2026年10月30日·衆議院·委員会·経済産業委員会
【全文】衆議院 経済産業委員会 質疑/小林修平(2026年10月30日)の要約
会話形式(原文ベース)
- 小林修平皆さま、こんにちは。チームみらいの小林修平です。 エネルギーに関連をしまして、質問に入る前に一言申し上げます。 先日、経済産業省に置かれたのデントリネットが不正アクセスを受けたとの発表がございました。延べ約1,100社の電力・ガス事業者が販売量などを報告するシステムで、情報流出の有無は現在確認中と承知をしております。先日、大臣もおっしゃられているとおり、完璧な防御は誰にとっても難しいものです。事業者の皆さまへの影響をできる限り小さくするとともに、ぜひ、より強い備えにつなげていただければと思います。 それでは、質問に入ります。 本日は、議題となっております原油等の調達の多角化に関する法案及び輸送保険に関する法案について質問をいたします。 今般の中東情勢で明らかになったのは、特定の経路に依存することの危うさでした。両法案は、この教訓を制度にするものであり、私どもは賛成の立場です。ほかの委員の皆さまのと重なる点もあるかと存じますが、確認の意味も込めてお伺いをいたしますので、どうぞご容赦ください。 本日は、制度が次の危機で確実に機能するよう、運用の具体について確認をさせていただきます。 まず、多角化法案についてお伺いいたします。 案は、をとしてで定めることを想定しております。事前の説明資料で示された代替ルートは、サウジアラビアのやアラブ国連邦のまでパイプラインで運ぶ形が中心と承知をしておりますが、これらは、への依存を下げても、9割を超える中東地域への依存そのものは下げません。 現に、本年9月には、サウジアラビアのが攻撃を受けて停止し、から積出しも止まったと報じられております。ホルムズを避けた先が同じ紛争で同時に止まるのであれば、多角化の効果は限られます。 法案第5条第3項は、の考慮事項として代替経路そのものが途絶する可能性を明記してはございません。私は、の策定と計画の認定に当たって、経路間のリスクの連動性も評価の物差しに加え、中東以外の地域からの調達を適切に評価していくことが大切なのではないかと考えております。 政府にお伺いいたします。
- 村瀬 政府参考人お答え申し上げます。 まず、制度でございますけれども、今般の中東情勢を踏まえて、米国など他の地域からの調達、それに加えてパイプラインを活用して迂回する調達など、調達地域によらず、特定の経路の通過停止の影響を受けない調達への切替えを促進することを期待してございます。 3月のの通過停止以降、を迂回するルートを活用することで、わが国として必要な原油を確保できたこと自体は事実でございます。一方で、ご指摘のように、今年の8月以降、の通過の安全が脅かされること、また、サウジアラビアのが攻撃されるなど、こういったことが起きておりまして、リスクがあることも確認をされてございます。 現時点において、を通過する経路は、代替の水路として北に向かうスエズ運河を通過することによってほぼ全量を輸送することはできてございます。また、サウジアラビアのについても、攻撃を受けて一時稼働を停止したものの、2、3週間で復旧をいたしまして、現在は稼働を回復している状況にもございます。 こうした事実は承知してございますけれども、案に基づく制度の運用に当たりましては、ご指摘いただいたように、リスクの度合いですとか調達の実績なども念頭に置きながら、審議会等で専門的な意見もいただきながら、ご指摘も踏まえ、適切な運用に努めてまいりたいと考えてございます。
- 小林修平ごありがとうございます。 次に、平時の備えについてお伺いをいたします。 法案第5条第3項第は、途絶の際に船積み港を変更することをあらかじめ約しておくことを合理化の方策に掲げています。常に迂回輸送をすれば輸送費の差が毎年かかりますが、危機のときに切り替える権利をあらかじめ確保しておく契約であれば、より少ない費用で近い効果が得られる可能性がございます。 こうした取り組みを交付金の対象とし、で常時迂回との費用対効果を比べて配分することについて、政府にお伺いをいたします。
- 和久田 政府参考人お答え申し上げます。 律案は、を通過する原油等に深く依存してきた現状を改め、同海峡の通過停止の影響を受けない調達への切替えを促進することを企図してございます。 個々の調達方法につきましては、事例ごとに個別に精査をして判断する必要がございますけれども、制度の趣旨に沿うものであり、調達の切替えに伴う追加的費用がある場合には、委員ご指摘の、の代替経路での調達をあらかじめ確保する契約についても対象になり得ると考えてございます。 具体的な交付の対象や額につきましては、制度の趣旨に照らし、調達の確実性の高さや当該調達に要するコストなどを総合的に考慮いたしまして、審議会の意見も聞きながら検討してまいります。
- 小林修平ありがとうございます。 次に、立ち上げ期の財源についてお伺いをいたします。 律はから6か月以内にされますが、の徴収はにより令和10年4月からで、しかも、翌年度に申告、納付する仕組みと理解をしております。実際の収入はさらに後になる。事前の説明資料には、原資として政府資金を加えるとの趣旨の記載があったと承知をしておりますが、案に国費の投入を定める規定は見当たりません。 が入るまでの交付金を何で賄うのか、その法的根拠と規模、そして後年度ので回収するのかどうか、政府にお伺いをいたします。
- 和久田 政府参考人お答え申し上げます。 交付開始のスケジュールにつきましては今後検討していくことになりますけれども、仮に交付対象となる取引が先に始まったとしても、実際のからの交付金の払込みはの徴収の後に行うことを予定してございますので、財源には問題が生じないと考えてございます。 本制度では、毎年度、交付と納付を繰り返すことになりますけれども、調達多角化を促進するという制度趣旨を実現するために必要となる交付金の原資を確保できるよう、を徴収することになります。その上で、仮に一時的に交付金が不足する場合には、が、法律上は、法の第14条に基づきまして、長期の借入れを行うことができます。また、逆にに余剰が生じる場合には、翌年度に繰り越すとともに、単価に考慮することになります。
- 小林修平ありがとうございます。 次に、価格への影響についてお伺いをいたします。 は、の国内での販売量などに応じて課されるため、燃料価格を押し上げる要因になるとの指摘がございます。しかし、がそのまま価格に転嫁されるとは限りません。むしろ、調達の多角化によって、途絶したときの価格の急騰や、輸送、保険の費用の上昇が抑えられれば、中長期的には燃料価格の安定や引下げにもつながる可能性もあると考えております。本年の事態では、燃料油の価格支援に代替調達の費用が反映されたと報じられており、価格の急騰を抑えるための財源負担も生じます。 が燃料価格に与える影響の見込み、そして多角化によって期待される価格の安定や、危機のときの財源負担の抑制といった経済的な効果を政府としてどのように見立てていらっしゃるのか、大臣にお伺いをいたします。
- 赤澤亮正 経済産業大臣まず、案により調達先の多角化が進展をすれば、まさに、もうほぼ委員に触れていただきましたけれども、燃料供給途絶リスクの回避や、市場価格が大きく変動する際に輸入価格の変動を抑制する効果が期待されると考えております。 また、案により、原油等の輸入事業者には、調達の仕方によっては交付金が支給をされます。これにより、調達先の選択肢を増やすことで、平時の交渉力が強化され、価格競争力のある原油の柔軟な調達にも資することから、事業者によってはむしろ調達コストを下げる可能性もあるため、事業者の競争力を強化する効果も期待できるものと考えております。
- 小林修平ごありがとうございます。 次に、の管理についてお伺いをいたします。 案では、石油精製業者等が納めるは、の収入となり、がに基づいて交付金を交付すると認識しております。は、国民が広く負担する準税的な資金です。また、の単価は費用の長期的な見通しを考慮して定めるため、危機が起きない平時には資金が積み上がっていくことも想定されます。 こうした資金の収支や交付の効果を国民の皆さまにどのようにお示ししていくかは、制度への信頼に直結すると考えております。国民の皆さまの負担によってに集まる資金についてしっかりとしたと透明性を確保していくことについて、大臣のお考えをお伺いいたします。
- 赤澤亮正 経済産業大臣委員ご指摘のとおり、本制度の運用に当たって透明性の確保は不可欠だと考えます。 本制度に係るの収支については、を行い、や交付金の総額を公表することで高い透明性を確保していきたいと考えております。また、仮にに余剰が生じた場合、余剰分は翌年度に繰り越すとともに、次期の単価の設定において単価を縮減するなどの対応を行ってまいります。 のについては、所管省庁である経済産業省による管理監督の下で、実効性を担保してまいります。具体的には、まず律案に基づいてが実施するの徴収、交付金の交付業務の基本的な事項については、において経済産業大臣が定めることとしております。また、交付金の交付業務については、経済産業大臣の認可を受けたに基づいて実施されることとなります。 経済産業省は、に基づき、の業務を厳格に評価・監督しており、本業務についても適正な運用に努めてまいります。
- 小林修平ありがとうございます。 続いて、輸送保険法案についてお伺いをいたします。 法案第3条は、外国政府等がを禁止する措置を取ったときを政府が契約を結ぶ要件としており、平成24年のいわゆるの経験を踏まえた設計と理解しております。しかし、本年の中東情勢では、政府による禁止措置ではなく、戦争リスクを理由とする保険料の高騰や引受けの縮小によって海上輸送が細った局面があったと理解しています。 米国には、商業保険が合理的な条件で得られない場合に政府が戦争保険を引き受ける常設の制度があり、本年3月には、政府系の開発金融公社が湾岸地域の海上の枠組みを打ち出しております。 禁止措置によらないこうした市場起因の保険途絶に対して、政府はどのような手段で備えるのか、大臣にお伺いをいたします。
- 赤澤亮正 経済産業大臣今般の中東情勢の変化に対応する中で、外国政府等によるを禁止する措置の影響により、外険会社による財物保険に係るが提供されず、原油等の海上輸送に必要な保険が付保されないリスクが認識されたところであります。案は、こうした状況を踏まえて措置するものです。 今般の中東情勢では、戦争保険の提供は継続されており、また、保険料の高騰や引受けの縮小によってわが国への原油等の海上輸送に支障が生じたとは承知しておりませんが、そうしたリスクに対応する措置の重要性についてもご指摘があることも承知をしております。 今般の情勢にとどまらず、将来的に対応が必要となる事態に備え、引き続き、政府全体で検討していくことが重要であると考えております。引き続き、エネルギーの安定供給に万全を期してまいりたいと思います。
- **小林修平**ありがとうございます。 次に、限度額についてお伺いをいたします。 律は、の日から3か月以内にされるとされており、仮に年内に成立した場合、令和8年度中に制度が動くのは年度末までの数か月に限られます。その中で、第2項は、令和8年度の交付金の総額の上限を約8,913億円と定めています。また、法案第4条は、契約期間を締結した年度の末日までとしており、制度の開始から間もなく年度末を迎えるため、年度をまたぐ航海の保護に空白が生じるおそれもございます。 数か月の運用期間に対してこの規模の限度額を置く理由とその算定の前提、令和9年度以降の限度額の考え方、そして年度をまたぐ航海を切れ目なく保護するための運用について、政府にお伺いをいたします。
- **和久田 政府参考人**お答え申し上げます。 令和8年度の引受けの上限額でございますが、わが国へのエネルギー安定供給を確保する観点から、原油等の貨物価格や船体価格、の契約実績を踏まえつつ、緊急時に必要となる保険規模を試算をいたしまして、制度の運用に支障が生じない水準として設定したものでございます。制度開始直後から大規模な保険需要が生じる可能性もございますので、制度の開始時期や運用期間にかかわらず、想定される補償需要に対応できる規模といたしております。 令和9年度以降につきましても、同様に、原油等の貨物価格や船体価格等を踏まえつつ、各年度のにおいて必要な額を算定をいたしまして、国会でご審議いただいた上で、に規定することを想定しております。 船舶の運航中に生じた損害に対しましては、その船舶の運航に係る財物保険の契約締結年度を基準時点として保険金が支払われることを想定してございます。このため、案の成立後、令和8年度中に本制度に基づいて財物保険契約を締結をし、年度をまたぐ航行中に発生した損害につきましては、令和8年度中の損害として保険金が支払われることになります。
- **小林修平**ありがとうございます。 次に、手数料についてお伺いをいたします。 法案第5条は、損害保険会社が政府に納める手数料の額を、料の国際的な水準を勘案してで定めることとしています。しかし、本制度が動くのは、外国政府等の措置によって国際的な市場が機能しない局面です。そのときに勘案すべき国際的な水準が何を指すのかは明らかではありません。手数料を低く定めれば、損害保険会社や輸入事業者に対する実質的な補助となります。また、政府が負い得る支払いの大きさに予見性がなければ、手数料が負担に見合っているかどうかも判断できません。 危機のときの手数料は、国際的な水準に加えて、損害の発生の見込みも勘案して定めていくことが考えられるのではないでしょうか。あわせて、政府の支払い見込みや手数料の算定根拠を明らかにし、制度の透明性をしっかりと確保していただくことが制度への信頼につながると考えております。政府のお考えをお伺いいたします。
- **和久田 政府参考人**お答え申し上げます。 委員ご指摘のとおりですけれども、の手数料は、料の金額の国際的な水準を勘案して定めることとしております。その際に参照するデータなど算定方法の詳細につきましては、専門家の意見を踏まえて検討することといたしておりまして、民間損害保険会社と国が引き受けるリスクに応じて適切な水準の手数料を設定してまいります。 その算出根拠につきましては、民間事業者におけるの算定根拠など、公にすることが適さない情報が含まれ得るため、慎重な検討が必要でございますが、手数料につきましてはに規定をし、公表することで透明性を確保してまいります。 の締結の上限となる交付金の金額の総額につきましては、その時々の国際情勢を考慮し、各年度のにおいて必要な額をご審議いただいた上で、に規定することを想定してございます。 こうした取り組みを通じまして、最大限透明性の確保に努めてまいります。
- **小林修平**ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 次に、対象国の指定についてお伺いをいたします。 案は、対象となる国をで定め、契約を結ぶ前に、内閣総理大臣、外務大臣、財務大臣と協議することとしてあります。外国政府等によるの禁止措置は制裁として講じられる場合が多く、措置を講じた国との協調と輸入が途絶えた場合のわが国への影響とを比べて判断する場面も想定されます。交付金は国民負担にもつながり得るものですので、必要な範囲に限って運用していくことが大切ではないかと考えております。 対象国をで指定する際の判断基準、そして措置を講じた国との協調とわが国のエネルギーの安定供給とをどのような観点から比べて判断するのかについて、政府のお考えをお伺いいたします。
- **和久田 政府参考人**お答え申し上げます。 案は、現在の不安定な中東情勢を始めとする国際情勢においても、わが国へのエネルギー安定供給を機動的かつ自立的に確保すべく、必要な保険機能を確保できるようにするための制度でございます。エネルギーの安定供給に支障が生じることによる国民生活や経済活動への影響を回避するために、必要な場合に限って活用することを想定してございます。 特定国産原油の指定に当たりましては、当該国からのエネルギーの安定供給の確保に支障を来すことによるエネルギー価格の上昇等を通じたわが国の国民生活、経済活動への影響や、それから国際社会の理解などを踏まえながら、日本の国益にとって何が必要かという観点を総合的に判断しながら適切に対応してまいります。
- **小林修平**ありがとうございます。 申し送りと順番を前後させていただきます。 多角化法案の対象についてお伺いをいたします。 案の対象は原油ととされ、とは含まれておりません。一方で、同時に提出された輸送保険法案や改正案は、を対象に含めております。 は発電と都市ガスの原料として、は家庭の燃料として、いずれも国民生活に直結をいたします。両者を案の対象としなかった理由と、その調達経路の多角化について今後どのように検討をしていくのか、政府にお伺いをいたします。
- 和久田 政府参考人お答え申し上げます。 本制度につきましては、今般の中東情勢を踏まえ、など特定の経路の通過停止の影響を受けない調達への切替えを促進するものでございます。このため、特定の経路への依存度が高く、わが国の安定供給実現のためにその利用の合理化に取り組む必要性が高い原油等を対象としたものでございます。 2025年度実績におきましては、わが国の原油の内に油田を有する国からの輸入割合は93%であったのに対しまして、委員ご指摘のにつきましては6%、については2%であったことを踏まえれば、現時点でやについて同様の措置、制度が必要と考えてはございませんけれども、、も含めて、エネルギーの安定供給にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
- 小林修平ありがとうございます。 最後に、の目標についてお伺いをいたします。 法案第5条は、に利用の合理化に関する目標を定めることとしております。 今般の事態では、国家備蓄の放出で時間を確保しつつ、途絶の後にどれだけの期間でどれだけの量を代替経路に切り替えられたかが供給確保の鍵となりました。 目標をを経由する比率だけで示しますと、平時の費用は増える一方で、危機のときに必要な量を確保できるのかが見えにくくなります。途絶の切替えに要する日数や代替できる量といった強靱性の指針を目標に含め、備蓄政策と一体で設定することについて、大臣にお伺いをいたします。
- 赤澤亮正 経済産業大臣調達多角化及び備蓄は、両方とも日本全体として必要な量を確保するための施策であり、おっしゃるとおり、一体的に取り組むことが重要であると考えています。 今回、の通過が困難になった際、各国や、IEAとも連携しながら、わが国が率先をしてを行いました。並行して官民挙げた代替調達を進めることで、必要な供給量を確保できたところであります。一方、への高い依存度から、通過停止の影響を受け、代替調達が進展するまでの間、が必要となったというふうに認識をしております。 こうした点を踏まえれば、調達先の多角化により、一つの経路からの調達が困難となる場合の影響が緩和され、結果として、必要となる量を抑制する効果があるというふうに認識をいたします。 ご指摘の代替調達の確保に要する日数や確保可能な量は、その時々の国際情勢や市場の状況に大きく影響を受けるため、あらかじめ目標として定めることは困難と考えますが、調達先の多角化の目標については備蓄の在り方と併せて検討する必要があると考えております。今後、審議会の意見も伺いながら、それぞれの目標の在り方について検討してまいりたいと思います。
- 小林修平ありがとうございます。 本日お伺いしたい質問は以上でございます。本日のが今後策定されるやにしっかりと反映されるようお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。