2026年4月14日·衆議院·委員会·農林水産委員会
【全文】衆議院 農林水産委員会 質疑/林拓海(2026年4月14日)の要約
会話形式(原文ベース)
- 林拓海チームみらいの林拓海でございます。本日は、との一部改正について質問をいたします。 に入るにあたり、まず私の基本的な立場を申し上げます。今回の二つの法案は、これまで壁となっていた融資上限を緩和し、民間資金が農林水産業へとより円滑に流れる仕組みを整えるものであり、時代の要請に応える前向きな一歩であると評価しております。 しかし、制度をつくったとしても、それが実際に使い勝手のいいものとなり、農林水産業者の方々の挑戦を後押しするものでなければ意味がないと考えています。 本日は、制度の実効性が現場の目線で確保されているのかという点に重きを置いて、将来のインフレへの備えやの組織の在り方など、いくつか踏み込んだ質問をさせていただきたいと思います。 まず、の一部改正について、農林水産分野の金融支援の実効性と機動性について絞って伺います。 現行の法令では、個人融資について、法律上の上限は4,000万とされながら、実際にはによって1,800万円という半分以下の枠に長年制限されてきました。 まずは、なぜ法定額を大きく下回る制限をでかけ続けてきたのか、いつからその制限をかけてきたのか、その具体的な理由をお伺いいたします。さらに、今回の改正によって上限額がもし引き上げられた場合に、再びによって、法定額を下回るようないわゆるキャップ、上限制限を設ける予定があるのかについても教えてください。
- 小林経営局長お答え申し上げます。 これまで、ご指摘のとおり、個人経営体に対する農業近代化資金の貸付上限額は、法律で、4,000万円の範囲内でで定める額というふうに規定した上で、これに基づくにおきましては、1,800万というふうに規定されています。この規定は平成5年からということでございます。 これは、法律では、主に、農業者の当面の資金需要の増加にも応えられる水準を勘案して額を設定した上で、では、たとえば、そのほかの事情、借入依存の回避など、たとえばそういうものでありますけれども、こういったその他の事情も考慮して、具体的な貸付上限額を定めてきたということでございます。 今回どうするのかということでございますけれども、今回の見直しに当たっては、まず、個人経営体に対する貸付上限額につきましては、現行が1,800万円ということでございます。これを設定した当時と比較しまして、一経営体当たりの借入額が約10倍になっている、こういったこと等を踏まえまして、当面の資金需要の増加にも応えられる水準として、法律上は、2億円の範囲内でで定める額というふうに規定しているところであります。 その上で、今回、では、個人経営体に対するで定める貸付上限額につきましては、法定上限額と同じ2億円とする考えでございます。
- 林拓海ありがとうございます。 今おっしゃっていただいたことをお聞きすると、これまで、法令上で定められていた額と上で定められていた上限の額が、いわゆる実態が異なっていたというところがあったかと思うんですが、今回の改正では、法令で定める上限額と上の上限額を同じにする予定であるというようなごをいただいたかと思いますので、ここは実態と法令上の数値が同じになるというような解釈ができるかなと思います。ありがとうございます。 平成5年からとごいただいたかと思うんですが、実に30年ほど、この枠組み、法令の枠が据え置かれてきたという事実は非常に重いと考えておりまして、30年前と現在では、農業を取り巻く経営環境も、必要となる資材のコストも劇的に変化しています。今回の改正を、数字の引き上げに終わらせるのではなく、時代に即した柔軟な運用への大きな一歩としていただきたいと要望したいと思います。 次に、将来のインフレ等への対応についてお伺いします。 今回の改正法案では融資上限が引き上げられるということになっていますが、先ほどから委員の先生方もおっしゃっているように、にあたるための農機の価格が値上がりしているですとか、あるいは、を見ても、肥料価格は直近数年で高止まりしているというような声もあります。 今後、さらにインフレ等が継続して、農業近代化に必要となる資金が、今回、個人で2億円、法人で7億円という枠が設定されているかと思うんですが、今後、さらにそれを超えて必要になるという可能性もあるのではないかなと考えております。そのときに、また、前回から今回まで期間が30年あった、次回、農業近代化資金についてもさらに30年後の改正ということになると、なかなか、その間に起き得る時代の変化に対応し切れないのではないか、成長のチャンスを摘み取ってしまうことになりかねないのではないか、という危惧も聞かれるところかと思うのですが、ここに関しての政府の認識と、今後の機動的な制度運用の在り方について見解をお伺いいたします。
- 小林経営局長お答え申し上げます。 農業近代化資金の貸付上限額につきましては、一経営体当たりの投資の状況でありますとか、必要な設備資金や運転資金の額、それから、一方で、貸し付ける側の民間金融機関の貸付実態、こういった要素を勘案しまして、農業者の資金需要に応えられる水準として設定しているところでございます。 このため、想定を超えるような大幅な物価上昇が発生した場合に上限引き上げの可能性というものを否定するものではございませんけれども、今回の法改正によりまして当面の資金需要の拡大にも対応できるものと考えてございます。 それで、今の農業近代化資金の仕組みでございますけれども、仮に、法律・で規定する貸付限度額を超えるような資金ニーズが個別に生じてきた場合でございますが、そうした場合には、個別の融資案件ごとに都道府県知事や農林水産大臣の承認を受けることで、法律・の貸付上限額を超える融資を可能とする仕組み、これが法令上設けられているところでございますので、まずはこの制度の定着をしっかりと図りながら対応してまいりたいというふうに考えてございます。
- 林拓海ありがとうございます。 上限を超えた利用というものも不可能ではないということも法令上措置しているということでお答えいただいたかと思います。ありがとうございます。 そういった周知徹底も重要だと思うのですが、やはり、ある意味、法令で上限を定める以上は、一定、特例的な対応としてそういった措置もあるという扱いになるかと思いますので、やはり、時代の変化に応じてさまざまな資金需要が発生する、増えることもあれば下がることもあるかなと思うんですが、そういった状況に応じて機動的にこういった借入額の上限などを動かしていくような仕組みというものも必要なのではないかなと考えております。 さらに踏み込んでお聞きしたいのが、今後、一定期間ごとに、こちらの今回の制度を含めて見直しを行う際に、そのときの判断で数字を決めるということではなく、物価ですとか設備コストの変動に応じて上限額が見直される仕組みを構築するべきではないかと考えています。 具体的には、農林水産省が公表しているですとか、あるいは農機具の価格の変動なんかを見ながら、そこに上限額を連動させて、物価指数等が一定の変動幅を超えた場合には、必ずしも法律改正を伴わなくとも機動的に貸付額の上限が修正されるような仕組みを将来的に取り入れることも検討できるのではないかなと思っています。 これは農業従事者の方が社会情勢に左右されずに適切な投資環境を維持できるようになるのではないかと思うのですが、こういったの今後の検討について、農水省としての見解をお伺いいたします。
- 小林経営局長お答え申し上げます。 ご提案ありましたように、でございますとか農機具の価格指数等に連動させまして貸付上限額が自動的に見直される仕組み、こういった仕組みも制度としては考えられるというふうに私どもも考えておりますけれども、先ほどもご説明いたしましたように、農業近代化資金につきましては、現行の制度におきましても、大臣承認などを活用しましてさまざまな資金ニーズに柔軟に対応できる仕組みが設けられているところでございますので、まずは今回の制度の改正の定着をしっかり図りながら、農業近代化資金を農業者にとってよりよいものとする工夫については、また引き続き検討していきたいと考えてございます。
- 林拓海ありがとうございます。 今回引き上げがなされるので、すぐに、今お伝えした仕組みがすぐすぐ必要かというと、そうではないのかもしれないなと私も思うのですが、前回の法律改正から今回まで30年かかっているというところも事実だとは思っているので、次の改正までまた期間が必要だということも考えると、こういった変動型の仕組みの導入なんかもぜひ考えていただきたいということを要望したいと思います。 続きまして、の改正に伴うの位置付けについてお伺いいたします。すみません、時間の関係で、事前に通告していたものを省いたり、ちょっと順番が前後したりしていて申し訳ないんですが、位置付けについてお伺いいたします。 今回の改正では、農林水産業者のために金融の円滑化を図る目的が追加されているということです。の農林水産業者の方向けの金融をさらに促進するということは私も重要だろうと思っているんですが、これまでの質問で各委員の先生方がご指摘されているように、、公式ホームページにも、としての側面を併せ持っていると書かれているわけなんですけれども、今回のの改正によって、これまでのとしての顔が、農業融資をさらに強めていくというような方向性で、その役割を変えていくという認識でよろしいんでしょうか。それをお伺いしたいと思います。
- 小林経営局長お答え申し上げます。 今回の法改正によりまして、の目的に、農林水産業者のために金融の円滑を図ることが追加されるわけでございますけれども、これは引き続き、農協等のために金融の円滑を図ることという従来の目的も存置されているところでございます。今後は、この両方がの目的として位置づけられることになります。 したがいまして、今回の法律改正後も、農林中金は、従来から引き続き、農協等の資金を預かり、運用し、還元する、こういった側面を持ち続けることになるということを想定しているわけでございます。
- 林拓海ありがとうございます。 これまでの顔も維持しながら融資も強化していくといった趣旨のご回答だったかなと思います。 その上で、もちろんどちらもしっかりやっていっていただくということはお願いしたいなと思いながら、難しい側面もあるのかなと思っています。というのも、今回の外部理事を登用しやすくするというところに関連してお聞きしたいところになっていくんですけれども、そもそも世界市場で巨額の資金を動かす運用投資と、地域の農業経営を支える農業融資では、必要とされる人材の専門性、審査体制、そして何より組織文化がかなり異なるんじゃないかなと思うんですね。となると、今回、外部理事を登用しやすくしている、まあ、多様な視点が入るということはいいことだと思うのですが、ここで懸念されるのはその中身だと考えています。 これまでどおり方針を継続するということであれば、やはり運用投資によって一定の利益を上げてきたという実績もあることを考えると、外部理事も含めて、運用投資の専門家ばかりで固められてしまうのではないかという懸念も聞かれるところかと思っています。 そこで、お伺いしたいんですが、今回、外部理事を登用するに当たって、外部理事の方々の構成が運用部門に偏ってしまうことはないのか、お伺いしたいと思います。 というのも、もし投資の専門家ばかりが意思決定の場を占めるということになれば、なかなか、農業金融の促進という今回の改正趣旨、つまり、農業金融をより促進していくというところよりも、投資の方にかなり重きを置いた実運用になってしまうのではないかといった懸念も聞かれるかと思いますので、こうした農業融資の目利きができる人材や農政に精通した人材を責任のある地位に確実に配置する担保はあるのかというところを具体的にお聞きしたいと思います。
- 長野参考人ご回答いたします。 繰り返しになりますが、は、適切なリスク管理の下で金融機関としての健全性を維持しつつ、国際分散投資を通じた収益還元という側面と、農協等と一体となった農業者、食品産業に対する投融資、こういった側面、これらを両輪として、農林水産業の発展にしっかりと貢献をしてまいりたいというふうに考えてございます。 有識者検証会におきまして、理事における市場運用経験者、この数を増加する、また、組織全体での専門性の高い外部の見識の導入、こういったご提言をいただいたことを踏まえまして、外部理事には、経済・金融やなどの分野に精通した方を複数名招聘することを考えているというところでございます。 あわせまして、委員ご指摘のとおり、収益還元と投融資の両輪で農林水産業の発展に貢献するという重要な部分を忘れてはいけませんので、理事の構成が市場運用に偏ることがないように、農林水産業に係る知見を有する常勤理事、こういった者をバランスよく配置をしていきたいというふうに考えてございます。 また、検討してございます外部理事につきましても、農林水産業および協同組合など、協同組織中央機関として、こういった特色もしっかりとご理解いただきながら、農林中金の経営判断に当たって多様な視点からご意見を賜るということを考えているということでございます。
- 林拓海ありがとうございます。バランスよく配置するというごをいただきました。前向きなと受け止めたいと思います。ありがとうございます。 ぜひ、今回の外部理事の登用を含めて、農業金融の強化という方向性を実態としても反映していくような、そういった運営をお願いしたいと思います。 最後に、大臣にお伺いしたいのですが、今回の改正、農業金融を強化する、民間資金をさらに現場の農林水産業従事者の方々が活用できるような方向での法改正になるかなと思うんですけれども、今回の改正を通じて、日本の農業のどの分野をどういうふうに強化していきたいのかといった、こういったお考えをお聞かせください。
- 鈴木農林水産大臣ご質問ありがとうございます。 とにかく、これでやらなければならないとか、やりたいことは、日本は、人口が減る中においても食料供給力を上げていく、このことに尽きていくんだというふうに思っております。特に農業の分野では人が減るわけですから、その中で、担い手にどんどん生産が集中をしていく、そうすると、規模拡大もしなければいけないし、設備投資も必要になる、結果として、それで生産性がアップしていくということになるというふうに考えております。 そして、もう一つは、気候変動や温暖化の中で災害が増えていく、そういう中でも食料供給をしっかりと担うために、やはり、ここへの投資が欠かせません。や、また、先ほども議論がありましたけれども、外食を含めて、これを国内外に大きく展開をしていくということになります。 これをいかに金融面で支えていくかというのが今回の法改正の一番の趣旨かというふうに思いますので、金融を通じて、食の分野が日本の成長を支える、そういう柱になれるように、そんな未来をつくれるように努力させていただきます。
- 林拓海ありがとうございます。前向きなをいただいたと思っています。についても触れていただいて、もちろん農林水産省としても推進していると思いますが、なかなか、明日、明後日うまくいくということよりも、長い目でどうやって成功させていくのかというところをしっかり考えなければいけない領域も多いところではありますが、私としても考えていきたいと思います。 今回の法改正で、そういった民間資金がしっかりと流れるということを私としても望む一方で、やはり忘れてはならないのは、融資拡大には常に返済義務という重い責任が伴うということもありますので、今回の上限が引き上がることによって、一個人、一法人当たりで借り入れる額というのが増えたときに、そこで生まれるリスクなんかもあるかなと思いますので、そこについてもぜひ農林水産省としても寄り添うという気持ちを持っていただきたいということも最後に要望でつけ加えさせていただきまして、時間になりましたので、私の質問を終わります。