【全文】参議院 総務委員会 質疑/党首・安野貴博(2026年4月23日)の要約
安野貴博議員が参議院総務委員会でJICT(海外通信・放送・郵便事業支援機構)の設置期限延長に際するガバナンス強化と政策KPIの改善について質疑をしました。
2026年4月23日、参議院総務委員会で、チームみらいの安野貴博議員がJICT(株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構)の設置期限延長に際し、ガバナンス強化と政策評価のあり方について質問しました。
JICT(ジェイアイシーティー)は、日本企業の海外ICT(通信・放送)事業を後押しする「官民ファンド(国と民間が共同で出資する投資機関)」です。今回の法改正案では、この機構の設置期限を10年延長しようとしています。
安野議員は、単なる延長ではなく「過去の官民ファンドの失敗を教訓にした制度改革を同時に行うべき」と主張しました。
会計検査院(国の決算をチェックする機関)の2025年報告によると、23ある官民ファンドのうち約6割が赤字(累積損益マイナス)の状態にあります。
- クールジャパン機構やJOIN(海外交通・都市開発事業支援機構)は、資本コスト(運用コストをまかなう最低限の利回り)を大幅に下回る実績でした
- 投資回収の予定時期を過ぎた167件のうち、4分の3で元本回収に懸念があると報告されています
一方で、旧・産業革新機構のように財務・政策目標の両面で好実績を上げた事例もあり、ファンドによって大きなばらつきがあります。
安野議員は、10年の延長を認めるなら、以下の2つの仕組みを制度として設けるべきだと提案しました。
- 中間レビューと国会報告: 改正から5年後をめどに損失解消の進捗を国会に報告し、目標未達の場合は新規投資の停止や組織縮小を行う
- 独立した有識者による継続的な監視: 投資の専門家が投資方針・コスト管理・情報開示を定期的に評価する体制を設ける
政府側は「スリーアウト制(一定期間目標未達が続いた場合に統廃合または廃止を検討する仕組み)がすでに存在する」と説明しましたが、安野議員はさらなるガバナンス改善を求めました。
JICTの政策目標には「日本企業の海外での収益向上」や「経済安全保障への貢献」が挙げられています。しかし現在のKPIは主に「投資額がいくらか」「何社と連携したか」というインプット(投入量)中心の指標になっています。
安野議員は、成果そのものを測る「アウトカム指標」の追加を提案しました。
- 投資先企業の海外売上高や現地法人設立数
- 海外ケーブルの冗長性(非常時のバックアップ回線)の向上度
- データセンターの地理的な分散状況(経済安全保障に直結する指標)
政府側は「他の官民ファンドの事例も踏まえて検討する」と回答しました。
今回の質疑は、JICTの設置期限延長という一つの法案を通じて、官民ファンド全体の透明性・撤退基準・成果の測り方を問い直すものでした。「延長するなら、その条件も整えるべき」というのが安野議員の一貫したメッセージです。