【全文】参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会 質疑/党首・安野貴博(2026年4月22日)の要約
安野貴博議員が参議院のデジタル・AI特別委員会で、宇宙産業の許認可手続きの簡素化について質疑をしました。
2026年4月22日、参議院のデジタル・AI特別委員会(正式名称:デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会)で、チームみらい党首の安野貴博議員が宇宙産業の規制改革について質疑を行いました。SF作家でもある安野議員が、実際に宇宙ビジネスの事業者から聞いた現場の声を政府にぶつけた質疑です。
ロケットを打ち上げるには、法律上の許可だけでなく、航空局・海上保安庁・地方自治体・漁業協同組合など、たくさんの関係者と個別に調整しなければなりません。ある事業者では、漁協との交渉がこじれて実験が数ヶ月遅れたケースもあったといいます。
安野議員は「アメリカのFAA(連邦航空局)のように、複数省庁や関係機関との調整を代行してくれる窓口を日本にも整備すべきでは」と提案しました。政府(小野田宇宙政策担当大臣)は「審査基準をガイドラインとして公開し、事前相談も受け付けている」と回答しましたが、日本版ワンストップ窓口の創設には踏み込みませんでした。
宇宙活動法(ロケット打ち上げなどを規制する法律)では、許可の標準処理期間を「4〜6か月」と定めています。しかし事業者からは「初号機では12か月かかった」という声も上がっています。
政府(風木宇宙開発戦略推進事務局長)の説明によると:
- 初号機: 設計が固まる前から相談が来るため、6か月を超えることがある
- 2号機以降: すべて6か月以内で完了している
安野議員は「初号機と2号機以降で処理期間の目標を分けて設定すれば、事業者が計画を立てやすくなる」と提案しましたが、政府は「現段階では変更の必要がない」として、事前相談の活用で柔軟に対応する方針を示しました。
ロケット打ち上げ前には「飛行安全解析」(打ち上げが周辺の安全に与える影響を事前に計算すること)が必要ですが、この解析を行える国内事業者が現在1社しかいないことが問題になっています。しかもその1社は国の基幹ロケットを優先するため、民間事業者の解析は後回しになりがちだといいます。
政府は宇宙戦略基金(宇宙産業の技術開発を支援する国の資金)を通じて解析技術の開発を支援し、対応できる事業者を増やす方向で動いていると説明しました。安野議員はさらに「JAXAが持つ解析手法のオープンソース化(誰でも使えるよう無償公開すること)」や「民間事業者への解析能力認定制度の導入」も検討してほしいと要望しました。
今回の法改正では、「再利用型ロケット」や「ロックーン方式」(気球で高高度まで運んでから空中で点火する方法)への対応が見送られ、省令(法律よりも細かいルール)での対応に委ねられました。
問題は、この省令改正に「いつまでに対応する」という法的な期限が定まっていないことです。ロックーン方式を開発する事業者からは「2029年頃には技術的に打ち上げ可能になりそうだが、法整備が間に合わなければ打ち上げできない」という懸念が上がっています。世界各国が熾烈な宇宙技術競争を繰り広げる中、ルールの遅れが事業機会の損失につながりかねないという切実な声です。
政府は「産業発展を阻害するような法整備の遅れはあってはならない」と認めつつも、具体的なスケジュールは示しませんでした。安野議員は「事業者が安心して投資できるよう、予見可能なスケジュールを早めに示してほしい」と訴えて質疑を締めくくりました。