるオンライン申請利用率が84.4%にとどまっているなど、まだ利用が十分でない可能性があります。 また、実際に手続きをされた保護者の方からは、まだ紙の提出が残っていて煩雑だったというお声ですとか、学校事務職員の方からは、の作業が膨大で負担が大きかったという声もいただいております。今回の改正で制度の対象者が大幅に拡大されていきますと、こうした事務負担もさらに増えることも懸念されます。 利用者が制度を使いやすくするために、そして、先生方、職員の方々が本来の業務に向き合える時間を取り戻すために、申請手続の業務デジタル化をいっそう進めることが必要だと感じております。まず、にお伺いいたします。の改善をどのように進めていくお考えか、現状の進捗状況と今後の方針について教えていただきたいと思います。
- 望月初等中等教育局長のオンライン申請システムでありますにつきましてご紹介いただきまして、ありがとうございます。 このシステム、地方分権改革提案、あるいはに基づきまして、デジタル基盤の共通化の対象候補に選定されることを踏まえまして、制度の構築を進めているところでございます。今般の制度改正では、制度につきましては、所得の確認が必要なくなる、一方で、国籍等の確認も必要になるところでありまして、このシステムというものがさらに使われるよう我々しても周知をしていきたいと思ってございますが、もう一つの課題でございますと高等学校等奨学給付金の一体的なオンライン申請が可能となることも念頭に置きまして、令和8年度中に共通化の方法や今後のスケジュールを示しました推進法案の策定を予定しているところでございます。 これには、と奨学給付金につきましては、実施権者が国と都道府県の事業でありますので難しさはございますけれども、関係機関とも連携をしまして、各自治体における事務の効率化が図られるようなシステムの構築に向けまして、関係省庁と情報交換しながら必要な対応を検討してまいります。
- 河合道雄ごいただきまして、ありがとうございました。のみならず奨学給付金の方にも拡大していくということはすごく重要なことだと思いますので、障害も多くあると思いますが、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。 続いて、大臣にお伺いいたします。の中には、さらなるデジタル化の検討ですとか、を活用した直接支給の実現可能性の研究といった文言もございます。こういった記載も踏まえつつ、こういった申請のデジタル化や利便性の向上についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
- 松本文部科学大臣ご紹介いただきましたように、昨年6月、三党による論点の大枠整理では、や奨学給付金の支給方法の考え方として、による効率化を推進することについて、において検討することとされており、そして、先月公表されたでは、地方分権提案等を踏まえた申請手続のさらなるデジタル化の検討を行い、手続の簡素化による負担の軽減を促進することとなっております。 具体的には、文部科学省におきまして、申請者の利便性の向上や、学校、地方公共団体の業務負担の軽減を考慮しつつ、地方公共団体独自のシステムや地方公共団体の事務の実態を把握した上で、国と地方を通じたトータルコストを最小化する具体的な方法について、今後検討を進めてまいりたいと考えているところでもあります。 文部科学省としては、こうした取り組みによって、必要な方に必要な時期にしっかりと支援を届けることができるよう、の取り組みにつながるように努めてまいりたいと思いますが、これは文部科学省単体でやるというよりも、やはり政府全体のの取り組みの中でこれをどう位置づけていくのかということも大変重要な考え方だと思っております。 そういう意味では、今、政府といたしまして、でありますとか、また自治体も含めた共通化等々も、今、一生懸命進めようとしているふうに承知をしているところでもありまして、こうした取り組みと連携をしながら、国が持っている情報、また、それぞれの各自治体が持っている情報、こういうものをうまく利活用できる仕組みの中に文部科学省の取り組みというものも乗せていくということが大変重要なのではないかと私自身考えております。
- 河合道雄大臣、非常に前向きなごありがとうございます。トータルコストの最小化というところで、学校と地方自治体もそうですけれども、社会全体でのコストが最小化するように連携していくことが非常に望ましいと思いますし、必要な方に必要な支援が届く、いわゆるの支援の仕組み、給付の仕組み、ぜひ進めていければと期待しております。 では、最後に、公立、私立間の格差と入試方法についてお伺いいたします。 本日も、何度も公立学校、私立学校の格差については議論が出てまいりました。この問題の原因の一つに、入試制度もあると考えております。多くの都道府県では公立学校の受験は事実上1校のみであり、生徒は安全圏で受けられる学校を選ばざるを得ない傾向があります。これは、公立高校にとって構造的に不利であると言えます。同時に、生徒にとってもリスク回避の行動を誘発する側面があるため、本法案の理念を実現することを妨げる要因にもなり得ます。 すでに、一部都道府県では併願制が実施されていると承知しておりますが、データやアルゴリズムを用いて志望順に自動的にマッチングするような、いわゆるデジタル併願制の仕組みも含め、受験料の負担を増やさずに複数校へ挑戦できる仕組みは、生徒の選択肢を広げる重要な取り組みと考えます。 では、大臣にお伺いいたします。選抜方法において、公立学校が私立学校に対して不利になる側面もある中で、公立学校の併願を可能にする仕組みなど、各都道府県によりいっそうの、こういった制度の活用を進めることが必要だと考えておりますが、どのように進めていくお考えか、お聞かせください。
- 松本文部科学大臣高校の入学者選抜の実施方法等については、実施者である各都道府県教育委員会等が決定するものであり、文部科学省としては、各教育委員会等に対して、受験機会の複数化や、選抜方法の多様化などに配慮いただくよう周知をしているところであります。 実際、多くの自治体では、同一の高校または課程において、複数の学科等を設置している場合、複数出願をすることも認められていると承知をしております。また、生徒が複数の高校を受験できる実施方法については、地域の実情等に応じてさまざまな形態がありますが、いわゆる併願制を実施している都道府県も複数あると承知しているところであります。これまで愛知、京都、兵庫、福岡でしたけれども、令和8年度からは奈良と大分も併願制を導入したと承知をしているところであります。 デジタル技術を活用した併願制につきましては、生徒の多様な個性、能力が本当にデジタルで十分に評価されるのか、学校の特色や魅力が損なわれないか、地域人材を育成する専門高校に影響がないかなどの課題も想定されているところであります。 いわゆる併願制を実施している都道府県の実施状況なども参考にしながら、全国の教育委員会の高校入試担当者、有識者との意見交換を行っているところでありまして、引き続き、進学を希望する生徒が最もよい形で高校を選択することができるよう、丁寧に検討を進めてまいりたいと存じます。
- 河合道雄ありがとうございました。では、以上、今回の法律案の理念がしっかりと実現するように引き続き議論に参加してまいりたいという思いで、締めさせていただきます。どうもありがとうございました。