いまきたみらい
2026年4月24日·衆議院·委員会·安全保障委員会

【全文】衆議院 安全保障委員会 質疑/山田瑛理(2026年4月24日)の要約

山田瑛理議員が衆議院安全保障委員会で、沖縄の不発弾処理体制・サイバー防衛のAI活用・宇宙作戦集団の新編などについて質疑をしました。

2026年4月24日、衆議院安全保障委員会で、チームみらいの山田瑛理議員が防衛省設置法等の一部を改正する法律案(防衛省・自衛隊の組織を見直す法律)の審議に臨みました。沖縄の不発弾処理から宇宙・サイバー防衛、自衛官のキャリア支援まで、幅広いテーマについて政府に問いただしました。

沖縄の不発弾処理体制は大丈夫?

今回の改正案では、陸上自衛隊の第15旅団(那覇駐屯地)を「師団」(より規模の大きい部隊編成)に格上げし、約1,600名を増員する予定です。しかし、山田議員はこう指摘しました。

  • 沖縄では今も年間約600発の不発弾が処理されており、完全処理には70〜100年かかると言われている
  • 現在の不発弾処理隊は20名体制で、今回の増員に処理体制の強化は含まれていない
  • 首里城復元工事でも不発弾が見つかり、数千人が避難する事態になった

小泉防衛大臣は「令和6年度に427件・約11トンを処理し、全国の約34%を担っている。引き続き万全を期す」と答えましたが、増員計画はないと説明しました。

人手不足をAIで補う防衛省のDX化

山田議員は、自衛官の充足率が89.1%(約1割が不足した状態)であることを踏まえ、AIやドローンの活用による省人化を提案しました。

小泉大臣は「AIカメラや無人機(UAV・UGV)を使った駐屯地の巡察システムを検証中で、全国展開すれば1日あたり約1,000人分の省人化が実現できる可能性がある」と説明。また、自らの国会答弁の草案もAIが作成していると紹介し、「失敗を恐れずどんどんやってくれ」と防衛省内のAI活用を後押ししていると語りました。

AI時代のサイバー防衛をどう強化するか

山田議員は、高性能AIの登場によって安全保障の世界が「AI×AIの攻防」へと変わりつつあると指摘。「人が主でAIは補助」という現状のサイバー防衛の構造を見直し、「人×AI」の高度なハイブリッド体制を構築すべきと訴えました。

小泉大臣は「AIを活用した情報収集・分析の実証を令和7年度から開始する」と前向きな姿勢を示し、米ペンタゴンでのAI全面活用の取り組みを紹介しながら「日本も学ぶことが多い」と述べました。

サイバー専門部隊については、2022年度の約890名から2027年度末に約4,000名へ拡充を目指しています。しかし、民間IT企業との人材獲得競争が激しく、数が増えても技術水準が伴わない「空洞化」のリスクが懸念されます。防衛省は企業研修や国内外の教育機関への留学、海外サイバー演習への参加などを通じて「質」の確保にも取り組んでいると答えました。

宇宙をめぐる国際ルールと日米連携

今回の改正で「宇宙作戦集団」(約880名)が新編されます。山田議員は2点を質問しました。

国際規範の形成について:外務省は、衛星を直接破壊する実験(DA-ASAT実験)は宇宙ゴミ(デブリ)を大量に発生させ、軌道の安全な利用を損なう無責任な行為だと説明。日本は2022年にこの種の実験を行わないと世界に表明し、同年の国連総会決議にも貢献しました。また宇宙デブリ低減に向けた国際ガイドラインの形成にも積極的に関与しています。

日米の規模差について:アメリカ宇宙軍は約15,000人の独立した軍種ですが、日本の宇宙作戦集団は880人規模です。ただし、イギリス・フランスも同規模の宇宙組織を空軍内に置いており、情報共有の枠組みも機能しているため「特段の懸念はない」と政府は説明しました。

衛星ジャミング(GPS・通信衛星への電波妨害)への対策としては、静止軌道衛星と低軌道衛星を組み合わせた多層的な通信網の整備を進めており、次期防衛通信衛星では妨害に強い高周波数帯の採用も進めていると報告されました。

自衛官の再就職支援を在職中から

今回の改正では、退職給付金の受給要件が「継続20年以上」から「通算20年以上」に緩和されます。一度退職して民間に出て、また戻ってくる「複線型キャリア」を後押しする改正です。

山田議員は「現在の再就職支援は定年3年前からに限られているが、30〜40代で民間に出ることを念頭に置くなら、20代・30代の在職早期からキャリア教育を始めるべきだ」と提案しました。防衛省はEラーニングを活用した資格取得支援や専門相談員による進路相談など、セカンドキャリア支援の充実を図ると答えました。

山田議員は最後に「宇宙・サイバー・AIと安保の領域は急拡大しているが、最前線に立つ人が十分に守られているかが大切。装備と組織の近代化と並行して、自衛官一人ひとりの処遇・キャリア・安全を底上げすることなくして真の防衛力強化はない」と訴えました。